ゴットンゴットン、路面電車はうさたちを乗せて函館の町を進んで行きマチタ。終点の『函館ドック前』より一つ手前の『大町』でタケちゃんは電車から降りて。

「また後で、じゃあ」

 プリントアウトちた地図を手に、ハコダテの模型店を攻めに行かれまちた。ま・ダテを愉しんでいただければサイワイでし。うさといこまん、かまたんに凪しゃんは終点に、到着~。ぽてんと降りて、運転手しゃんバイバイでし。んー、お天気はいいし、でも風は涼しいし、明るい昼下がりキモチイイ、でしぃ~!

 海に背中を向けてうさぎ一行は坂をてくてく、歩いてゆきましの。ねぇかまたん大丈夫?お腰がイタイタになったらしゅぐに言ってね。うさタクシーを拾ってきてあげるからね。

「大丈夫です。最近は調子いいんですよー」

 と、凛々しくユったかまたんの前になり後になり、うさたちは歩いて行きまし。外紺人墓地へと向かうなだらかな坂デシ。途中にはひーちゃんの戒名をつけたという話もある称名寺や、エキゾチックな建物の並ぶ元町へ折れる道もありまちた。ふぅ、いこまん、思い出しましねぇ、二年前のことを♪

「ああ、教会を二人揃ってラブホだと思った、あのことね?」

 ん、しょうでしの。ハコダテ山のロープウェイから見えたお派手なロシア正教の教会を、うさぎ一座はラブホだと信じ込んでまちたの。うう、うさって俗なうさうさぎ、でしぃ~。

「いいなぁ。ロシア正教の教会って遠いんですか?見てみたいです」

 と、仰ったのはハコダテがはじめてのかまこしゃま。わろちくってよ、かまたん。帰りに横手に折れて見に行きまちょう。坂を下りたり登ったりしゅるんじゃなく、横に貫通ちていくことになるから、しょんなに大変でもないと思いまーし!

 ぽてぽて、ゆっくり歩いて二十分もかからずに、外国人墓地に到着いたちまちた。うさぎ思うに『函館どっく前』は駅自体、かなりの高台にあるんじゃないかな。海を見渡す景色のよさの割りに、しょんなに坂道を辛くのぼりはしましぇんでちぃたの。ヤワな凪しゃんがヘタレなかった程度でちたから。

トコトコミ墓場の中で『カフェテリア・モーリエ』は営業ちていまちいた。

 わぁーい!二年前の雪辱、でーし!

 うさぎは墓場の石畳をトコトコ、駆け下りて行きまし。左右はお墓でし。十字架でもお墓には違いありましぇん。基本的には『キリシタン』しゃんのお墓で、日本人も眠っていらっしゃるよーデチタ。でも古い外国のシトのお墓もありましの。故郷を離れて遠い港町にネムネムしゅる人たちは帰りたかっただろぉなぁ。眠って居る方を待っていたシトも居たでちょうにね。

「待つ甲斐も なくてきえけり 梅雨の月」

 凪しゃんが呟いた佐藤の彦ちゃんの句が、見渡す海の彼方に流れて行きマシ。彦ちゃんがこの地で亡くなった義弟・ひーちゃんを偲んで詠ったおウタでし。待ってくりていた故郷にひーちゃんは帰れなかったけれど、でも、不幸せじゃなかったでしぃよネ。

 松前方面の海を見渡す石畳を降りていくと、カフェテリア・モーリエはありまちた。外見はしょんなに小洒落たカフェではありましぇん。どっちかというと小屋っぽいけど、白いペンキがカワユイでし。ぎい、っと扉を押して中に入ると先客はお二人だけ。殆ど入れ替わりになったので、海を見渡す墓場のカフェはうさぎ一行の貸切状態でちた。

「いらっしゃいませ。海辺のお席へどうぞ」

 優しそうなマスターにオススメをいただいて窓辺の特等席へ。カモメしゃんがしゅぐそばを飛んで行くよ!メニューをみんなで眺めまし。らんらん♪

もともとロシア料理の系列で、ロシアンティーが名物のようでちた。ピロシキもね、焼いてあるからヘルシィで美味しいしょうでしヨ!

「ロシアンティーが500円、セットが800円。これはゼッタイにセットですね」

「じゃあ私はロシアンティーとピロシキのセットにします。凪さんも?」

「はい。かまこさんはどうしますか?」

「私はケーキにします」

 ケーキセットは何種類かの中から選べて、かまたんはショコラのケーキにさりまちた。そりにアイスが添えられていて、ボリュームもありまちいたヨ。ピロシキはジャガイモとひき肉で、はふはふで、美味しかったでーし♪

 んでも、なにより、かによりも。

「うわ、薔薇のジャム、本物……ッ!」

「いい香りー、美味しいー、いい香りー!」

「手作りの味ですね。ホントに美味しい」

 三人揃って、甘いものがあまり得意ではない凪しゃんまで美味しそうにぺろぺろ、お皿の底まで掬って舐めまちた。うさもぺろぺろ、しゅんごく美味しかったの。

「おごちそうさまでした。バラのジャムが凄く美味しかったです」

 うさたちがお会計しゅる時にしょう言うと、マスタァはどぉもと笑ってくりまちた。

「あの、ジャムって、販売はしていませんか?」

 おいちぃモノを手に入れる為には果敢なアタックを見せるうさぎ一座。残念ながら販売はさりていましぇんでちたの。じゃんねん……。

 トコトコ、今度は坂を下りて、称名寺へ向かう横道を目指しまし。ああ、この三叉路は二年前、Tしゃまがいこまんとうさを車の中で待っていてくりた三叉路デシ。函館のうさ仲間・Tしゃまとは夜にお会いできる予定なの。うふふ、楽しみ、でーし♪

