残暑の夏・大阪の陣

 

 

 91、大阪。

 史実新選組の斉藤一しゃまがぽんぽんイタイタになった堂島の川を眺め、大阪城から天保山へ、『ラスト・オブ・ショーグンの敗走コース』を楽しむはずだった、大阪。

 ちかち、出発間際のうさのもとへは、情報が届きマチタ。ANNA、アンたナにAそんでんのクラブ・兵庫支部・ゲコラッチかっちゃんより、『ロシア皇帝の秘……、じゃなかった至宝展が、大阪であっていますよ』のお知らせが。

 大阪城は逃げない。ちかもあちら方面は、世界陸上で人出が多いかもちれない。

 と、いうことで、凪しゃんはKらいしゃまに、お伺い。秘宝(←マチガイ)展があっているってヨ、行かない?

「あ、そーなの。こっち(東京)で行きそびれたんだ。行くいくー」

 と、Kらいしゃまも賛成ちてくりて、『敗走コース』は『ロシアキンキラキン秘宝(←マチガイ)展』に変更になりまちた。ふきゅ!

 待ち合わせはヒルトン大阪のロビー。ちかち、しょこに15分ほど遅刻ちてきた、凪しゃん&うさ。

「ごめん。時間あったからホテルの下見して巡回バスに乗ってみたり歩いてみたりしてたら、遅れた」

 うさも凪しゃんと一緒に、お耳を伏せてごめんんなしゃいのポーズ。Kらいしゃまは許してくりまちた。ヨカッタ。しょこからバスにのんのちて、国立博物館へ。凪しゃんは、ナンの用意も下調べもちていましぇんでちた。

「バスとか調べてきた?」

「ううん。招待券は手に入れてきたけど」

 旅行中の交通手段に関して、普段は駅の出口番号と周辺地図まで調べてくる凪しゃん。でしが、Kらいしゃまが一緒の時は、Kらいしゃまの大脳旧皮質に埋め込まれている方位磁石に全てオマカセなの。いっそ見事なほど、でしの。

「……」

 あ、Kらいしゃまが諦めた様子で大阪駅横のバスターミナルへ。招待券の裏に書いてあるバス停を調べて、乗り場までうさを連れて行ってくりたよ。ありがとKらいしゃま!やってきたバスにのんのちて、ぶろろーっ。なんかちっと見覚えのある道でし。と、思っていたら、見えてきたのはリーガグランドホテル。今回はクラブルームが空いていなかったから泊まらないけど、また来るね!

 バス停で降りて、トコトコ、と、言いたいところでしがどっちに行けばいいか分かりましぇん。Kらいしゃま、どっち?

「……あたしもハジメテだよ?」

 でも大通りへ向かって歩き出したKらいしゃま。交差点から左右を見回したKらいしゃま。

「あそこじゃない?建物それっぽいから」

 そう言って進んでいくKらいしゃま。ついて行く凪しゃんとうさ。てくてく。おっ、広大な駐車場にはお車がいっぱい。しょんで最後の夏休みらしく親子連れが、ぞくぞく現れては吸い込まれてゆきまし。青少年科学館に。

「えーと」

 うさうさ一行が向かう会場は人がたくさん吸い込まれる建物のよこから入った地下にありまちた。場外チケット売り場は閉鎖されていまちた。人気はチラホラ。ま、すいていた方が見やすいからよいけど。本来は大人1800円かしょのくらいの入場料でしが、凪しゃんがネットで手に入れた、二枚で480円の招待券を渡して、キラキラの世界へ。びゅーん!

 今まで、うさが見たキラキラの一番はスミソニアン博物館の展示で、マリー・アントアネットしゃんのイヤリングとかナポレオンの奥様の王冠とか、しゅんごい輝きでちた。んで、次はトルコの秘、じゃない至宝展で、例のエメラルドが三つ並んだ短剣を穴があくほどかぶりつきで見まちた。今回のロシアはトルコと並ぶきらきらでごじゃいまちぃたの。北の大地の豪華絢爛な残酷の雫が光ってるぅ〜♪

