和歌と俳句

篠原鳳作

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草苺あかきをみればはは恋ひし

一碧の水平線へ籐寝椅子

浪のりの白き疲れによこたはる

浪のりの深き疲れに睡も白く

海焼の手足と我とひるねざめ

満天の星に旅ゆくマストあり

船窓に水平線のあらきシーソー

しんしんと肺碧きまで海のたび

幾日はも青うなばらの円心に

甲板と水平線のあらきシーソー

月のかげ塑像の線をながれゐる

月光のおもたからずや長き髪

そそぎゐる月の光の音ありや

窓に入る月の塑像壺をかつぎ

背の線かひなの線の青月夜

闇涼し蒼き舞台のまはる時

稲妻のあをき翼ぞ玻璃打てり

稲妻の巨き翼ぞ嶺を打てる

鉄骨に夜々の星座の形正し

鉄骨に忘れたやうな月の虧