夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その179 発行日    2016年8月21日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 酷暑とはいかないが、札幌も暑い夏となっている。30℃近くになって札幌の真駒内も一気にアブラゼミ、ツクツクホウシ、エゾゼミが啼き、ハネナガキリギリスも鳴き始めた。今年は虫さんが少ないように感じるが、そのせいなのか植物の方は元気が良さそうに見える。
 コスモスは、既に花を咲かせている。木々の葉は、虫の食痕や変色が目立ち、すっかり成長のピークは過ぎ去ったように思われ、落ち葉も増えてきた。今年は菊の成長がいいので、どれだけ素晴らしい花を咲かせるのか、今から楽しみにしている。
  言いたい放題
 私のフィールドである札幌・定山渓の森林には、マダニがかなり多く棲み付いている。日本においても、世界においても歩くたびにマダニを見かけるところは、私は他には知らない。16日のニュースで、北海道で男性がマダニに咬まれて発症するダニ媒介脳炎に感染して死亡したと流れていた。1993年にも道内で感染が確認されていて、2例目とのことである。
 私は、ここ3年続けてマダニに咬まれているような気がする。毎回歩くたびに、マダニが網に付いてくる。林道を歩くときは、ときどき明るい場所でズボンやシャツにマダニが付いていないか確認している。首筋は見ることができないので素手で確認する。7月だったと思うが首筋を撫でると、何かが触れたので、何だと思いその手を見るとマダニが付いていた。咬まれていないと思っていたら、その後少し腫れたので咬まれて間もなくだったのだろう。しっかり喰らい付くと、マダニの体を無理矢理引っ張ると頭部が残ってしまう。
 マダニは、現地で咬まれなかったからと安心してはならない。衣服やバッグに付いてきて、家に持ち込んでしまうことがある。そして寝ているときに咬まれてしまうのである。今年も部屋の中を歩き回っているマダニを見つけた。犯人は、私である。これからは、更にマダニには気を付けなくてはならないだろう。
  つくしんぼの詩
 「厚生労働省は1日、今年3月時点で生活保護を受けた世帯数は、前月より2447世帯多い163万5393世帯(速報値)で、過去最多だったと発表した。保護停止中を除く162万6919世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯は、82万6656世帯(前月比1万8357世帯増)となり、全体の50.8%を占めた。(読売新聞より)」
 「高齢者の貧困が進んでいることが浮き彫りになった」と言うことである。高齢者の貧困は、何故増えているのだろうか。格差社会が進んでいる今の世の中、今後も高齢者世帯の生活保護は増え続けることは明々白々であろう。国の悪しき政策のせいであることは確かなのである。
  虫尽し
 ホームセンターに行っては、草木や花を眺めている。先週もホームセンターに立ち寄ると、ちょうど1匹のアゲハが翔んで来た。キアゲハではなく、ナミアゲハの雌のようである。自転車を置いていると、ナミアゲハは園芸コーナーの上を旋回していた。
 園芸コーナーには、蜜柑の仲間の木が2鉢置いてあったのは知っていた。その鉢の辺りを翔び始めた。近付いて見ていると、やはり卵を何個も産み付けていた。その後、孵化して、今は2齢になっている。全て育つと木は、丸坊主にされてしまうだろう。その前に、店員は気付くだろうか。
  情報の小窓
『質問に対して正面から直接きちんと答えることができず、かみ合わない答でごまかすというのも似たような手法です。横領事件の被疑者に対して、「盗んだのか」「ねこばばしたのか」「使い込んだのか」などとどぎつく生々しい言葉で質問してみます。このとき、無実の者で、やましいことがなければ「盗んでなんかいないですよ」「ねこばばなんてしていません」などと直接的に否定するものです。しかし、実際に横領したものは、「疑われることなんてないですよ」「問題になるようなことはしていません」などと、直接表現を避ける傾向があります。要は、やましいことがあるので、まともに答えたくないのです。あたかもきちんと答えているかのように見せかけて、感情が揺さぶられる部分を排除し、言質をとられないようにしているのです。』
 新潮新書「嘘の見抜き方」若狭勝著

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