三岐鉄道851系「サイクルパス」 TMS646号(1998年10月)
TMS鉄道模型コンペ'97 佳作
三岐鉄道851系 1997年9月23日 完成
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 今回は、電車シリーズで最新型式である851系を製作することにしました。851系は廃車になる501系の代替として、平成7年に投入された三岐鉄道初の空気バネ台車付車輌です。801系(TMS577号)と同様、元西武701系ですが、種車が6連で性能的に異なるため801系とは別型式とされました。西武時代、電動車はコイルバネのFS342台車だったのですが、西武で余剰のFS372台車を使って全車空気バネ化されました。この851系からは、車番の付け方がMc、M、Tc共に「1」からになりMcとMも別型式とされています。(クモハ851・モハ881・クハ1851)
 「サイクルパス」とは、平成9年4月からスタートした新制度で、自転車を車内へ持ち込めるという全国でも珍しい制度です。持ち込み料金は不要で、構造上問題のある近鉄富田を除く全駅で、日祝日・春夏冬休みの9〜16時の7往復の指定列車で利用できます。(平成9年9月現在)この「サイクルパス」には、801系・851系(3連車)が運用され、先頭車が自転車持ち込み専用となっており「サイクルパス」のヘッドマークを付けています。このサービスの開始で、沿線のサイクリングや買物にたいへん便利になりました。是非一度、ご乗車してみて下さい。

 < 車 体 の 製 作 >
 801系同様、KATOの西武101系を利用し、図のように加工します。前面、妻板はGマックスの西武101系のパーツをはめこみます。801系の時は改造しなかったのですが、西武の新101系は701系よりヘッドライトが離れているため、今回はライト孔を図のように空け直して、取付けています。側面の戸閉ランプは、今回はキットのものを利用せず、#0.1赤ペンのペン先を利用します。ペン先だけを引き抜き、赤塗料を染み込ませます。車体へは黄色塗装後にφ0.5の孔を空け、内側から通して接着します。

 < 屋 根 の 加 工 >
 屋根も801系と同様の加工を行いますが、801系とは配管等がかなり異なるので、図のようにします。クーラーはステンレス製のCU72CではないのでKATOの113系屋根板よりCU72Bを切り取って取付けます。ベンチレーターもタヴァサのグローブ型ベンチレーターに交換します。配管類はφ0.3真鍮線で割ピンで固定していきます。パンタグラフはPS16で、アンテナは両方の先頭車共取付けます。因みに801系は、模型製作時は両方の先頭車共付いていましたが、現在は富田側しかありません。西藤原側にあったものははずされて、電機に取付けられています。

 < 下 ま わ り >
 床板も801系と同様に仕上げますが、これも801系とは異なるので、写真をもとに似たものを選び出し、床板に取付けていきます。今回は車体付けTNカプラーを使用するので、床板端部をカットして接着します。動力車も同様で、ダイカストブロックを削って取付けます。
 台車はFS072・FS372なのでそのまま使用しますが、ブレーキ引棒をφ0.3真鍮線で追加して、より実感的にします。今回は車体付けTNカプラー使用のため、ジャンパー栓は省略します。また、カプラーポケットは根元からカットしておきます。

 < 塗 装 >
 801系と同様で、まずボディーをマスキングし、屋根にGマックスのねずみ色1号を吹き付けます。乾燥したら、屋根とステンレスの扉と前面ステンレス板をセロハンテープでマスキングしボディーに下地としてGマックスの黄5号を吹き付け、その上に西武イエローを吹き付けます。これが乾燥したら下から2oを残して、セロハンテープでマスキングしGマックスの黄かん色を吹き付けます。
 床下、台車は、Gマックスのダークグレー、運転台と仕切り板はGマックスの京阪ライトグリーンを塗ります。ダイカストブロックにはつや消し黒を塗って、床下機器をひきたてます。

 < 仕上げ・その他 >
 まず窓ガラスをはめこみます。前面と妻板のガラスは両面テープでキット付属のものを貼り付けます。運転台と運転室仕切り板は図のように製作し取付けます。乗務員ステップ、スピード検出ケーブルは銀河モデルのパーツです。排障器は、今回はt0.3プラシートより自作して台車に取付けます。また乗務員ステップ横には自作の車止めを付けてあります。発車ベルは銀河モデルのスピード検出装置を流用し、富田側の妻板幌上部に取付けます。妻面ドアコックと床下車体フックはタヴァサの手すりを流用します。
 レタリングは、Gマックスの西武用黒文字中字で入れます。社紋は銀色のものを入れておきます。方向幕は、Gマックスの西武2000系ステッカーより「近鉄富田行」を切り出して貼り付けておきます。ワンマン表示は緑色のステッカーを切り出し、白い点をうって文字を表現しておきます。「サイクルパス」マークは、実物を写真に撮り、カラーの縮小コピーで作って貼り付けておきます。尚、実物は磁気シート製で乗務員が運行時に前面に貼り付けています。
 最後に、運転士ですが、制服の色がグレーに変わっているので塗り替えて、クモハの運転室に乗せて完成です。