うさぎの函館のみくい旅日記・しょの1
5月17日、朝の6時30分。
「……」
珍しい早起きで魂が口からこぼれしょうな凪しゃんをゲシゲシ、蹴りつけてうさは起こしまちた。
「……」
しゃっ、行きましよ、凪しゃん!愛と美味の満ちる国、極北へ!
「……」
低血圧でテンションに不安のある凪しゃんとうさがおうちを出たのは、6時40分。うさは早起きちてブラッシングちていたし、凪しゃんは身支度が超手抜き、時間のかからないオンナでし。バイクにスーツケースを乗せてブロローッ。7時前には博多駅に到着。うさは後足で地面を掻きつつ、新幹線乗り場へ、びょーん!予定より、一便早い『のぞみ』に乗れまちた〜。
今回の旅の同行者は岡山のいこまん。なので、関空まで新幹線と特急でたどり着き、しょこから函館へフライト、でし。らんらん♪いこまんとは岡山駅で待ち合わせ。うさうさ、どきどきぃ〜。
岡山駅で降りたのは9時前。ホームに立ついこまんの、すらりと引き締まった背中が見えたよ!いこまん、いこまん、おはようごじゃいまーし!今日から三日間、よろちくお願いしまし。いいお天気で、うさうれしいでぇし!
「おはようございます」
「おはようございます」
うさうさともども、よーやく目が覚めてきた凪しゃんがご挨拶。んきゅきゅ、らんらん♪いこまんの肩にのんのちて、うさたちは岡山を9時14分に出発しゅる「のぞみ8号」に乗りまちた。新大阪まで、1時間足らずの旅、でぇし♪新幹線の切符は自由席。自由席だとのぞみもひかりも金額が変わらないの。GWや年末年始でない限りなかなか満席にはならないからね!
「昔はのぞみには自由席がなくて」
「そうそう、指定席だけで、その指定席代金もものすごく高くて」
「こだま、って何のためにあるんですか?」
「新幹線を停めるために無理して作った新駅の減価償却のです」
「雨が降らなくよかったですね」
「あっちはいいお天気みたい」
しょんなことをお話しちているうちに、新大阪へ到着。在来線に乗り換えて11番ホームから特急はるかにのんのちて、一路、関空へ、ばびゅーん!はるかにはちゃんとスーツケースを置く場所がとってありまちた。ゆったりした車内デシ。新大阪からの往復を買うと高くつくから、関空までの乗車券に特急料金を払いまし。自由席で570円でちた。
「関空到着は11時くらいになります。私、関空は六日前に行ったばっかりです」
凪しゃんが言うと、
「わたしは新婚旅行で使ったっきりで、十年ぶりくらいかなぁ」
いこまんが懐かしそうなお顔。しょ、しょうなのね。お久しぶりなのね。でもいこまん、安心ちてくだしゃい!関空ならうさちっとは詳しいよ!年に四回くらい使うからね!
順調に列車は走って関空に到着。うさうさはタシタシ、いこまんをご案内。こっちでしいこまん!今日はANNA、じゃなかった、ANAのツアーを利用ちてのお旅行デシ。普段はJALご贔屓のうさでしが、今回はANAツアーがぶっちぎりで内容が良かったの。
航空会社のカウンターに行ってお荷物を預けて、ランチを食べに行きまちょう!先週、っていうか六日前、A級のKらいしゃまとマンマ食べた『コロナ』というところ、デシ。サラダとパスタとパンと飲み物がついて880円、というお得ランチなの。『コロナランチ』というセットはサラダとパンとスープと日替わりのおかずと飲み物がついて1000円。凪しゃんとKらいしゃんは六日前、追加にピザをとっていて、完食しゅるのに苦労ちてまちた。
ちなみに、パスタもコロナランチも美味しかったけどピザはショボかったでし。だからこそ苦しみつつも食べきれたのでしが、あのピザをフツウに頼んで980円だったら、うさきっと暴れると思うノ。
あむあむ、チキンとキノコのクリームパスタセットを食べて、カードのラウンジへ移動ちて、うさはまったりぃ〜。
……しょう。
お初にご披露いたしましが、凪しゃんはナンと、ゴールドカードの持ち主になってちまったのデシ。
