俳句案内

種田山頭火

鉢の子

其中一人

行乞途上

山行水行

雑草風景

柿の葉

孤寒

旅心

松はみな枝垂れて南無観世音

松風に明け暮れの鐘撞いて

ひさしぶりに掃く垣根の花が咲いてゐる

分け入つても分け入つても青い山

しとどに濡れてこれは道しるべの石

炎天をいただいて乞ひ歩く

鴉啼いてわたしも一人

生死の中の雪ふりしきる

木の葉散る歩きつめる

踏みわける萩よすすきよ

この旅 果もない旅のつくつくぼうし

へうへうとして水を味ふ

落ちかかる月を観てゐるに一人

ひとりで蚊にくはれてゐる

投げだしてまだ陽のある脚

山の奥から繭負うて来た

笠にとんぼをとまらせてあるく

歩きつづける彼岸花咲きつづける

まつすぐな道でさみしい

だまつて今日の草鞋穿く

ほろほろ酔うて木の葉ふる

しぐるるや死なないでゐる

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