 相変わらず、うちの凪しゃんは武器を好きでちた。乗馬用の剣、直刀でいちめーとるを超えるよーなのがあって、どーやって抜くのかと頭を悩ませたり。

「日本では槍を投げて殺すのは犬槍っていわれて、手柄にはならなかったんだよねー」

「うわー、この緞子、厚い。何キロあるんだろ」

「でかい皿だなぁ。女体盛ができそう」

「おぉ、杖だ。っていうか、おっきくない?」

「持ったら頭の位置越えそう。でもそーいえばセイント聖矢のアテネも身の丈よりおっきい杖を持ってたよーな」

「それを振り回してセイントを指図するのかぁ。アテネが杖で自分で殴りつけた方が早いよねぇ」

 罰当たりなことを、沢山お話いたしました。

 イースターエッグもあったよ。ロシアの皇帝陛下が皇后にプリゼントちた、ありでし。うさ、ロシア皇帝のエッグのことは「コナン」の番組で得た知識ちかなかったけど、クレムリン宮殿を模したお見事な作品でちた。ちっちゃい鍵もついていたからオルゴールなのかなぁ。でも結局、この豪華なエッグを贈ったシトも贈られたシトも、最後は悲惨なことになってちまいまし。自ら労して得ていない黄金と宝石の輝きの代償は、持ち主の鮮血なのかもしりましぇん。

「銀魂って、ダレもこういうの欲しがりそうにないなぁ」

 呟く凪しゃん。たちかに、キンキラとは縁のないシトばっかりでし。カラダが自慢の肉体派ばかりだからねぇ。刀があれば欲しがりそうだけど、ロシアは鉄鉱石の質が悪くて刃物はあんまりいいのないからねぇ。宝石は、桂しゃまとかお杉ちゃんとかには似合いそうだけど、桂しゃまは武士がこんな華美なものは、って嫌がりそうでし。お杉ちゃんは関心がないから拒絶もしないけど、あっという間に落としてなくしちゃいしょう。ひーちゃんも銀ちゃんも揃ってヌードに自信ありありだから、服はともかく、装飾品はキョーミなさそう。肉体派カップルだなぁ〜。

 しょんなことを話しながら、でも、とっても楽しめた展示でちた。見終わった時刻は13時過ぎ、お昼どき。どしましか?

 ランチのある駅に近い店なら、うさ調べてきたよ!ここから地下鉄の駅までは歩いて10分くりゃいだけど、しょの途中に、安くてゆっくりできるお店があるんだって。ANNAのかっちゃんからの情報でし!

「……」

 バス停は調べて来なかったくせに、という、冷たい視線を気にせずに、うさと凪しゃんは大阪のしゅんごい日差しの中を歩き、教えてもらった喫茶店でドリアを食べコーヒーを飲み、地下鉄の駅からインテックス大阪のある南港まで、よーいちょ!

 コスモスクエア駅から100円の巡回バスにのんのちて、もー何年も通っているのによく知らなかった南港の観光施設を廻りまちた。ワインミュージアムの場所も覚えたよ!でもなんとなく行こうという気持ちにならないのは、ここのワインミュージアムが銘酒に類するワインの瓶を、『立てていた』と、聞いたことがあるからデシ。いやーん。

 本日のお泊りホテルはインテへ徒歩五分、コスモスクエアホテル、でし。ハイアットの方が近いけど、うさと凪しゃんはアンチ・ハイアットなのでし。何故かって?マンマが不味かったからヨ。しょんで値段とサービスが釣り合っていなかったから。ハイアット・オーサカっていうところは何もかもがアンバランスで、あっちこっちに綻びができていると思いマシ。ま・一番の原因は規模が大きすぎるところでしねぇ。USJ目当てにちては微妙な距離があるし、おハイソぶってる割にスタッフは少ないし。ハイアット・オーサカのトレーナーしゃんはカタチに拘るたいぷなのでちょう。接客は悪くないけど親しみがないヨ。緊張度が高すぎるでしの。

USJは隣接でおっきぃホテルがいっぱいあるから、そちてそっちの方が新しくて安くてピチピチだから、なかなかみなしゃまハイアットには足を伸ばさないと思うヨ。稼働率も閑散と満室が極端で人数がまわらないんでちょうねぇ。ハンサムしゃんのマネージャー・うさとちてはハイアット・オーサカの経営陣の苦労はお察ししましけど、そもそもは自治体の要請に負けて採算とれない場所に建てちったアナタが悪いのヨ。幕張プリンスホテルの轍を踏みまちたネ。

 ま・うさうさはしょんなハイアットには構わずホテルコスモスクエアへ。んちょんちょ、こんにちはフロントしゃん。うさと愉快な仲間たちをよろちく!ここはハイアットほどメジャーではありましぇんが、インテ至近でとっても便利で、お値段はハイアットの半分で、お部屋や設備は広々で使いやすいでしの。イベント前はけっこう混み合うから、ネット予約がはじまる前にメールや電話でお部屋を押さえておくのがオススメでぇし!