もちろん稼ぎがよくなったんじゃないのぉ〜。印刷代(オリコ)とJAL(DC)の経費がかさんで、そりを支払っているカードをゴールドに替えた方が、年会費払ってもお得ですよ、って、案内が来たの〜。
ま・ゴールドカードの価値も下がったものでしね、というのがうさの正直な感想デシ。所得の審査を通ったわけじゃなく、利用実績からの昇格だから、内部選考みたいなモノで、あんまり障害がなぁい〜。
ちなみに年会費は、オリコが一万円、DCが一万六千円。オリコはポイントの2.5倍づけ、DCはマイルを上乗せ、という優待。他にもETCカードが無料、カーサービスが無料、しょの他のさぁびす、でし。ナカでも一番の利用価値は空港のカードラウンジが利用できる、ところぉ〜。
大抵の空港にはカードラウンジ、という待合室みたいなところがあって、ソフトドリンクは大抵が飲み放題。新聞や雑誌のサービスもあるヨ。福岡空港はビールが一缶無料になるといういい場所でし。セントレアはビール飲み放題っていう話を聞いたけど本当かな?2月に行った極北で爆弾低気圧に遭遇ちてちまった時も、新千歳空港のラウンジでまったりと時を過ごしまちた。
お楽しみの旅行やイベントで、空港を利用する頻度が高いから、既に年会費の元金を取り戻した気しゃえしゅる、うさなの。ラウンジ利用に限るならカードはオリコの方がオススメなの。ラウンジに同行者を連れ込める空港が多いからぁ〜。
この関空もオリコカードで同行者一名まで無料。同行者の二人目からは一人1500円の入室料金、デシ。うさはいこまんのオテテを引いてえすこぉと。関空のラウンジは分かりにくくて、ユニクロの横の非常口みたいなところを通っていくのデシ。
うさたちはここに、ほんの六日前にもK頼しゃまを連れ込んでまったり過ごしマチタ。禁煙室は完全分煙化のためにか、豪華な会議室みたいなところになっていて、凪しゃんとKらいしゃんだけちか居なかったから寛いだヨ。クッキーとナッツ、ソフトドリンクが呑み放題。ドリンクの種類は、栄養ドリンクと牛乳と野菜ドリンクと、コーヒーに紅茶、あとはジュースサーバーから出てくるミニッツメイト、なんかがありまし。うきゅーん。
いこまん、ナニをお飲みになりましか?うさ注いで、つい……、んっ、んっ、届かないぃ〜。
「注いであげるよ、うさ」
あ、ありがとぉ、いこまん。うさには野菜ジュースをお願いいたしまし。今日は煙草を吸わないから禁煙席でまったりぃ〜。
「凪さん、ビールは飲まないんですか?」
優しいいこまんがお尋ね。
「飲みません。今日の初ビールは極北でサッポロクラシックと決めています」
凪しゃんがムダに気合の入った決意を披露いたしまちた。うさは構わず、野菜ジュースごくごく。小岩井の缶ジュースだから濃くておいちぃの。ごく、ごく。
早めのランチを済ませて、お茶を済ませて、12時20分に搭乗口へ。
「なんだか、人が居ませんね」
「関空は広いから、人口密度が薄いんです。ま、到着口の荷物台が3台しかないくらいですから、離発着便も少ないんでしょうけど」
「乗る飛行機アレですか?小さい!通路が一本の、こんな小さな飛行機は初めてです」
飛行機は左右に3列ずつでちた。
「そうですか。私は福岡〜大阪を飛ぶとき、時々、右に2列、左に3列っていうのが、あったよーな、なかったよーな、あったよーな」
あてにならない凪しゃんが記憶を掘ってマシ。ま、あんなシトは置いといて、いこまん、うさをお膝に乗せてね!飛行機は定時に飛び立ちまちた。びゅいーん!びゅいーん!びゅいーん!びゅいーん!びゅ……、いー、ん……、びゅ……?
い、いつまで上昇、しゅるの、カナ?
「下、気流が荒れているんですかねぇ」
「けっこう高く上がってますね」
ぐいぐい、小さなカラダの飛行機しゃんでしが上昇しまし。水平飛行になって、飲み物、うさはおコーヒーを頂きましぃ〜。ごく、ごく。ぷはぁ!
