翌朝。Mしゃまは早々と目を覚まされまちた。なぜって、特撮を見るためにぃ〜。
「ン、なんかこれ、見たことあるよーな」
寝ぼけ眼の凪しゃんが呟きまし。うん、うさも見たことあるの。たちか以前も極北で、Mしゃまと一緒にホテルに泊まった時に、見たの。
そりからお風呂に入って、お菓子とお茶で、かるぅく朝ごはん。凪しゃんは昨日の残りのチーズをもぐもぐ、ちてマチタ。九時四十五分ごろ、ホテルからてくてく、二分くりゃいのバス停へ歩いて行きマシ。てくてぇく。お天気はよくて空気は澄んで、あぁ、初夏の北海道、デシ。うさこんなハイシーズンの空気を吸うの初めて。胸いっぱいに吸い込みまし。ラベンダーの香りぃ〜♪
「あ、ハチが」
ミツバチさんが、Mしゃまに纏わりつきまし。ツーポイントのお洒落なお眼鏡が気になるミタイ。Mしゃまが眼鏡を外すと、ハチしゃんは暫く、フレームのところにとまって、そりから何処かへ飛んで行きマチタ。
「朝あらいましたから、溝のところに水が残ってて、それを飲みたかったんじゃないかな?」
落ち着いてハチしゃんを見送るMしゃまを、うさは益々、スキになりまちたの。優しいでし。んで、ハチしゃんがお顔に襲い掛かってもびくりともちない度胸がすばらしいでしの。ま・たちかに、ミツバチしゃんを手で払ったりしゅるとかえって刺されるから、じっとちておくに限るのでしが。
バスにのんの、ちて、待ち合わせのホテルまで行きまぁし♪格好いいエボエボ君と、Sしゃまとクマしゃんが、待っててくりまちた。エボ君はマフラーを替えたばっかりなんだって〜。ふきゅん、うさにはよく分からないけど、相変わらず、加速が格好いい〜。
いつもの佐藤水産工場の前に、斜め向かいの、スーパーみたいなところへ。む、お魚がいっぱい。あっ、ホタテが10枚で500円?あっ、函館のイカ飯だ〜。うさイカ飯を買うのイカメシィ〜。
「これがタラです。あれがマス」
ひゅえー、おっきーぃ、おいちしょう……。今度はウィークリーマンションに泊まって、おりおりちて食べたいなぁ。そうちて、今回の旅行の痛恨の失敗は、うさと凪しゃん、いつもは持ってくるクーラーバッグを、忘れてきたの、デシ。(しょんぼり)
ま、夏だから、持ち歩いているうちに悪くなったらもったいないし。仕方ない、でし。
……でも。
スーパーで干物やふりかけ、イカ飯を買って、いつものお気に入り・佐藤水産の工場へ。幅3センチ・長さ30センチくりゃいの、サーモンのハラスが170円くりゃいで売ってあるのを、買えずにハンカチを噛み締める、うさ。冬なら、そちてクーラーバッグさえあれば、10本くらい買って持って帰って冷凍ちて、何日もかけておいちく食べれるのにぃ〜!
仕方ないから、いつもの鮭カマキッパー、そちて新作の鮭のへそキッパーを買いまちた。ヘソってナニかちら。サーモンしゃんにおヘソがあるのかちら?と思っていたら、ハラビレの周囲のお肉、でちた。ふむふむ。
大体お肉もお魚も、骨とか皮の周囲がおいちぃからね。味見がたのちみうさうさぎ♪忘れちゃいけない、佐藤水産のおにぎりも、ちゃあんと買い込みまちぃたよ〜。コンビニおにぎりの三個分くりゃいあって、サーモンの身とイクラがこぼれるほど入って350円なの。らんらん♪こりは今夜のおやつ、でしぃ〜。むふふふふふふふ。
にこにこ、おにぎりをもって、一行はドキドキ、二階への階段を上がりマシ。二階はレストランになっていて、旧石狩川(茨戸川)を眺めながら、マンマが食べれるの。目の前の大河が三日月湖であることを今回、教えてもらいまちた。水上スキーを楽しんでいるシトたちの、ジャンプを失敗した後の豪快な着水を眺めながら、メニューを眺めまし。
週末のお昼時には行列が出来るから、うさたちはいつも、11時過ぎくりゃいに飛び込むのでし。だからホテルでは朝ごはんを食べないよーに、ちていまし。 うぅーん、うさうさ悩んじゃう。でも今回も、鮭とホタテの重箱と天ぷらそば定食で!お隣のMしゃまは鮭とイクラの重箱と天ぷらそば定食。クマしゃん・Sしゃまたちは、選べる小丼セット。どきどき、出てくるのを待ちまし。はぐはぐ、あむあむいたちまぁし♪
ホタテしゃん、ホタテしゃん♪甘辛く味付けさりたホタテしゃん、おいちぃ♪ほぐしたホタテの煮物とサーモンの身がゴハンを覆い尽くしてたっぷり、そりにお味噌汁に、えびしゃんが二匹も乗った天ぷら盛り合わせに、ミニ冷やしそばがついて、1280円だったか、1480円だったか。あぁ、極北はおいちくていいところだなぁ、なんてうさが感動ちていたら、お隣で。
「あぁ、サーモンとイクラが美味しい!」
Mしゃまが、華奢なお体でお箸を動かしつつ、ばくばく食べつつ、感嘆の声をあげておられマチタ。うさは、ちっと小首をかしげまし。Mしゃま、旭川在住でしぃよネ?道生まれ道育ち道在住でしぃよネ?
