夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その97 発行日 2009年2月22日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 この冬一番の寒波が、今週訪れた。平年の最高気温が1月下旬の−1.4℃から徐々に上昇してきて、今は、プラスの気温になった。平年2月下旬に、最大となる積雪量なので、来週からは、気温も一気に上昇して、積雪量も減少してゆくことだろう。
 車を運転しない私にとっては、歩道の雪融けが待ち遠しい。雪道でも走れる自転車はあるが、雪で歩道が狭まり歩行者にとって危険なので、自転車には、乗らないようにしている。お年寄りが普通の自転車に乗ったりしているのを見かけると、危なっかしくて見ていられない。あと一月、歩道から雪も融け、颯爽と自転車に乗れることだろう。
  言いたい放題
 最近、メディアを賑わしている話題は、経済不況や政治不信など暗い内容のことばかりである。その上、自民党内で改革推進派と改革見直し派による覇権争いが、麻生首相の郵政民営化見直し発言を機に、火蓋が切られてしまった。未曾有の経済不況に対する景気対策は、何処へ行ったやら、さっぱり前へ進む気配が感じられない。
 全世界に醜態を晒した中川財務・金融相等々、今や、自民党は、景気対策云々の前に、自滅の途を進み始めているようだ。構造改革路線により明らかになったマイナス面には全く反省することもなく、相も変わらず、郵政民営化の呪縛にがんじがらめになったままの小泉元首相が、3分2の衆議院は、私のものだと、未だにのたまっている。国民不在の政治のままで、いつまで自公政権は、延命を図ろうとするのだろうか。
 傍から今の政治を見ていると、緊張感がありそうでなさそうで大変面白い状況なのだが、現在の悪化一方の経済情勢を鑑みると、そうも言っていられない。国民不在の政治は、いつまで続けられるのだろうか。
  つくしんぼの詩
 先週、札幌に引っ越して来てから2度目の冬を迎えて、初めて雪道で転んでしまった。それまでは、つるつるのスケートリンクみたいになった道で、全く踏ん張りが効かない状態で去年と今年の2回、手を付いただけだった。
 急用があって、少し早歩きになっていた。大きな道から、少し奥まった所の細い道は、凸凹の雪道である。気にしながらも、足元を見つめながら歩いていた。車が通るが信号機のない三叉路を渡ろうとしたら、路面の大きな氷の畝の背に足を乗せた瞬間、滑ったような意識もないまま、横滑りで地面に転んでいた。北国において、冬の外出は、お年寄りにとっては、とっても勇気のいることなのである。
  虫尽し
 ロンボク島のセロンと言う町のホテルに泊まった。ホテルのフロントで手続きをしていると、カウンタの縁を大きなアリが一列になって歩いているのを見つけた。ツムギアリみたいである。
 ホテルから歩いて20分ほどの所に、村の裏手の林を見つけて入っていった。ここで網を振っていると、ツムギアリが網に良く付いてきた。林内をよくよく見ていると、ツムギアリの巣が、至る所に見つけた。やけに、ツムギアリが多いところである。
  情報の小窓
『医療の市場化が進むにつれて、低所得の人が病気になった場合の経済的負担が年々拡大し、医療費が払えないという理由で自己破産する人口が急増するようになった。ハーバード大学のエリザベス・ワレン教授によると「医療費負担」は、「クレジットカード負債」についでいまや自己破産の直接原因の第二位だという。さらに、病気が原因の失職など、間接的なものまで含めると、その原因の半数以上が「医療費負担・疾病関与」が理由である。こうした人々は無保険者となり、その数は年々増えている。』
 岩波新書「ルポ 貧困大国アメリカ」堤未果著

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