夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その 発行日 1999年4月23日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 GWも間近に控えて先日、愛鷹林道に足慣らしに行って来た。カラっとした晴天を期待していたのだが、残念ながら薄雲が広がった天候であった(ちゅっと口惜しい)。路傍の野草には、まだお休み中の黄色いキチョウが横たわっていた。顔を近づけると慌てふためいて翔び立った。如何にもうっとうしい奴が来たとばかりに、チラっとこちらを振り返りながら。既に、紅紫色のコスミレ、黄色のキジムシロ、薄い瑠璃色のヤマルリソウ等々、多くの小さな花を咲かせた野草が、まだ殺風景な春の景色を彩っていた。
  言いたい放題
 企業の生産性向上は、市場原理優先の資本主義経済の中では、至上命題である。大企業は、一番であることを目指す。しかし、資本主義経済の中で生き残るには、全般的に一番である必要はないのである。全てが同じ環境条件ではない。この地球上に生物は、1000万種以上生息している。一番であることが全てならば、淘汰の末、ほんの僅かな種類だけが残ることになる。しかし、現実は違う。種類毎に、生きている環境(ニッチェという)が違うのである。一本の木にも、根・幹・葉といろんな環境があるため多くの種類の昆虫が棲んでいる。漠然と一番である必要はないのである。ところが、身の程知らずの企業が有効な戦略も持たず労働者に負担を課すことにより、見かけ上の生産性を上げてきたが、やはりそのような姑息な手段は、破綻を来してきた。無能な管理者たちは、労働者の頑張りが足りないと責任を転嫁し、そしてその付けを結局、労働者に払わせようとしている。八方塞がりの会社人間には、会社に対して自己破綻という最悪の結果でしか応えることができないのである。
 早く、社会人になろうよ。
  つくしんぼの詩
 小学校も新学期を迎え、ピッカピカの1年生が朝登校するのを見かける。この時期いつも感じるのだが、小学生が赤信号で信号待ちしているのにも拘わらず自転車に乗った大人たちが渡ってゆく。家庭で、学校で大人たちが子どもたちに、事故に遭わないように交通ルールを守ることを教えて、お手本を見せる。その中で赤信号でも渡る大人たちを、子どもたちの眼には、どう映っているのだろうか。
 それとも交通ルールは、18才未満対象なのか。
  虫尽し
 桜の花も一斉に咲き乱れ、多くの家の庭先では色とりどりの花が咲き始め、そして庭先から逃げ出した園芸種が道を飾っている。先週、気温がぐんぐん上昇したとき、夕闇迫る道端には、蚊柱が沸き立ち、空には、永らく春を待ち侘びたイエコウモリが、お腹がすいたと飛び交っていた。そして庭では、冬を越したクビキリギスが甲高く鳴き始めた。いよいよです。
  情報の小窓
 『・・・人の言いなりになっていないかぎり、この世の中で生き残って行けないシステムが、いつの間にかできあがっている。試験がすんだら、社会に出たらあなたは自由になれるのだから、それまでの我慢だ。こう言われるんですが、しかし実は、決して自由になれる日なんてやってこないわけです。・・・多くの場合、充実した人生を送る方法や・・・考える能力さえも奪われてしまっていることに気づくだけ・・・』
 岩波ブックレット「選択・責任・連帯の教育改革」堤清二・橋爪大三郎著

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