「ここのサーモンは別格です。北海道の中でも出色です!」
力強く、しょう断言さりるMしゃま。
そ、そでしぃか。ふきゅ。そーでしね、南国の明太子にも、ふつうの明太子とちかえの明太子があるよーに、きっと極北にも、普通のサーモンとおいちぃサーモンがあるんでし。うさうさは、地元のSしゃまやクマしゃん、そちてうさ日記を読んでくだしゃるシトたちからの情報で、きっとお贅沢ぅな、選択をちているのでし。ありがたい事でしぃ〜。
あむあむ、おなかいっぱいにおいちぃものを食べて、ふきゅん、シアワシ。でもシアワシはまだ終わらないの。こりからが、本当のシアワシでし。
「では、行くガゥ」
クマしゃんの運転でエボ君は一路、小樽へぇ〜♪ちっと道が混んでいたので、高速を通ってくだしゃいまちた。朝里川、というインターで降りて、山道を暫く走れば、あぁ、しょこに!
「ワ・イ・ン、ワ・イ・ン!」
凪しゃんとMしゃまが合唱。おかちぃなぁ、Mしゃまは以前、しょんなに酒飲みじゃなかったノニ。
「ベーグルはどうしますか?」
Sしゃまが聞いてくだしゃいマチタ。山の麓に、しゅんごくおいちぃベーグル屋しゃんもあるの。ワインとしゅんごくあうの。でも、今回は、ロイズのパンを買い込む予定だから、よいでぇーし!ベーグルは今度にいたしまし。えへへへへ♪
ぐりんぐりん、エボ君は山道を駆け上がりまし。北海道ワイン工場が見えて来て、うさは、うさうさは、もうっ!
きゅっ、ばたん、タシタシーッ!
わいんわいんわいんわいんわいーんッ!
「おや、いらっしゃい」
わーいーんーッ!
北○道ワインしゃんは、先週が大売出しでちた。3連休だったからネ。ちかち、うさたちは敢えて、しょんな日は避けるようにちていまし。
だってお客さん多いからゆっくり出来ないし、大好きなWしゃまの役に立つお話もあんまり聞けないし。
前回来た時、凪しゃんはホテルのソムリエさんが苦手、馬鹿にされている気がするとぼやいていまちた。気がするんじゃなくてホントにされているんだとうさは思うなぁ。凪しゃんって貧乏くさいから。でも、Wしゃまは、その時。
『説明を黙って聞いて、相手がしゃべり終わったら、リースリングでお願いします、と言えばいいですよ』
と、教えてくだしゃったの。
試す機会は、まだありましぇんけれど。自分のお金では行かないからね。でもいつか、使ってみたいキメゼリフでしの。リースリングでね!
ドアを開けてうさたちがギャラリーに入ると、眼鏡の優しいWしゃまは、しゅぐに気づいてくりて。
「来るなら電話をくれればいいのに。久しぶりですね。GWにこられるのじゃないかと思っていたのに」
にっこり、笑いかけてくりまちた。
う、うん。うさも、やさちぃWしゃまに会いに来たかったけど、凪しゃんが転職ちたばかりで有給もらえなくて、そりでねッ。
「ちょっと待っていて。いま用意してあげるから」
はいーっ!