「ところで、着いたらどうするんですか?」
うふ、いこまん、しょりはうさに聞いて!うさはうさぎのオタク旅行企画会社・取締役代表でし!えっとね、12時50分に関空を出発ちたヒコーキは、14時35分に函館に到着しまし。着いたら、函館のウサトモ・Tしゃまがお車で迎えに来てくりているから、のっけてもらって、しょりからは行き当たりばったり、デシ!
「そうなの」
優しいいこまんは頷いてくりまちた。飛行機は無事に函館に、到着ぅ〜。うさうさはシタシタッ!到着ロビーの前に、あっ、あっ、あっ、ああーっ!
Tしゃまーっ!
「お久しぶりです」
「ご無沙汰しています」
「はじめまして、こんにちは」
凪しゃんと一年9ヶ月ぶりのご挨拶、いこまんと初対面のご挨拶をしゅる、Tしゃま。うさうさは、しゅりしゅり。Tしゃま、うさ、Tしゃまのお顔を忘れてなかったヨ!また、うさに会いに来てくりて、ありがとぉー!
凪しゃんがANAのカウンターでクーポンを交換ちてきまちた。今回のツアーは関空からの二泊三日、一泊目は函館駅から徒歩一分のロジワールホテル函館(ちっと前までは函館ハーバービューホテル)の朝食つき、二泊目は4000円の追加で贅沢をちて函館プリンスホテル渚亭の温泉二食付き、を予約ちているの。しょりに温泉クーポンと、海鮮グルメクーポンと、スイーツクーポンと、ANAツアークーポンがついて41800円のお手配、デシ!
JALにツアーはクーポンついてなかったの。しょこしょこのホテルに二泊37800円でちた。温泉宿を追加ちたら6000円もちたし、渚亭ほど豪華なお宿じゃなかったしぃ〜。
「じゃあ荷物を、どうぞ積んでください。最初に函館の全景を見れるゴルフ場にでも如何です?」
優しく言ってもらえて、うさはおシッポをフリフリ。あの、こり、お土産というか粗品というか、凪しゃんが会社でもらってきた焼酎と、あと、駄本の数々、でし!
「ありがとう、うさちゃん」
うふ、お礼を言ってもらったよ!粗品ばかりで申し訳ないんでしが。あとね、あのね、とらぴすちぬ修道院、に行きたい、でし!お車じゃないと行きにくいって聞いているの〜!
「いいですよ。じゃあそっちから」
らんらん、お車は空港近くの山を登っていきまし。Tしゃまは『裏夜景』の近くにお住まい、当然、お車は強化クラッチを積まれて凛々しく、斜面を登ってゆきましの。ぐいぐいー!
山道を辿ること10分、とらぴすちぬ修道院に到着〜。修道女、シスターって素敵でし。うさ、憧れちゃうなぁ。うさもにぃにぃ神殿に仕えるうさぎになろうかな〜。もちろん、婚約者のなきうさしゃまもご一緒にぃ〜。仲良くにぃにぃの像に祈りを捧げるシスター姿のうさたち、しょこに射し込むきらきらの朝日。想像ちただけで、うっとりぃ〜。
「あら、どうしてこんなに人が少ないのかしら?」
地元のTしゃまが仰いまちた。うさたちは初めてだからいつもを知らないんだけど、たちかに人の姿はちらほら、デシ。てくてく、こじんまりとちた経路を辿って、竜を踏んだミカエルしゃまにご挨拶ちて、ルルドの泉を過ぎて歩きまし。桜は散っているけれど八重桜はまだ咲き残って、おっきぃ桜餅みたい。桜の若葉からは餅餅のいい匂いがいたしましぃ〜。
「あ、藤がある。まだ咲いてないんですね」
「福岡はもう散ってますけど」
「藤の木、ちっちゃい〜」
うん。伸びたうさぎと同じくりゃい、人のお膝まで、くらいちかない藤の木でし。
「でも花房はけっこう立派ですよ。地面につかんばかり」
凪しゃんが関心ちていたら。
「子供なのに巨乳な女みたい」
さらっとしょんなことを、いこまんはユいまちた。うさは確かに聞きまちた。
いこまん、という方は。
