和歌と俳句

長谷川素逝

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のなか蓼も野菊も日の出まへ

はんの木に露の日輪ひつかかり

飛鳥路はしづかに土塀の日

よこたはる礎石の月日粟熟れて

山国の日のつめたさのずゐき干す

曼珠沙華描かばや金泥もて繊く

の夜のおのれ古りたる影を膝

よく閉めて雨の夜長と灯の夜長

いちまいの壁の夜長のあるがまま

長き夜の影と坐りてもの縫へる

ふりむきし顔の夜長の灯くらがり

とけい屋が夜長のがらす戸に幕を

星空へひしめく闇の芋畑

十五夜の灯をほと洩らし百姓家

訣れとはの明るさなど言うて