夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その197 発行日    2018年3月18日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 3月も中旬になると、雪融けが進んでくる。国道の車道は乾いたアスファルト路面となっているが、歩道はまだざらめ状の雪が残っている。それでも、アスファルトの路面も少し現れてきているので、天気さえ良ければ、雪融けは一気に進むだろう。
 去年の11月、母の所のハイビスカスを切り取って、私の所で鉢植えにしていたら、蕾が付きそして膨らんで来て、橙色の大きな花が咲いてしまった。多分根付いたことは確かなようであるが、まだ引き抜いて根を確認することは出来ない。暖かくなる5月までは、このままであろう。それまでアブラムシを退治しながら、花を咲かせ続けたいものだ。
  言いたい放題
 「学校法人〈森友学園〉との土地取引に関する決裁文書の書き換え問題」は、引き続き社会に衝撃を与えている。麻生財務相は、「一部の職員が行ったこと」と言っているが、俄かには“信じがたいこと”と思っている国民が多いのではないだろうか。実際、何があったかは、これから解明されてゆくのを見守ってゆくしかない。それにしても、信じがたいことが行われるものである。
 民主主義も、やはり騙そうとする悪が存在する限り不完全なままなのだろうとつくづくそう思うのである。まして国会でこんな状態ならば、地方や地域の多くの組織、特に損得勘定の発生する組織は、いとも簡単に悪に牛耳られ、それをまともな状態にしようなんてとても出来ないことが実態ではないだろうか。残念ながら、地域の組織においては、中立中正を基とする第3機関なんて存在しないから尚更である。「文書を書き換えさせられた」とメモを残して自殺した職員のような正直者は、自殺するまでいかなくても、泣き寝入りするしかない世の中である。
 私の住むマンションの管理組合(一部のあくどいグループの人たち)は、マンション管理士や管理会社と癒着して、マンションの管理・運用を牛耳って、自分たちに都合の悪いことは組合員に報告しない。当然、議論したことも議事録にも載せないという民主主義の根幹に関わることを行っている。そして町内会(あくどいグループとつながりのある一部の人)においても、似たり寄ったりのことを行っている。身近な組織がこうである。それを可能にしているのは、人々の“無関心”であろう。国の選挙においても投票率は下がる一方で、この“無関心”は、国や地方・地域からも民主主義を奪ってしまうことだろう。民主主義の危機である。
  つくしんぼの詩
 3月に入って、冬の終わりを告げる大雪が降った。その後、今度は春の始まりを告げる大雨が降った。その大雨の日、傘を差して母の所に行った。雪道の柔らかい上層の雪は、すっかり融け、その下層の硬い氷の層が現れていた。
 今冬の初めのツルツル路面と同じく、雨の中4kmの道程を慎重に歩いたら、この冬2度目の筋肉痛になってしまった。高齢者の人たちは、ペンギン歩きで慎重に慎重を重ねて歩を進めている。私は、太腿に緊張を感じながらも、いつもと同じほどの時間しかかからなかったのだが。
  虫尽し
 先週、ふと鉢植えのカランコエを見たら、鉢の縁にゾウムシが留まっているのに気が付いた。クチブトゾウムシの仲間である。多分、鉢の土中に入り込んでいたのだろう。幼虫は、土中で根を食べて育つようだが見たかったものである。
 何処かに逃げたらいけないから、去年から放っておいた毒ビンの中に入れ、暫らくしてから取り出して、“明日、標本にしよう!”と思い、近くに置いていた。翌朝、見てみると、影も形も無くなっていた。死んでいなかったようである。その後、結局、何処に行ったか見つからない。
  情報の小窓
『この世には、優れた人間もそうでない人間もいるのです。生まれ、知識、財産、権力、などでは優れた人間になりません。決め手は、行いなのです。悪行為をする人は悪人です。善行為をする人は善い人です。煩悩にまみれて汚れた心で生活する人の人生は卑しいのです。煩悩の働きが少ない分、優れた人間になるのです。煩悩をなくす道を歩む人々は、聖者(真のバラモン)になる道を歩んでいるのです。煩悩をなくした人は、最高に優れた人です。
 せっかくの人生なので、清らかな心を育てるよう誰でも努めるべきです。怒る人よりは、怒られない人のほうが優れているのです。』
 サンガ「一日を変えるブッダの教え」アルボムッレ・スマトサーラ著

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