太平洋セメント 四日市出荷センター 専用機
太平洋セメント四日市出荷センター 概要
 JR関西本線四日市駅から分岐の構外側線(通称:四日市港線)の終点に位置する。ちなみに、四日市港線には、千歳運河に架かり跳開式で有名な1931(昭和6)年12月竣功の末広橋梁(国指定重要文化財)がある。
 2011(平成23)年5月現在、三岐鉄道東藤原〜四日市港に臨貨も含めて1日5往復のセメント貨物列車が設定され、富田からJR貨物愛知機関区DD51形の牽引で四日市港に到着する。四日市港で太平洋セメント専用機にバトンタッチされ、四日市出荷センターへと運ばれる。
 四日市SSでは三岐通運(株)系のセメントトラックも多数発着している。トラックは製造時期の違いで、各種塗装が見られる。小野田時代は三岐通運の標準カラー(上半クリーム/下半ライトオレンジ)、秩父小野田時代はライトグレーに赤の火の鳥マーク、現在は太平洋セメントの標準カラー(DD452と同じ)になっている。

太平洋セメント四日市SSの変遷
1960(昭和35)年6月23日 小野田セメント四日市SS誕生
1994(平成 6)年10月1日 小野田セメント(株)と秩父セメント(株)が合併し秩父小野田(株)となる
1998(平成10)年10月1日 秩父小野田(株)と日本セメント(株)が合併し太平洋セメント(株)となる

DB02形(02)
 DB02は1960(昭和35)年、小野田セメント四日市SS開設時に東洋電機製造で新造された20トン機である。大型のOD451導入後は、時期は不明であるが国鉄(現JR)高山本線坂祝駅にある美濃SSに転属した。
 その後、1986(昭和61)3月に廃止された国鉄参宮線宮川駅の小野田セメント専用線が廃止となり、同線で活躍していたOD25(日立製作所製25トン機)が美濃SSへ転属し、さらに1997(平成9)年9月に廃止されたJR関西本線八田駅にあった秩父小野田(旧秩父セメント)のD804(協三工業10トン機)が転属し予備機も確保でき、DB02は完全に入換作業からは離脱し再起は絶望と思われる。

OD45形(451・452・452A)

 OD451は1970(昭和45)年6月、日本車輌製造で新造された45トン機である。現在も小野田セメントのマークを付けた黄色塗装で活躍中。1971(昭和46)年7月に一度だけ三岐鉄道保々車輌区へ検査入場している。しかし、大型のため扱えず続かなかった。下のDD511入線で2015(平成27)年1月に廃車となった。
 OD452は1962(昭和37)年、新三菱重工業(現三菱重工業)で新造された45トン機で八幡製鐵(現新日本製鐵)戸畑製造所45DD-8形D4505である。時期は不明であるが八幡製鐵で廃車後小野田セメント四日市SSへ譲渡された。その後、1988(昭和63)年に二代目OD452にバトンタッチし廃車解体された。
 OD452Aも1962(昭和37)年、新三菱重工業で新造された45トン機で八幡製鐵八幡製鐵所45DD-7形D407である。時期は不明であるが八幡製鐵で廃車後、八戸運輸45BBHとして竣功し国鉄八戸線鮫駅で東北開発専用線等の入換えに活躍した。1984(昭和59)2月の廃止で廃車となり、京王重機整備で整備の上、高崎運輸DD453として竣功し国鉄高崎線倉賀野駅で活躍した。1988(昭和63)年に廃車となり、再び京王重機整備で整備され小野田セメント四日市SSでOD452初代に変わって竣功した。下のDD452入線で1999(平成11)年6月に廃車となった。

DD45形(452)
 DD452は1982(昭和57)年12月、富士重工業で新造された45トン機である。当初は上のOD452Aと同じ高崎運輸の所有で倉賀野で活躍していた。1999(平成11)年モリヤ(旧モリヤ産業)新潟工場で整備の上OD452Aに変わって竣功した。この車輌から太平洋セメント標準カラーとなっている。

ND552形(55219)
 ND55219は1965(昭和40)年に、日本車輌製造で新造された、国鉄DD13 226(最終配置静岡機関区)で1987(昭和62)年2月に廃車となり、名古屋臨海鉄道に譲渡され翌年8月にND55219として竣功した。しかし、2000(平成12)年7月から開始された中部国際空港建設用埋立土砂輸送で機関車不足となるため、急遽太平洋セメント四日市SSへ移籍することになった。当初は名古屋臨海鉄道カラーのまま活躍したが、現地で塗装され太平洋セメント標準カラーとなっていた。骨材輸送終了に伴い、2012(平成24)年5月に廃車となった。

DD51形(511)
 DD511は1983(昭和58)年、日本車輌製造で新造された50トン機である。当初はJR北海道室蘭本線本輪西駅からのJX日鉱日石エネルギー(元日本石油精製)室蘭製油所専用線の運行管理を受託していた栗林商会の所有であった。しかし、2014(平成26)年5月に道内唯一となっていたタンク貨車による石油輸送がトラック・船舶輸送に切り替わり、専用線は廃止となり機関車も余剰となり、同年7月に太平洋セメント四日市SSへトラック輸送され、塗装変更されること無く同年10月より稼働している。

太平洋セメント専用機については、諸元等あまり詳しく調査出来ておりません。
詳しい情報をご存じの方はご連絡(メール)お待ちしております。
※DB02形写真と、各形式詳細情報をご提供頂きました、大脇崇司様ありがとうございます。
※DD45形の詳細情報をご提供頂きました、青山様ありがとうございます。
2016.8.13 更新
主要諸元
形式 車号 最大寸法(長巾高) 自重(t) 内燃機関 出力(PS) 回転数 牽引力(s) 台車
DB02 02 6750×2525×3405 20.00 DMH17C 180×1 1500 不明
OD45 451 11650×2661.4×3600 45.00 DMF31SB 500×1 1500 11250 NL25
452・452A 11000×2600×3700 45.00 DMF31SB 500×1 1500 不明 不明
DD45 452 12450×2980×3830 45.00 DMF31SD 500×1 1500 不明 不明
ND552 55219 13600×2826×3852 55.00 DMF31SB 500×2 1500 不明 DT113
DD51 511 11850×2672×3760 50.00 SA6D155-4 530×1 1500 不明 NL40A
車輌画像
大脇崇司氏 撮影

DB02

1991.6.

美濃SS

三岐鉄道 所蔵

OD451

1971.7.

保々車両区

OD451

1996.10.9

四日市SS

OD452A

1991.12.31

四日市SS

高崎運輸時代の画像へ
DD452

1999.10.28

四日市SS

大脇崇司氏 撮影

ND55219(塗替前)

2000.8.18

四日市SS

ND55219(塗替中)

2000.9.6

四日市SS

ND55219

2000.10.12

四日市SS

JX日鉱日石エネルギー室蘭製油所専用線時代の画像へ
DD511

2014.12.19

四日市SS

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