うさぎのイケイケ函館日記・4

 

 

 タワーを降りて五稜郭公園の中へ。ここの藤のお花はまだ咲いてなくてつぼみでちた。いこまん、こっち、こっち!ここが食糧庫で、当時のままの唯一の建物なの。この裏の松の木の土饅頭の中にひーちゃんとイバハチしゃんが、かつては眠っていた可能性が高いの〜。

「ああ、そうなんですか。それから?」

 分からないんデシ。発掘さりてお寺に運ばれた可能性が高そうだけど、もちかちたらイバハチしゃんのお柱と一緒に持っていかれたかもしりないし。お寺に運ばれた説も、しょの後は火災とか戦災とかで、お寺ごと燃えてお墓の位置なんかも、ゼンゼン……。

 きっとね、ひーちゃんの後ろに居るみんながね、「隊長の骨は渡すものか〜」って、みんなで願っているのかもしりましぇん。昨日の碑に刻まれた四人、とか。

 てくてく。あっ、じゃんねん、博物館、閉鎖さりていましぃ〜。ま・いかにも耐震構造がヤバしょーなカンジでちたから。今、陣屋を再建ちているから、きっと完成ちたらこっちで公開ちてくりるでちょう。また来た時のおタノチミにちて、あっ、大砲があるよ!

 うきゅうきゅ、近づくうさ一行。実際の戦闘で使われた砲デシ。む、凪しゃんが無言でシャツの袖を捲りまちた。ナニしゅ……、……ああ……。

 もう、うさうさはノーコメント、でし。

 砲口に腕をぐいっと、肩まで突っ込んだ凪しゃんは、銃身の内側をナデナデちていまし。

「ちゃんと筋、彫ってある。窪みが残ってる」

 大砲でも銃でもしょうでしが、火薬の力で発射さりた弾が空気抵抗に負けず真っ直ぐ飛ぶタメには、回転をつける必要がありマシの。

「こっちは覗くと、旋状の跡が分かりますよ」

 いこまんが教えてくれて、凪しゃんとうさはしょっちを覗き込みぃ〜。あ、本当でし!しゅごいなぁ。

 お天気はよく、うさ一行は五稜郭公園を後にちまちた。時刻は1230分くりゃい。しょこからパレードの行われる行啓通りまで行きましの〜。パレードは13時のすたぁと。会津や武田の城下町の矢祭に比べると、超・小規模、というお話もありましが、さしゅがにちっとは人が集まってまし。最初はバトンクラブ、そりから各校の吹奏楽部のブラスバンド。

 バトンクラブの演技は、演奏テープの不備で、ちっと遅れまちた。んでも、しょの間、お客しゃんを退屈さしぇないよーに女の子たちが、バトンを投げたりちてくりたヨ。男の子もけっこう居て、妙技の数々を披露ちていまちた。ブラスバンドも時々、しゅんごく上手なコがマジってまちた。トランペットの女の子なんか、しょのまま独演できしょうだったの。

 しょんな前座が終って、よーやく、幕府軍・政府軍の登場、でしっ!

「女王様がいらっしゃいますね」

 いこまんが感心さりまちた。幕府軍の中にちっと、目立つおねいしゃまがいらっしゃいまちた。踵が10センチくりゃいあるぶぅつを凛々しく履いて、模造刀を腰に、歩く姿が既に威風堂々、あたりを払ってまちた。

「ああ、女王様ですね」

 女王様にはうるさい凪しゃんも納得の女王様は、うら若いお嬢様ではありましぇんでちた。が、鉢巻姿でオテテをフリフリ、ちながらも表情はキュッと引き締まってしゅてきぃ〜。

 んで。

 凪しゃんのシッパイを、ここで一つ。

 行啓通りの『華の舞』というお店の前で殺陣のぱふぉーまんすがあることは調査済みだったの。だからしょの向かいに陣取っていたんだけど、なんと、なんとぉ〜。

 うさうさ一行の前に、パレードのお花台の代わりの、開陽丸が、どーん!

