夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その176 発行日    2016年5月22日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 ホームセンターの入り口付近には、花や野菜の苗でいっぱいである。色とりどりの花を見るのが好きなのだが、カタカナで書かれた名前は、さっぱり覚えられない。買うときは一年草の花を選ばないで、毎年楽しめる宿根草の花を選ぶようにしている。
 園芸種は外来種ばかりで生態系云々なんか、今ではほとんど意味がなくなってしまっているようだ。先週末から一段と暖かくなって来て、至る所にセイヨウタンポポが咲き乱れ、モンシロチョウを普通に見かけるようになった。
  言いたい放題
 「政府が月内に閣議決定する2016年版「自殺対策白書」の全容が17日、明らかになった。06年の自殺対策基本法制定から10年の節目を迎えることを踏まえ、自殺者の割合の変化を分析したところ、50歳代の男性が低下した一方、男女とも70歳代以上が増加したことがわかった。・・・(省略)・・・自殺者の割合を年齢別に見ると、50歳代の男性は07年の16.6%から15年は12.1%に低下。逆に70歳代以上は男性が11.4%から14.9%、女性は7.9%から9.6%にそれぞれ増えた。」(読売新聞より)
 3月に2015年の自殺者数が発表された時には、自殺者が年々減少する中において、中高生の自殺者が増加していることが注目されていた。それに加えて今回の分析では、70歳代以上の自殺者の割合が増えているとのことである。
 少子高齢化社会において、減っている中高生なのに自殺者が増えているというのは大きな問題であろう。一方、高齢者は年々増加している。それに比例して70歳代以上の自殺者の割合も増えているのかどうかは読み取れないが、少なくとも心の安寧が欲しい高齢者が自殺に追い込まれるということはとても悲しいことであろう。少なくとも最期が自殺だなんていうことにはならないような社会にして頂きたいものである。
  つくしんぼの詩
 5月の爽やかな風を切って、自転車で走るのが気持ちいい季節になった。自転車に乗って遠出と思われるサイクリングの人たちとも、よく擦れ違うようになった。当然、そのような自転車は車道を走ってゆくのだが、中には、歩道を突っ走ってゆく人もいる。
 私は、歩道を走るときは子どもが飛び出して来ても、すぐ止まれるようなスピードでしか走っていないのだが、私より遅い自転車は、本当に稀である。歩道の車道から離れたところをスピードを出して、私を追い越してゆく。電動アシスト自転車に乗ったおばさんである。最近多くなった電動アシスト自転車、暴走族化した高齢者も意外と多い。困ったものである。
  虫尽し
 5月になるとベランダには色んな虫さんが飛んで来るので、毎年楽しみにしている。だが今年は、残念ながらあまり飛んで来ない。雪融けは早かったのだが、虫さんの活動は、今ひとつである。
 5月の初めの天気のいい日、干していた洗濯物を取り込んで畳んでいた。下着を片付けようとしたら、下から黄色い胸をした虫がぴょんと飛び出してきた。見たこともないハチのように見えた。全部片付けてから窓を見ると、やはりいた。黄色い背中をした見たこともないハエである。早速掴まえて標本にしたら、黄色いのは花粉であった。タンポポであろうか。
  情報の小窓
『ゼミをとる学生の一人が高齢者である。それを熱心に教える先生の姿が新聞に載った。自宅から二時間をかけてその先生はそのゼミに行く。
 おそらく先生は自分の中で自分がすることを楽しんでいるのであろう。だから元気なのである。これが心の貯金のある人である。これが心の豊かな人である。
 心の貯金のない人、真の充足感を体験していない人は、人から誉められることが生きがいで、こんなことをしたら人はどう思うだろうと心配する。そして生きることに疲れていく。』
 PHP研究所「心の安ませ方 「つらい時」をやり過ごす心理学」加藤諦三著

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