夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その30 発行日 2002年1月27日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 この冬は、寒波から始まったので寒い冬になるかと思われた。しかし、12月、そして1月も暖かい日が続いた。今週も荒れ模様だったのだが、気圧配置は春そのものである。
 北の冬将軍が頑張っているため寒気が流れ込んだときは寒いのだが、南の勢力も強くて低気圧が通り抜けるときは、九州から本州は大荒れとなる日が続いている。やはり、暖冬の影響だろうか。
 そうすると今年の夏は、太平洋高気圧の勢力が強くて暑い夏が来そうである。にわか天気予報士は、早くも夏に思いを馳せている。
  言いたい放題
≪つくしんぼの詩から≫ しかし、毎日3万人という多くの子どもが死んでゆくと言うのにも関わらず、貧国の貧しい人々には無頓着のままです。先進諸国の人々の関心は、先進諸国にしかありません。先進諸国に及ぶ事件でない限り、多くのメディアも取り上げません。貧しい国の人たちは、生きる術もなくただ死ぬだけなのです。
 昔も今も、相変わらず先進国の人々の裕福さは、後進国の人々の貧しさの上に成り立っています。まして、少資源国日本においては、尚更のことです。主食となる食糧の自給は、その国の安全保障の点のみならず独立した国の義務であるはずなのに、日本は散々な自給率です。嗜好食品に至っては、後進国そのものの大地を犠牲にしてまでして生産されています。
 自分たちが優秀だから、自分たちは頑張ったからという自己中心的な考えでいる限り、世界の中で貧国の置かれた状況や人々を理解できないでしょう。
 自力では貧しさから抜け出すことができないどうしようもない人々が、世界中にいっぱいいます。国民を貧しさから救いたくても救うことのできないでいる国もあります。そのような事情を、理解してあげて下さい。
 この美しい地球の明日を担う圧倒的多数の貧しい国々の子どもたちも、いつまでも瞳の輝きを失って欲しくないものです。
  つくしんぼの詩
 毎年1100万人(毎日3万人)という多くの子ども(5才未満児)が死んでゆきます。紛争や人権侵害で避難民となった4000万人のうち約半数が子どもです(2001年ユニセフ世界子供白書より)。
 この地球の人口は、増え続ける一方なのですが、その多くがこの貧国の人たちです。貧しいから故、必然子どもの数も多くなります。この悪循環を逃れる術を持ってもいないし、逃れるのを助けてくれる人もいません。
 7年前の阪神淡路大震災では6千数百名、昨年の米国同時テロでは4千数百名の尊い命が失われました。その時、先進諸国の人々の関心は、そこにありました。とても悲しい出来事だと。≪言いたい放題へ≫
  虫尽し
 ジンバブエ北東部の町ムタレで、山腹の昆虫を採りに郊外の住宅地の道を歩いていた。
 ふと前を見ると、“あれ!アリかな!”“いや、大きすぎる”“うん、ハンミョウかな?”得意の道端での昆虫採集である。当然相手が何者か分からないが、素手でむんぎゅと掴まえる。すると、それを見ていた細身の貴婦人らしき女性が、「わあ!ああ!▽×□△!◇□×#!」なんて、驚きながら私を見ている。私は、右手の物を見ながら、にこっとして通り過ぎた。・・・
  情報の小窓
 『物が真にわれわれを動かし、われわれを行為へと駆り立てるのは、実はわれわれが徹底的に自分というものを否定して、物そのものになりきったときなのです。・・むしろ虚心坦懐に物の中に入っていって、物の中から物を見たとき、われわれは行為に駆り立てられるのです。』
 NHKこころをよむ「西田幾多郎の思想〜二十一世紀をどう生きるか(下)」小坂国継著

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