 おかげで、肝心の殺陣はよく見えましぇんでちたの。しょんぼりぃ〜。

 でも楽しかったよ!大砲が実際に火を吐いて『どんっ』って大きな音と煙を出して、殺陣も何回かあったよ!前記の女王様は、多分、有段者なのでちょう、殺陣に参加ちておられまちた。ぶうつで地を蹴ってタタタタッて、駆けて政府軍のシャグマつきのシトを倒しておらりまちた。きゃうーん、しゅてきーぃ!やっぱり女王様ーぁ!

 強いシトたちは姿勢から違うものね。オーラというのは、きっと服の下の質感のことデシ。女王様、ばんじゃいー!

 とか思っていたら、あり。

「すいません、ちょっとすいません。あ、ごめんなさい」

 幕府軍の副将・松平太郎氏が、政府軍との死闘を制して、開陽丸の舞台の上へ戻るべく、回り込んで来られまちた。

「お疲れ様です。ごめんね、すいません」

 模造刀で怪我をさしぇないように抱え込んで、ぺこぺこと頭を下げつつ進んでいく、腰の低いおシトでちた。人波を掻き分けて開陽丸の形をちた花台のまでたどり着いて、しょこに掛けられた梯子を一生懸命、上ろうとちておらりまちた。が、梯子はガタつくし模造刀は重いし、苦労ちておらりまちぃたの。

 うさはハキハキとちたうさぎでし。だからハッキリ、本当のことを言いまし。舞台裏で苦労する松平しゃまのご苦難、見ていてしゅんごく面白かった、でぇし!

 殺陣ではひーちゃんが活躍中(と思われまし)。しょこを一斉射撃(と思われる)。ばたっと倒れ伏したひーちゃん。(見えなかったけど)しょちて、旧幕府軍は降伏の時を迎えマシ。

 お祭りは、あくまでもお祭りなの。『史実とは違うよ』ってお祭りのポスターにも書いてあったの。きっと凪しゃんみたいな小うるさい歴史オタクが、うるさいんだと思うの〜。

 んでも、やっぱり、うさは思ってちまいまし。榎本武明しゃんの立場はどぉなるの、と。

 ひーちゃんが戦死ちてからも篭城ちて、けっこうその間、降伏を前提とちた交渉を繰り返して、政治力を駆使してがんばったのに。全滅するまでやってやるー、とブラフを利かせたり天皇陛下の宸襟を騒がせることは不敬、って思い直したり、しょんな態度は優柔不断で、仲間たちの反感を買いまちた。

 んでも、うさ、ありは全部、『演技』っていうか、『政治』だったと思うなぁ。

 野戦病院になっていたお寺が襲撃さりたりの偶発事態を除いて、生き残った旧幕府軍の面々がしょりほどの厳罰も受けず、生き延びれたのは榎本しゃまの政治力だと思うの。

 んでも、なぜなぁぜ、アナタの努力はぁ、いつもぉ無視されるぅ〜♪

 このお祭りでも、ひーちゃんが死んじゃったらパレードは終了。五稜郭で降伏式があるしょうでしが、うさうさ一行は、しょりは見ないデシ。けっこう面白かったネ、とゆいながら、てくてく、市電五稜郭前へ。うーん、さしゅがにちっと混んでまし。ぎゅうぎゅう〜。

 でもうさはくじけないよ!お昼ごはんを、食べに行くためだもん!

「お昼は何を食べるんですか?」

 いこまんに尋ねられ、うさうさは提案。あのね、「あじさい」の塩ラーメンなんか、イカガでちょうか。もう二時をまわっているから、今からしっかりマンマ食べちゃったら夜ごはんが入らないでしぃ〜。五稜郭近辺のお店は混雑ちているでちょうかりゃ、昨日も行った赤レンガ倉庫街、ベイサイドへごう、よ!

