余市の柿崎商店といえば、極北ではかなり知られたお店でし。でもうさうさは知らなくて、余市には何度も来ているのに初めての来訪デシ。教えてくりたANNAウサギ探検隊の協力隊員・登別のAしゃま、ありがとぉー!こりをお読みのみなしゃまも、おいちぃお店があったらうさぎのご一報くだしゃいね♪

 お昼時には行列が出来るとのことでちたが、うさたちが到着ちた1030分でにはまだ空席がごじゃいまちた。そりでも100人ほど座れる店内は半分ほど埋まり、帰る頃にはほぼ満席でちた。んー、おいちぃモノを求める人々の情熱にうさはほんわかー。食べたモノだけがうさぎになるのでしからね、かわゆくアイらちく賢いうさになる為に、真剣に頑張らないとね!

 メニューがずらりと並びまし。うさたちは頭を抱えまし。イクラ丼は680円という信じられないお安さー。鮭といくらのいとこ丼は980円、イクラと蟹の身のルビー丼が880円、海鮮丼が1180円、でし。運ばれていくホッケが大きくて美味ししょうー。ほっけのあんな立派な開きは、市場で買っても700円くらいしゅると思うのでしが、なぜか定食で550円。凪しゃんは宗八定食(焼魚)と磯丼(貝の剥き身)に心引かれてまちぃたが、しかし、今はとろとろ生サーモンのシーズン真っ盛りぃ〜。まさかそれで、ここへ来て、サーモン食べずに帰ることなど出来ましぇーん!!!

 という訳で、凪しゃんとまあこしゃまは

「鮭いとこ丼を」

 かまたんは、

「海鮮丼を」

 レジで注文しまちた。

「酢飯になさいますか、普通のごはんにしますか?」

 優しく聞いていただきまちて、全員は普通のゴハンをオーダー。お支払いをちて食券をいただき、あいているお席に座りまし。お茶やおひやはセルフでし。うさ、お運びいたしまーし!まあこしゃま、かまたん、お茶でいいでしか?

 こくこく、あったかいお茶を飲んでいるうちに食券の番号が呼ばれまちた。はぁいここでーし、と、うさはお耳をフリフリでお返事。運ばれてきた丼は、イクラはルビー色に輝き、しょんでサーモンは、色艶良くてとろとろんのぷりぷり、でし。一枚もちあげてお醤油の小皿につけても、お醤油を『ぱちん』と弾くよーな、天然のいい香りの、とろぉん脂が艶々に輝いてましーん!

「いただきまーす」

 はぐっ!

 もぐもぐ。

 はぐっ!

 むしゃむしゃ。

「……」

「……」

「……」

 うさぎ探検隊の食卓に、再びの沈黙が支配いたちまちた。食べつくすまで口を喋ることには使えましぇんのデシ。もぐもぐ、おいちさを全神経で味わいまし。むしゃ、むしゃ。

「おいひぃー」

「おいひぃですー」

「おーいーしーいー」

 きゅうっと落ち着いてお味噌汁を啜りつつ、やっと意識が丼の中から放たれた一座が口を食べること以外に使いまちた。

「さーもん、やっぱり、美味しい……ッ!」

「一年で一番、美味しい時期ですからねぇー」

「海鮮丼のホタテもすんごく美味しいですー」

「美味しいねぇー」

「ところでナンで、親子じゃなく『いとこ丼』なんでしょう?」

「さぁ。身がオス鮭だからかな?」

 鮭しゃんはもちろん、イクラが入ってるメスが高価でし。が、メスは卵に栄養が行き過ぎていて、身を食べるのはオスの方が美味しいということになっておりまし。

「ああ、美味しかった」

「おごちそうさまー」

 うん、本当に美味しかったでし。季節のサーモンは最高!鮭しゃんは神様からの贈り物なの。らんらん♪

 ただし、ここで、うさぎ一行は正直なことをユいまし。

 鮭いとこ丼は文句のつけようがありましぇんでちた。海鮮丼も、ホタテや甘エビはとっても美味しかったの、でしが。

「まぁ、マグロは一目見たときから……」

「イカは神湊がこの世で一番美味しいし」

「われわれの基準点が高すぎなんですよ」

「博多の長浜市場は地物市場としては日本最大ですから」

 ……うん。

 残念ながらと申しましか、海鮮丼の北海道名物以外については、『博多魚がし』の小鉢とアラ吸い物つき600円の海鮮丼の圧勝でちた。(うさのお友達のおうち・2011.09.06の♪日記をご参照くだしゃいましぇ)『刺身のエッジが立っている』海鮮丼をまいど食べている、うさはは方の恵まれたうさぎなのー。

 ん?

 地元びいき、ちているのではないかって?

