和歌と俳句

河東碧梧桐

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瓦燈口あかき見ゆるや星月夜

星月夜狼火にあらぬ稲妻す

むら薄似し墓あるに詣りけり

草ぬいて早や暮るゝ日の墓参かな

門跡に我も端居や大文字

海の月花火彩どる美しき

稲妻の光る花火の絶間かな

や道程を聞く二里三里

箒木は皆伐られけり芙蓉咲く

木槿さく畑の径や木幡山

紙漉きの恋に咲きけり鳳仙花

蓼の花草末枯れて水白し

古里に唐門あるや芭蕉寺

灯ともすや野分止む頃戻る船

ひもらぎの莚の露や三日の月

寝る時の湯浴静かに夜長かな

芒絶て茅の穂交り花野かな

芒谷下りて果なき花野かな

果なしの野に立つ日暮れけり

江ノ島に茫々として芒かな

芝青き中に咲きたつ桔梗かな

休らへば手折りもぞする女郎花

深き草の中来ぬ塔の下