晴れと桃の国、豊かなマンマとおいちぃお酒がある山陽に在住。
奥方が二泊三日の旅行をしゅると言っても『行ってらっしゃい』の一言で済ませてくりる理解ある旦那しゃまを持つ優雅な人妻。
天下無敵のダブルインカム、ストレートの長い黒髪、すらりとしたお姿、知的な微笑みと物腰と、にっこり笑って棘を吐く毒舌の持ち主。
なのでし。
ちなみにいこまんの旦那しゃまは歴史好き。『函館の五稜郭祭りに行って来る』と奥方に言われて、え、って、ちっとだけ羨ましそうだったみたい。連れてくればいいのにっていうは言ったけど、お仕事が忙しい時期だったとかで、じゃんねんでちたた。
とにかく、ハイソでセレブでインテリジェンスないこまんを、うさうさは大好きでし。
んでも、やっぱり、うさ仲間、なのでちた。ヨヨヨヨヨ。
ま・気を取り直して、お参りを……。あれ、お賽銭を入れるところがありましぇーん!しょんでナカには、やっぱり入れないの。ふきゅ。修道女しゃまとゆっても、色々あるんでしネ。うさの住む福岡にもキリスト系大学があって、しょこの付属幼稚園とかにはシスターしゃまが居て、時々、お姿をお見かけいたしまし。みんな優しそうだけれど近所のデパートで和菓子を買ってけっこう自由しょうなの。宗派が違うのかな?
うさたちは売店へ、テクテク。んとね、やっぱり有名なバター飴と、マドレーヌをくだしゃあい!
お土産売り場の奥には修道女しゃんたちの生活を紹介しゅるコーナーがあったの。うさうさ、拝見、いたしまし。え、午後の7時には就寝、んで朝の3時には起床?えぇっ?
……うさは時々、夜の3時に寝て朝の8時に起きている、宵っ張りうさぎ、デシ。
……うさ、シスターになるのは無理かもしれましぇん。
「農作業、お菓子を焼くお仕事、かぁ。大変ですよねぇ。お菓子も業務用に焼くのは凄い作業だし」
「出家とは農作業ぞとみつけたり。寺も神社もかわらぬものなり」
「お土産買っていきましょう。バター飴と、マドレーヌと……」
お買い物をあむあむちた感想は、バター飴はとっても美味しかったけど、マドレーヌはパサパサちていてイマイチ、って思いまちた。無添加の上に簡易包装だから乾燥に弱いのかもしりましぇん。うるさいうちの凪しゃんは「ベーキングパウダー入れすぎ」って一言で済ませてまちた。卵白をあわ立てて膨らませたら、時間が過ぎても、ふんわりなんだけどなぁ。バターの香りはしゅんごくいいのに、惜しいなぁ。
そりから景色がいいゴルフ場の駐車場に連れて行ってもらいマチタ。しゅんごい、本当に函館市内が一望デシ。あっ、五稜郭タワーが見える!五稜郭は平べったいから、角度があるから見えないなぁ。向かいの函館山はちっともやがかかってマシ。明日は夜景を見に行くの。ちゃんと見えるかな?
極北の地は春爛漫。明るくてあったかくって、うさうさ、ふかふかになってちまいまちた。ふっくらぁ〜。
「さぁ、じゃあ、これから何処に行きます?」
Tしゃまが聞いてくりまちた。凪しゃんはガイド本を捲りまし。
「称名寺に行ってみたいです。ひーちゃんの慰霊碑があるとかいう」
「えーと、よく分からないんですが……」
「地図を見ます。ドックを越えて、外国人墓地のあたりです」
「●●中学校の裏くらいかな?じゃあ、行きましょう」
Tしゃまがアクセルを踏み込んでくりてお車は、山道を市街地へ降りて行きまし。途中で山菜とりのおじしゃまやご夫婦とすれ違いまちた。美味しい山菜がとれるのかな。ヒグマに気をつけてね、みなしゃま。
函館市内を走っていくお車。風がキモチイイでしぃ〜。ん、んんん、むむむむむ!
しょの風の中に、うさの嗅覚は、あるモノを捕らえまちた。
くん、くん。くんくんくんくんくん!
この香りは、マチガイ、ない。
アレ、でしッ!