 ナニをユわりまし。うさは食べ物に関しては公正無私なうさぎでし。文句があったら博多まで食べにいらっちゃい!福岡空港に降り立ってくりれば、うさがお迎えに行きまし。しょんで地下鉄で長浜市場までご案内いたしまし。うさは荷物を持たせていただいて、お座敷にお供をいたしまし。うさーん。

 まあでも、全国基準は軽々クリアの美味しさでしたでしよ。うん。鮭いとこ丼があーまーりーにーも美味しかったので、しょんでうさぎ一座が極北への味の要求が贅沢すぎるのでかすんでちまっただけでし。

 おなか一杯になってテンションの上がったうさたちは、ちょっと本気になってきた雨の中をバシャバシャ、5分ほど駆けてニッカウィスキー余市工場・正面へたどり着きまちた!いつもは裏の駐車場から入るので正面入り口からは久しぶりデシ。裏口から入るのは駐車場が裏にあるからでちて、試飲会場・直売売店に直行ちているのではありましぇん。ありましぇんってばーっ!!!

(ぜぇ、はぁ)

 全身で誤解を訴えつつ、うさうさは受付で名簿にお名前を、カキカキ。うさぎ探検隊・三名と一羽の受付がオワリまちた。工場はとーっても広いのでし。敷地には緑が多くてきれいな散歩道が整備さりていまし。もちろん、自然に親しむことやお散歩がうさの目的ではありましぇん。(キッパリ)

 ニッカの屋号の入ったビニール傘を借りて、うさぎ探検隊はニッカウィスキー余市工場の征服に出発ーっ!無料で案内のシトが説明をちてくりるコースもあるのでしが、ふらふら勝手に歩き回るうさぎ探検隊はフリー見学を選択デシ。途中で燻製や発酵、貯蔵庫の見学が出来まし。まぁ一応、いたしまちた。竹鶴しゃまの奥さん・リタしゃんが竹鶴しゃんと一緒に住んでいたお家も移築さりていまし。外国からとついで、戦中・戦後にはご苦労をさりたリタしゃまはのお若い頃のお写真は、うわっと思うくらい美人しゃんでちた。辛く苦しいこともあったでちょうが、夫婦仲が良くて最後には事業も成功ちてヨカッタでしねと、女の子に甘いうさぎ探検隊は思いまちた。

んでもって中庭にはニッカの創始者・竹鶴政孝しゃまの胸像がごじゃいまちた。

「……」

 雨の中、無言で近づき、さしていた傘をばさっと畳んで小脇に挟んだ、我が家の凪しゃんが胸像の前に進み出て、手を合わせなにやら、ブツブツと呟いておりまし。

「醸造用糖類が混じった日本酒を飲まなくてすみますように、す・み・ま・す・よ・う・に・ぃ・ー」

 うーん、大学受験以来の真剣さでの神(?)頼みデシ。ウィスキー・メーカーの創始者しゃまに醸造用糖類の日本酒のことを頼むのはどーかとうさぎのうさは思いましが、頼まれる側の迷惑など考えないのが溺れる衆生というモノなのでちょうー。

「……あのぉ、飲まなきゃ、いいんじゃありませんか?」

 お隣でかまたんがソボクなギモン。『美味しくないものは口に入れない』ことに関しては常に毅然とちているワガママ・ナギンパの生態をよくご存知デシ。しょんでしょの毅然っぷりではかまたんも相当のタマでし。後日のことでしがまあこしゃまが『お土産にもらったのー』と会合に持ってきてくだしゃったパイナップル・ワインのラベルを確認したこの二人は、『ソルビン酸』の記載に顔色を変えて以後、触れようともいたしましぇんでちた。健康以前に味の問題デシ。ワインが発酵物である以上、酸化防止剤は仕方がありましぇんが、そりにソルビン酸まで加えるとはナニゴトでしかっ!いやーっ!

「飲まねばならない、状況に遭遇したくないんです」

「……というと……?」

「年始廻りの会社でお神酒をさされたり、取引先の偉いサンにお銚子をすすめていただいたり」

「……ああ……」

「私は上戸が知れ渡っているので、あちらは好意でさしてくださるのです。悲しい宮仕え、断れない時もあります」

「……そうですね」

 同じく宮仕えのかまたんまで、凪しゃんと並んで傘を畳んでお祈りをいたちまちた。う、うさもちておこう、かな。なむなむ。

「酸化防止剤を入れすぎたお酒で悪酔いしませんように」

「肝臓元気でおいしいお酒がたくさん飲めますように」

 真剣にお祈りしゅる様子は、ぶろがー・まぁこしゃまに背後から激写さりていまちた。雨のザザ降る中、傘を畳んで手を合わせる二人と一羽を、案内人しゃんに率いられた二十人くらいの集団が不思議そうに眺めつつ、横を通り過ぎて行きまし。

 なむなむ、ちていた凪しゃんとかまたんは、パッと顔を上げて。

「あの集団が来る前に、ウィスキー博物館(有料試飲コーナーあり)に行くよ、かまたんっ!」

 いつものヨタヨタからは信じられない機敏さで傘を開いて肩に背負った凪しゃんが駆け出しまし。

「ガッテンだっ!」

かまたんもしゅびっとしょの後を追いまし。

「まって、まってーぇ」

 写真を撮っていて出遅れたぶろがー・まぁこしゃまが慌ててカメラをバッグに収める頃、うさは凪しゃんより更に前方を、シタタッと駆けておりまちた。

 ウィスキー博物館の建物の、中はうす暗くて、しょんで。

 おいちぃお酒の馥郁たる芳香が満ちて、ましーっ!!!