テクテク、小雨のやんだ夜の小樽を、うさたちは歩いてゆきましのー。

「町全体が、もう暗いですね。有名な観光地なのに夜が早いんだー」

うーん、たちかに。宵っ張りの遊びどころ・博多に慣れていると違和感を覚えるほどの早さデシ。時刻は21時を過ぎたところなのに。ここで『まだ』とかユっちゃうと、『夜道は暮れない三人組よー』とかってユわりて、まあこしゃまに深夜ドライブに攫われてちまいましけど。

「そんなことしないよ、うさ♪」

 ふ。臼杵から別府に帰る途中で目が覚めたら佐賀関だったという、強烈な体験をちたうさは、まぁこしゃまにはもう騙されましぇーんっ!(お暇な方は大分県地図でご確認くだしゃい)

「だってあの時、凪さんもかまたんもうさうさも、帰り道はお任せって言ったじゃない」

 確かにユいまちた。臼杵でふぐを食べた帰り道に、ヒレ酒でいい気分だったうさたちは、くかくか眠りながらユいまちたとも。でもそりは高速道路を使うか使わないかだと思ってね、うさはね、ましゃかね、しょんな大遠回りというか、酔って寝ているうちに、知らない間に冒険の旅にね……。(しくしく)

「まぁとりあえず、不凍液を」

「そう、ともかく、不凍液を」

「ナニはともあれ、不凍液を」

 ああ、うん。過ぎた日のことを思い出して恨み言をユうのは後にして、とにかくとりあえず、この冷え込みに負けない為に不凍液を、デシ。小樽でうさたちが寄る飲み屋しゃんは決まってマシ。小樽運河の正面の橋のたもと、『小樽出抜き小路』という施設(?)の中に入っているショットバー、『リタ・バー』なの。余市のニッカ工場の直営でね、工場限定の品もショットで飲める、とっても素敵なところ、デシ。

 とてとて、ホテルから運河ぞいの路を五分もかからずに、到着ー。あ、まぁこしゃま、うさをこの、『サンタのひげ』の看板の前で、写真をとってくだしゃーい!

「なぁに、またかっちゃんに見せるの?」

 うん、しょうでし。出抜き小路の中にはちっちゃなアンテナショップが幾つかあって、その中にはポプラファームもありまし。半分割りにちたメロンにアイスクリームを載せて食べる名物の『サンタのひげ』、左党揃いのうさぎ探検隊は食べたことないんだけど、メロンを好きなかっちゃんに『見せて』あげるのー♪

「うさちゃん……」

 ちっと呆れながらも、まあこしゃまは写真を撮って、ぶろぐにアップちてくりまちた。ふふふ、この写真を餌に、いつの日かかっちゃんを小樽へ誘い出すのでし〜。

「でも本当に、みんなお店が閉まっているんですね」

「港町というより漁港の町ですから、それを考えると夜が早いのは当然ですけど」

「リタ・バーは……、あ、開いてるっ!すみません、まだ大丈夫ですか?」

 営業時間は全然大丈夫でちた。リーチかかってるカップルしゃんたちの中で、うさぎ一座はメニューを真剣に眺めましー。おっ!ハイボールが期間限定でフェアだって!500円って、「竹鶴17年」のハイボールが500円で飲めるの?うそーん!

「すいませーん」

 ちゃきちゃきと、ウチの凪しゃんはそりを注文ちまちた。ニッカの竹鶴17年といえば、全日空ホテルのメインラウンジで飲んだらグラス1500円はいたしまし。お金のことを細かくユうのはナニでごじゃいましが、あぁ安くてシアワシというキモチで飲むと、おいちぃお酒がましゅましゅ美味しいの。うきゅーん!贅沢は好きだけど無駄遣いはキライなANNAうさぎ探検隊、でしー!

「あぁ、美味しい」

「ふぅ、シアワセー」

 一杯ずつを飲み干して、おごちしょうしゃまでちたぁと、うさたちはお店を出まちた。まあこしゃまは、宮城の工場限定のお酒が余市の工場で買えますかとバーテンしゃんに確認ちていまちた。バーテンしゃんはニコニコしながら買えますよって教えてくりていたの。お酒が好きなまぁこしゃまは、お酒を扱うお店のシトたちにモテモテでし。

「じゃあ、ちょっと散歩をしながら観光をして、それからコンビニに寄って戻りましょうか」

 いわゆるメルヘン通りを、とてとてと、歩くうさたちー。お店はぜぇんぶ閉まってまし。んでもね、正直ね。訳の分からない土産屋しゃんが閉まっていると、そりが入っている建物だけの存在感になって、小樽の近代史をカンジながらお散歩しゅるのは、しょっちが素敵でちたぁー。

「遊郭っぽい建物ですねー」

「今にも二階の格子窓が開きそうー。すてきー」

「さっきホテルのロビーで女の子が、到着が遅くなったから小樽観光を出来なくて嘆いていましたけど、夜の小樽もいいですねぇー」

 人気がない、といってもメイカストリートなので、ホテルやレストランはぽつぽつとあって客待ちのタクシーしゃんもたくさんでし。誘拐さりたり強盗にあったりという治安の悪い場所をほっつき歩いた訳ではないから、みんな安心ちてね。

かま栄の裏のあたりまで15分くらい歩いて、そりからコンビニに寄ってホテルへ帰りまし。賭けに負けた凪しゃんが札幌クラシックと小樽ビールを買って、優しいまぁこしゃまがツマミを買ってくりまちた。セイコーマートじゃなかったのでワインは買わなかったでしが。ふぅ、街灯を水面に映した小樽運河がロマンチックでしー。観光用の運河で水の流れが殆どないからさざなみがなくて光の映り方が本当に綺麗でしねぇー。(うさ、ビミョーなカンシ)