「はぁい」

 市電の十字街でうさ一行は電車を降りまちた。この近くに、『瓦解』『混沌』で、沖田しゃんたちが組事務所を構えているビルがあることになっていまし。しょんで坂を登って宝来町のひーちゃんのお家に、沖田しゃんは遊びに行くのでし。らんらん♪

 てくてく、10分くりゃいでベイサイドへ到着。そりからお店へ。時間を外しているのにけっこう混雑ちていまし。日曜日でしからネ。

「ここから徒歩10分くらいのところに、ケーキセットクーポンのお店があります。夜のこともあるし、私は塩ラーメンの、ハーフ(450円)にしておきます」

 と、凪しゃんが決断。いつも決めるのは早いのでし。即断即決ではひけをとらないいこまんが、

「では、私は同じく、塩チャーシュー麺のハーフ(680円くりゃい?)を」

 てへ、いこまん、うさにもちっと分けてね!運ばれてきたのはフツーにフツーのラーメンでちた。うさにとっては、でしが。

 南国の地で「ラーメン」は450円くりゃいが平均化価格、デシ。んで、ちっと少ないの。しょんなうさたちにとって、ここの「はーふ」は十分な「一杯」でちた。ぷはぁ!

 固めの細面も博多っ子のうさの好みにぴったり!食後にはお茶まで出してくりるサービスの良さに満足デシ。塩ラーメン、おいちかったでぇし、おごちしょうしゃま!

 ぽんぽんナデナデちながら、うさ一行は函館駅方面へ向って、てくてく。あのね、いこまん、ココの道をてくてく行って、冷蔵会社の倉庫を曲がると、……あり?

 お洒落な喫茶店がある筈なのに。「テュ・プランド・デュ・テ」、っていう、うさが舌を噛みそうなお洒落なお名前のお店が、ある筈なのに、なんでないのかな?ニチロビルから左に曲がって、あれ?

 道の反対側は駐車場、見えるのは港へ続く道と倉庫街。あれれ?

「喫茶店がある雰囲気じゃありませんね」

 いこまんの冷静なツッコミにおろおろの、うさ。お、おかちいでし。うさは地図が読めるうさぎの筈。と、思っていたら、あ、あったぁー!通りに面しているんだけど、ちょっと引っ込んでいるから目に着かなかったの、てくてく、歩いていたら、ありました。

「まぁ」

 いこまんがちっと驚いてくりまちた。てへへ。えっとね、この建物は大正7年に建築さりたのが最初で、そりから何度かの改装を経て、平成15年に復元工事さりたの。函館市の有形文化財の指定を受けてまし。旅行のクーポンで、ケーキセットが無料になりましから、しゃ、入りましょ、入りましょ!

 中はしゅんごく天井が高くてゆったりちた雰囲気でちた。ここのあふたぬーんてぃーせっとも食べてみたいなぁ。んでも今度はケーキセット。くぷぅ〜。

 何種類か選べるケーキはクリームとミントが添えてあって、コーヒーも一杯立て、ぶらうんしゅがーで、とってもおいちかった♪はきゅう、まったりぃ〜。いこまん、いこまん、うさいこまんと一緒に函館に来れてうれちぃな!

 小一時間も過ごして、うさたちはおんもに出まちた。ゴキゲンなうさが「撲殺天使」の歌を歌ったら、いこまんに、それなに、って聞かれまちた。う、うさも詳しいことは知らないの。お友達に教えてもらった、沖田総悟しゃんのテーマソングでし!

 お店を出て大通りに戻って、函館駅の方角を見ると。んっ、あの建物は昨日泊まったホテルではないでしか?ここから電停まで歩くより、直接行った方が早そうでし。行きましょいこまん。らんららん♪

 てくてくの途中で、いこまんが、通り過ぎる建物のうちの一つを目にして。

「あら。なんだか高級っぽいカンジの建物」

 と、仰いまちた。うさがそっちを見ると、あ、函館男爵倶楽部、でし。わりと最近ねオープンちたホテルでね、キッチンつきで広いの。けっこうヨサゲでちたが、追加6000円なのにごはんがついていなかったから、うさ今回は蹴ったの。温泉もないしね!

「温泉、いいですね」

 旅行2日目、今日はちょっと歩いたから、温泉に漬かってゆっくりくつろごうね、いこまん!うさたちはホテルに寄って荷物を引き取り、駅前のバスセンターで湯の川温泉行きにのんりちて、うふふふ。

 らんらん♪

 温泉宿へ、ごぅ、でぇしっ!