『斑・2』予告編というよりも、警告。
「女がどんな風になるかはどの女を抱くかに要点があるんじゃない。男がどんな風に抱くかってことになんだよ?」
女がぽつりと、本当のことを口にする。
「君は勘違いしていると思う。君の女の子たちも、可愛がってあげればかわいい声で鳴くよ?」
「そうかもしれないけど、正直いってイマサラ面倒ダ。偏ってるのはボクダケじゃない。族長の閨に納められる女はみんな、仕込みの上手い玄人が指導済みだ」
「羨ましい話じゃないか。わたしが男だった頃なら、そんなお姫様たちを是非、味見してみたかったね」
「本気でそう思ってるかイ?」
真面目に問われて、二三秒考えて。
「まぁ……、二三人で飽きるかもしれない」
「うんざりするには、一人で十分だヨ」
「男のセックスは幻想だからね。身体だけの関係に飽きるのは男の方が早い。男が上淫を好むというまも結局、アコガレが欲望のスパイスになるからだ」
「ヒトのがひどく美味しそうに見えるのもかナ」
「それは隣の芝生だろう。常識的に考えて、君は君の女の子たちをもっと可愛がる方が有意義だと思う」
「一理あるとは思うけど、スイッチが入った男にそんなこと言ったって無理だヨ」
「君は見上げたものだ。一時停止機能がついている男はめったにいない」
「いま、凄く馬鹿にされた気がすル」
「だからこのまま、なかったことにしよう」
「いい匂いダね」
鼻先をうなじに押し付けて、シンの皇太子は目を細める。
「それに柔らかい。なぁ、割礼というのを知っているかい?シンにはそういう風習があるんだが」
「知っているよ」
それくらい、という声で女は答える。
「アメストリスでも、親が頼めば外科医が施してくれる。幼児期に男の子の皮を剥くんだろう?やり方さえ適切なら衛生的だし、俗説かもしれないが強壮になるというし、思春期の悩みが一つ減るし、悪いことじゃないさ」
「男の子だけならね」
「……」
「それも知っているネ」
「知識と、しては」
「自然な形をボクはだから知らない。キミの初夜の時にエドワードが、顔を埋めて嬉しそうにしていたのをたまに思い出した。よく見ておけばよかった。鈴口でも花びらがどうとか言っていたね」
「……」
「見れるのを楽しみに、している」
「……外国人は他にも居るだろう」
「キミのを見てみたい。すごく楽しみだよ」