和歌と俳句

長谷川素逝

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朝の日がなんばんの葉のあひだより

足もとにかやつり草の露はじき

筆硯を洗ふ朝涼おのづから

山の日と八月青き栗のいが

あけはなしの仏間と間ごとの灯

座蒲団のならび燈籠灯くひと間

人の世のかなしきうたを踊るなり

踊すみ燈籠送りすみ闇夜

音たててくさぎの花に山の雨

青柿の月日やけふも雨そそぐ

新涼の夜風障子の紙鳴らす

村は夕べ障子の中に飼ふ秋蚕