和歌と俳句

竹下しづの女

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傷兵に今日のはじまる東風が吹く

軍隊の短き言葉東風に飛ぶ

軍需輸送の重き車両ぞを被来

吹雪く車輌征人窓に扉に溢れ

車輌吹雪き軍服床に藉きても寝る

やすまざるべからざる風邪なり勤む

寒行の眼鏡妖しく光り来る

壁炉美し吾れ令色を敢へてなす

壁炉あかしあろじのひとみひややかに

風鈴狂へり夕餉おくるる由ありて

悲憤あり吐きし西瓜の種子黒く

うつぶして華こそ勁し葦の華

英霊も秋風に夕まぎれつつ

子といくは亡き夫といく月真澄

金色の尾を見られつつ穴惑ふ

鈴懸黄樹を鉾とし葦を楯とし棲む

鵯問へば鵙が答ふる答へけはし

吾が胃吾が手に触れよりの夜長かな

大学生に買はれて哀し塩鰯

塩鰯啖つて象牙の塔を去らず

寒雀倣岸に蘆華猖介に

かく粗くかつ軽けれど今年米

枯銀杏空のあをさの染むばかり

年けはし炭欲る心打ち捨てたり

石炭を欲りつつ都市の年歩む