和歌と俳句

阿部みどり女

注連はるや神も仏も一つ棚

抜衣紋して薄着なる初島田

名作の鏡獅子人形去年今年

やすらかな天上に屠蘇酌み給へ

玄関に風の訪れ寝正月

初燈虚子恒友師南無阿弥陀

障子撫でる風の時折二日かな

松の内足の痛みになまけ蟲

左義長の最後の花火か眠りけり

餅花や命となりし遺影なる

餅花や静かなる夜を重ねつつ

餅花や障子に旧の十日月

足の痛み時には忘れ福壽草

福壽草悲喜の話の中に咲く

初鴉いつもの山より常の声

金の辨こぞりて開く福壽草

帯締めて貰ひしかたさ女正月