イイコにお返事、しょちて試飲のご用意が整うまで、うさと凪しゃんはワインギャラリーを巡回〜。む、むむむッ!期間限定、「はつしぼり」シリーズが2割引になっていまし。買占め、かいしめ。うさのお気に入り、2004年の工場限定ポートランドはそろそろ残りが少ないみたい。こりも買占め、かいしめー。北海道限定還元ワインなんか出てるよ!小樽市限定まで出てる!ひどぉい、うさに黙って、新作をたくさん〜!
お車なので試飲を出来ないクマしゃんと、飲まれないSしゃまは、揃ってワインのソフトクリームを食べ食べ、ちておらりまし。旭川のMしゃままでそりに入ろうとちていたから、うさはMしゃまの後ろ髪をムギューッ!ダメよ、ソフトクリームは試飲が終わったあと!味が分からなくなるでちょっ!
「……やっぱりそうですよね……」
Mしゃまがソフトクリームを諦めまちた。偉いデシ。そりでこそ、ANNA、AンたNAにAそんでるのグループの、立派な旭川支部長デシ。
ギャラリーの窓からは小樽の海と山が見渡せまし。明るい景色を背景に、ずらり並んだワインのビンは、約20本。
「では、辛口の白からいきましょうか」
はーいッ!
もちろん、のみのみ、さしていただいたのはうさたちだけじゃありましぇん。その時、ギャラリーに居たお客しゃんみんなで、でし。
んでも、ネ。
「こんな本数の試飲をするのは初めて」
と、お金持ちしょーなご夫婦連れがおっしゃって。
「きっと一生に一度ですよ」
と、Wしゃまが答えておらりまし。しょうなの?うさはいつも、優しくちてもらっているのでしネ。
辛口のしゃるどねは、この前(3月)よりずいぶん、マロヤカになっている気が、いたしまし。ごくごく。
普通の試飲はプラスチックのちっちゃい入れ物なのに、何故かうさたちには足つきのグラスの形のカップを出してくりて、量もたっぷり、ごくごぉく♪だんだんワインは高価かつ、アルコール度数も高くなっていきまし。うさは辛口の白はよく分からないんだけど、一緒に飲んでいたMしゃまともども、『こり、おいちぃ』と、騒いでいたら、もぉいっぱいずつ、注いでもらいまちた♪
ラベルを見て、棚を見たら、あ……。
「あ、あぁぁぁあぁぁぁー」
「……値段は味を裏切りませんね、ここでは」
「ああああー!」
二人は大騒ぎ。高いワインだったからデシ。でも3150円なの。世間で言う『高い』ワインはこんなお値段じゃないの。でも普段、1000円しないワインばかり飲んでいる凪しゃんにちては超高価なワイン、でし。
「あなたたちのお口にあってよかった。これは今度、コンクールに出そうと思っています。在庫が1000本ないと出品できないのだけど、なんとかまだ、1000本残っているから」
2003年の鶴沼とらみーな(白・辛口)、でちた。おいちぃなぁ、と、感動も覚めぬうちに、次は赤。ごくごく。赤も、無垢の金ラベルのはねぇ、もぉねぇ、ごくごく。でもお値段がねぇ〜。
「そのへんの店で出てくるのとは違いますね」
「中でも無垢の金ラベルは特別にちがいますね」
偶然居合わせた他のお客様たちとも一緒に、ごくごく。
国産ワインの醸造元へ来ているから、品質に比すればものしゅんごーく、お買い得なワインしゃんばかりデシ。流通に乗ってホテルで飲めば五桁はカタイような銘酒も、ここに来て買えば二千円とか三千円とか、どーかしゅると千円とか。900円のはつしぼりが2割引だと、ナンと720円。わぉー♪
なのにため息ちか出ないのは、ひたすらに、凪しゃんの甲斐性がないせいデシ。03年の、遅摘みつヴぁいげると・れーべ(赤・中口)の、素晴らしく濃いのに雑味のない透明、眼下にひろがるこの新緑のように瑞々しいおいちさよ。んく、んく。
なんてやって、いたら。
「じゃあ今日は……」
Wしゃまが、ギャラリーの隅っこに行かれて、何かをダッコちてこらりまちた。な、何なのかな?ふきゅ?
「これを」
Wしゃまが大事に抱いておられた瓶は。
「みなさんまだ、未成年だったでしょう?」
1991年、しゅばるつ・りーすりんぐ、って、ラベルに書いてあるよ。リースリングでね!
