和歌と俳句

吉岡禅寺洞

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てぐすむしゐるかと仰ぐ茂りかな

日車に蝉すがり鳴くはたけかな

夕焼けて土の古さや袋蜘

行水のすめばまたとる袋蜘

吹貫をあげゐるうからやからかな

水上は根づけはじまる蛙かな

早乙女や笠をそびらに小買物

ちぬ釣やまくらがりなる頬被

斑猫や遠送り来るし湯女かへす

蛇の尾のをどり消えたる葎かな

蛇の衣額に巻いて僕かな

長虫を追うてあがりぬ泉殿

通ひ路の夕べ水漬きぬ誘蛾燈

水番に見いだされたる昴かな

菖蒲引日の古水を騒がしぬ

アンテナにとまる鳥あり柿若葉

百姓のうりに来りし岩魚かな

方丈の沓かりてもぐかな

蚰蜒に這はれし避暑の枕上

古き家の廂くぐれば繭の山