「この裏ってどうなっているんですか?」

「大箱の飲食店です。昼間に来ると客引きが凄いですよ、団体客ばかりだし」

「ああ、だからわたし行ったことないんですね」

 と、凪しゃんと一緒の小樽は三度目のまあこしゃまが仰いまちて、うさうさは、びくぅ!た、たたた、たちかにうさは、敢えてご案内ちていなかったのでしが。あの、じゃあ、とりあえず、橋を渡って回り込んでホテルに帰りまちょーか。この時間ならどこも閉まっていて、歴史建造物とちての倉庫を満喫できるでちょう。

「ありがとう、うさちゃん。わぁ、本当にずらーっと閉まってる」

「でも素敵ー。すてきな建物ー。ちょっと函館に似ているカンジです」

 ふきゅきゅとみんなでお散歩をちて、ホテルへ戻りまちた。広いお部屋にはテーブルもソファもありまし。でもなぜか、床にお酒と買ってきた食べ物を並べて、みんなパジャマに着替えてぺたんと、床に座り込んで。

「かんぱーい」

「お疲れ様でしたーっ」

「ああ、明日も明後日も、仕事に行かずに遊んでいられるなんてウソみたい」

 かんぱーい!

 らんらん、うさうさ一行は、シアワシな酒盛り。しょんで三々五々、眠りについたの、でちた。しゅぴーっ。

 

 

 翌朝。

 うさは、お風呂から聞こえてくる物音で目が覚めまちた。

またちても、温水棲怪獣・ナギンパが朝風呂で暴れているデシ。まぁ、どーでもよいけれど、しゅぴ、しゅぴ。

と、思っていたら、浴室に通じる戸が開いて。

「おはよう、うさちゃん」

 ありゃビックリ。お風呂で暴れていたのはまぁこしゃまでちたー。

「洗い場があって気持ちよかったー。わたしが最後だと思って、あらぶっちゃいました。自分が掃除しなくていいお風呂って素敵ぃー」

 ああ、うん。そのキモチはうさにもよくよく分かりまし。ホテルを愉しんでくだしゃってうさも嬉しいデシ。凪しゃんとかまたんも既に朝風呂を済ませて、んでもまだベッドの上で、ごーろごろ。まったりな休日の朝ぁー。

「ええと、今日は余市に行くんですよね。朝ごはんはどうします?」

「ニッカの工場のすぐそばに、美味しい海鮮のお店があるそうです。そこでブランチを済ませてからニッカへ乗り込みましょう」

「わぁーい、ウィスキー、嬉しいなぁー」

「じゃあ余市への往復はわたしがドライバーを務めます」

 優しいまあこしゃまがしょうユってくりまちた。で、でも、まぁこしゃま、しょちたら飲めないでしよ?

「ニッカには一度行ったから大丈夫よ。買い物ができればいいの。かまたんは初めてなんだから、好きなだけあらぶればいいよー」

 や、優しいおねーちゃんでしぃー。(うさ、感動ー)

 よっぽどかまたん、4月に来れなかったのを、まあこしゃまに悔しがったんでしねー。(うさ、下種のかんぐりー)

 10時前にみんなで支度ちてホテルを出まちぃた。フロントに鍵を預けて、お掃除をちていただくでしのー。まぁこしゃまが駐車場から車をまわしてきてくだしゃって、うさうさ乗り込みまあーし!しょんでアテにならないナビを務めまぁーしっ!余市までは30分くらいのドライブでし。海鮮の朝ごはん目指して、ゴゥ・ゴゥ!

「あ、露天が出てる。トウモロコシを売っているのかな?」

 海にそった国道に出ると、テント張りのお店が何箇所かあって、トウモロコシとかを売ってまちた。うきゅーん、帰りに寄るでしぃーん♪

「……」

 凪しゃんが物凄いマジ顔で、通り過ぎていく露天をじっと見てまちた。こりくらい真面目に真剣に、お原稿も書いてくれると、うさ助かるんだけどなぁー。

「うさちゃーん、そのレストランに駐車場はあるのー?」

 えぇとねぇ、ないこともんないらちーいんでしが、マンマ食べたらニッカ工場を見学しゅるから、もう今回は、ニッカ正面玄関の向かいの町営駐車場に停めてちまいまちょう!ニッカの駐車場は無料だけど裏手だから見学コースとは逆になっちゃうし、雨が降っているから同じく無料の道の駅のスペースアップル・余市から歩くのは面倒だし。ちなみにどーちてスペースかというと、余市は宇宙飛行士・毛利しゃまの出身地だからヨ。

 一時間100円の駐車場はスカスカで停め放題でちた。道を渡って、ほんの少し歩けば余市駅。しょのお向かいに、柿崎商店、というお店がどーんと、ありましー。一階は店舗になっていて、海鮮だけでなく野菜や日用品も売ってありまちた。佐藤水産の工場向かい、『おかしな海鮮屋さん』によく似た雰囲気デシ。観光客相手というよりも地元の店っぽいでしー。

 マンマを食べる前にちょっと見学ー。ブナ(婚姻色)の出たオスの鮭しゃんは、4キロ前後が一本・600円くらいから売ってありまちた。んー、まぁコンナモノでしかねぇ。佐藤水産の本社工場で売られている、銀色ピカピカちゃんたちは2000円とか3000円とかでしが、んでも、焼いたり鍋にちたり、フツーの夜ご飯にしゅるには、この600円でジューブンと思いまし。ふきゅきゅー。

 一応の見学を終えて、お店のわきの階段をてくてくと、登って。

「こ、ここですか?」

「ここですねっ!」

 うさぎ探検隊、わくわくの朝ごはん、でーしっ!