和歌と俳句

長谷川素逝

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霧のなか雑木黄葉の色はあり

ただよへる黄葉あかりのなほ暮れず

木々の間に紅葉のいろのかたまれる

竹林をそびらに紅葉うきあがり

空に透き紅葉いちまいづつならぶ

苔の上のひとつひとつの散り紅葉

ふりかぶり濃紅葉あかりくらきほど

かんばせに濃紅葉あかりけはしさよ

地に敷いて落葉のしじまときにあり

ふとき幹落葉の土をぬいてたつ

地のしじま落葉のしじま敷きにけり

たまさかの落葉の音のあるばかり

落葉敷いて大地の思念はじまりぬ

足音をつつみて落葉あつく敷く

地に敷いて朝の落葉のささやかず

かさなりて栗の落葉のみな長し

土くれと濡れ朝の日の柿落葉

あたらしき柿の落葉のかさなりて

地に柿の落葉の綺羅のうらおもて