「ワインの寿命は白の気軽なもので二年か三年、それも保管に気をつけていての話です。なにもかも長く置けばいいというものじゃない。ある期間、置いて熟成させたら美味しくなるのは確かですが、寿命を終えれば味が下っていきます。赤のいいのは比較的長く、味が上向きによくなり続けますが、とびきり極上でも、せいぜい十五年、二十年」
こ、こ、このワインしゃんはじゅーろくねん!
「さぁどんな風か。これはもう、飲んでみないことには」
ソムリエナイフで、コルク周りのアルミを剥ぐ、Wしゃま。
きゅー、あ、あけてくりるの?え、う、うそぉー!
「……」
「……」
「……」
「……」
みんなで、声もなく、Wしゃまの優雅な手元を凝視いたしまし。
「はい、どうぞ」
「……ッ!」
う、うさうさは、か、感動〜!
お色はうっすら、カシス色でちた。お味はかるぅくて、でも、澱っぽさは全然なかったデシ。あのね、うさも凪しゃんもね、じゅーろくねんたっているワインしゃんの味をね、お伝えできる、言葉は持っていないけど。
透明なグラスの中で、ちょっと紫まじりに、うすぅくなっている赤ワインしゃんは、宝石みたいデチタ。
「……」
おいちぃの。そりだけなの。
「あー」
もうね、ホントに、そりだけでちぃたの。
感動のまま、試飲は甘口の白へ。ごくごく。新発売も飲ませていただいて、ごくごく。ぷはーぁ!
「あぁ、美味しかった!」
お隣ではMしゃまが満足げ。ねぇ、やっぱりMしゃま、まえよりずっと、お酒に強くなってましヨ。以前は全瓶フルコースを飲めなくて途中で戦線離脱だったのに、前回からはフルコースを完遂ちて、今回は、お代わりまでちていたヨ!
「はつしぼりのポートランドとデラウェアとナイアガラと、工場限定とも北海道限定と、小樽限定と」
あ、凪しゃんがギャラリーを歩き回って、棚から瓶を引き抜いては買い物籠に入れてマシ。最近はちょっと学習ちて、ラウンジに籠を置いてギャラリーを右往左往しゅる、という行動をとるよーになりマチタ。以前は籠を持って歩き回っていたから、五・六本も入れた後はよたよたになっていたけど。しょーちてワインショップの優しいおにぃちゃんたちに、お預かりしますよ、と声をかけられていたけれど。
「北海道還元ワインはS様がくれたから、北海道セイベルと」
お、珍しく、赤を買い込む凪しゃん。最近、ちっとだけ赤のおいちさを分かってきたミタイ。
「500円均一ワインから、よーいしょっ」
2005年のはつしぼりや、北海道生ワインしゃんたちが、もってけドロボー、という感じに均一の箱に入ってマシ。凪しゃんはどかどか引き抜いてマチタ。あぁ、こんな大安売りがあることを考えると、やっぱり催事もいいでしねぇ。うぅーん。
「……、どうしよう、鶴沼美味しかった……」
しょう、とってもおいちかった♪
「どうしよう」
ふらふら、鶴沼の棚に行く凪しゃん。じっとワインを手に取り見つめる凪しゃん。別のお客様のご接待をちていたWしゃまがにっこり、もういっぱい、そりを試飲、さちてくりまちた。
「……」
あ。勇気が出た様子。がちゃん、と、2003年の鶴沼とらみーな(白・辛口)を籠の中へ。他にも色々買い込んで、合計13本。でもお値段は、12000円とちょっと。一万円以上だから送料はサービスになりまし。ふきゅ、数ヶ月に一度、買出しに来る価値のある、このギャラリィでし。
しょんで、ネ。
こりをお読みの、みなしゃまにお願いデシ。北○道ワインは素晴らしい生産者でし。Wしゃまは博学で優しいオシトでし。だからね、こりを読んだからといって、ワガママをユって困らせたりは、ちないで欲しいのデシ。ま・行かれるおシトは、うさにご一報くだしゃれば、『ANNA、アンたナにアそんでるグループ』の会員であることを証明する合言葉を、こそっとお教えいたしまし。えへへ♪
しょうちて、帰り。
「はい」
お世話になりました、お騒がせしました、とご挨拶しゅる、うさうさぎ一行に。
「もってかえって、夜、飲んでください」
笑顔とともに、Wしゃまは、うさ一行に、まだ三分の二以上残っている、1991年を。
「またね」
くだしゃったの。
「……」
うさうさぎ一行は感動で、うるうる。凪しゃんがダッコちて、ホテルのお部屋に着くまで離しましぇんデチタ。