和歌と俳句

吉武月二郎

枯葎二月の雪を沈めたる

朗々と山水迅し谷の

春寒や二つ連れだつホ句の霊

白脚絆洗ひ栄えして春の旅

土筆野阿蘇を要に左右の山

花見衆の後ろについて詣でけり

麦踏にさつと移りし暮色かな

郷国の古雪を踏む墓参かな

谷の梅三軒ぎりの月夜にて

畦塗りの雨にかくれてゐたりけり

お涅槃の満月寒きお山かな

旅人もまじりてそそぐ甘茶かな

かんばせのゆたかに在す寝釈迦かな

杭たてて春の日影を置くところ

春月や宮居の前の波がしら

春暁や神のごとくに霊のかげ

春の雲荼毘の煙を染めてゆく

囀りの夕山くらし骨拾ひ

弔辞読む眼に春日影おとろふる

弥陀の道てらてらうすき春日かな