 10分ほど坂道を降りて、函館山方面に伸びた横道に踏み込みまし。しぇっかくでしからかまたん、称名寺にも寄りまちょう。ココには鴻池の手代しゃんがひーちゃんの菩提を弔うために建立ちてくりた慰霊碑があったのデシ。当時のモノは火事で行方不明になったけど、同じく行方不明になった隊士たちのお墓と合祀で、再建さりまちぃたの。このお寺でつけてもらった戒名が日野に伝えられた、つまりこのお寺が発祥(?)だったという説も、ありましのでしヨ。

「ふぅん。そうなの」

うん、しょーなのデシ。歳進院殿誠山義豊大居士っていうお名前は大変に格が高いのデシ。つまりそりだけお布施も必要だったと思いマシ。京都時代から借金ばっかりちて、結局は踏み倒し、迷惑をかけ通した筈のひーちゃんによく、鴻池の手代しゃんは慰霊碑を建立ちてくりたなぁ。ひーちゃんって本当に人気者の色男だったんでしねぇ~。

うさは改めて感心。こりは慰霊碑でお墓じゃないけれど、ナムナム。記念の記帳をちてきまちいたから、お気が向いたらみなしゃま、2010514日のうさの足形を探してみてくだしゃいねぇー♪

そりからロシア正教の教会を目指す途中には、イロイロ愉快な建物がありまちた。鯨類の供養碑もあったデシ。函館のお家はどーちてこう、真っ赤とかドピンクとか、鮮やかなミントグリーンとか、個性的な壁の色が多いのかちら?

「雪の中でも我が家を見つけやすいようによ、うさちゃん」

 と、うさに教えてくれたのはかまたん。しょうなのかぁ。うさ一つ賢くなりまちた。ありがとう、かまたん!

「今のは口からでまかせです」

「……」

 ううっ!!

 てくてく、歩く道沿いには、旧函館区公会堂、旧イギリス領事館(開港記念館)、旧ロシア領事館、など等、えきぞちっくな建物がたくさん。西洋建築もお見事でしが、ナンかフツーのお寺しゃんまで、壁に龍が踊っていたり屋根に鳳凰が舞っていたり、やけにドハデでし。キリスト寺院の建築美に一生懸命張り合って、なかなかの健闘でしの。

「まぁー、すてきー」

 まぁるいお屋根と尖塔がしゅてきなハリストス正教会、カトリック元町教会、聖ヨハネ教会、などなども、なかなか見ごたえがありまちた。ぽてぽて歩くうさたちの為に、函館西高校吹奏楽局のシトたちが生演奏でBGM

を奏でてくりて、そりもシュテキでちた。夕暮れの函館山の中腹から街と海を見下ろすと、ああ、異国が近いなァと、うさもじんわり、しょんなことを思いまちた。

「すてきー、すてきー」

 函館西地区の散策がとっても気に入ってくりたかまたん。

「ねぇ、おねーちゃん、ここに家かって下さいよー」

 お、あっ、お、おねーちゃんとは、凪しゃんのコトでしかっ?

 むり、ムリムリでしっ!魚を食べるのが上手なかまたんを、義理の妹に認定はいたちまちぃたが、凪しゃんにしょんな甲斐性はありましぇーん!

「すてきー。すごく気に入りました。今度は一日、ゆっくり歩いてみたいですー」

 う、うん。うさもそりには付き合いましヨ。でも別荘は買えないでしからね!

 坂道を降りて路面電車の駅、十字街で函館駅行きの電車に乗りまし。ふぅ、けっこう歩きまちたねぇ。こりから駅前のレンタカー屋しゃんに行って、明日から乗り回すお車を借りて、しょのお車でホテルへ帰るでしよー♪

「分かりました」

「車は何を借りているんですか?」

「ブルーバードシルフィーです。まぁこさんの昔の車と同じ。トランクが広いので決めました」

 明日は江差にドライブなのでし。朝、お車を借りてもよいのでしが、12時間も24時間も殆ど料金は同じ。だったら朝ごはんを食べてしゅぐ出発できる方がよいデシぃ~。イケイケドライバァ・いこまんが居るから楽勝でーし♪

「ああ、いまごろ姉は、飛んでいるでしょうか」

 と、かまたんがおっしゃるのは実のおねーちゃん・まあこしゃまのこと。まあこしゃまはどーちても午前中は出勤で、午後から我々を追いかけて大分~羽田~函館と移動中なの。夕食時間の七時にはホテルにたどり着いてくりる予定でしが。

 お車を借りてホテルへごぅ!車を預けて、お部屋にコテン。お部屋はいこまん家のご夫婦とそり以外とで、二部屋とってありまし。七時までには40分ほど、ありまちた。あのね、うさうさ、お風呂に入ってきまーしっ!

「私は部屋で一休みしています」

 と、いこまんが仰って。

「じゃ、わたしはうさぎさんを燻製する煙を吐いておきまね♪」

 愛煙家のかまたんがユった言葉にびびりつつ、うさうさは浴衣に着替えて、大浴場へと向かったの、デチタ。