 お部屋に入って荷物を置いて、楽な部屋着にお着替えちて、はいKらいしゃま、ワインをどーじょ、北海道ワインポートランドでし。凪しゃんの会社のシトがパチンコで貰ってきたおすそ分けのおつまみもあるよ!

「ありがと」

 Kらいしゃまはごくごく呑んでくりまちた。ぼりぼりちっと食べて、お話しているうちに、ぐぅってネンネさりまちた。新幹線のご来阪で朝が早かったからネ。うさはお部屋を暗くちてKらいしゃまに毛布をカケカケ。お隣で添い寝いたしまし。ぐぅ。

「……」

 あ、凪しゃんはお風呂に行きまちたよ。相変わらず、独立した生き物たちだなぁ。統一された行動をとるのはおしゃけを呑みに行く時だけなんだから、もぉ。大阪には統括マネージャー・Oしゃまがおられないからうさ孤軍奮闘デシ。まぁいいや、お休みなしゃい。すぴ、すぴ。

 

 午後の四時前にお昼ねちたうさとKらいしゃまは、もう一人のお客しゃま・いこまんからのお電話で目覚めまちた。いこまんは土曜日ご用時があったので、そりを終らせてのご来訪でちたの。

『もしもーし、今、コスモスクエア駅でぇす』

 はぁい、愛しいのいこまん、こんばんはっ!ホテルまで来れましか?お願いいたしまぁし。うさ、しょこまで迎えに行くからね。

「……」

 ねむねむから目覚めたばかりのKらいしゃまに冷たいお茶を煎れて、うさはいこまんお迎えに、とてとて。あっ、夕闇の中、こっちに歩いてくるいこまんだ!いこまーん!

 キレイなおねーしゃまオーラ漂ういこまんに、うさうさは抱きつきッ!ホテルのお部屋にご案内いたしまし。お部屋ではKらいしゃまが目覚めのもくもくちぅ。一緒にテレビを見て、おなかしゅいた頃、うさ一行はマンマを食べに行きまぁーし。

 ATMは徒歩10分くりゃい。ゆっくり歩けば15分くりゃい。夕暮れの中ではよいお散歩デシ。凪しゃんがイマドキの若者たちに小論文を書かせる苦労を切々と訴えているうちにとーちゃく。目当てのお店は海に面した『ジャ○ッセ』というイタメシ屋しゃん。おりおり美味しいし、デザート美味しいし、しょの割にはりーずなぶるで、よいお店でしの。

 ホテルを出発しゅる前に電話一本入れていたので、しゅぐにお席に案内ちていただきまちた。けっこう混むときがあるから予約は入れておいた方がいいお店なのでし。海際のテーブル、といっても、南港の海は漁港なので、横浜・岡山・福岡の三人組にはあまり感動がごじゃいましぇん。海なし県で生まれ育ったにぃにぃやハンサムしゃんなら喜ぶかもしりないけどねぇ〜。

 三人は景色に目もくれずメニューを凝視。えっと、本日の前菜盛り合わせでちょ、忘れちゃいけない生タコのから揚げでちょ、若鶏のから揚げでちょ。サラダもとって、生ハムとチーズ。と、とりあえず以上で!

「ビールを、ぴっちゃーで」

 Kらいしゃまがしらっとご注文。ぴっちゃー?ぴっちゃーなの?ぴっちゃーというと一升(1.8リットル)でしよネ。いこまんは乾杯でコップ半分くりゃいしか呑まないから、凪しゃんとKらいしゃまの二人でぴっちゃー干し上げるつもりなのッ?!

「呑めるんじゃないかな。今日、暑かったから」

「ここワインがイマイチですからねぇ。喉にひっかかる。ハウスワインがぱっとしないのは今時、致命的だと思うんだけどなぁ。サイゼリアの100円ワインの方が遥かに美味しいとはコレイカニ」

「思えばビールは偉大だね。ドコで呑んでも銘柄の味がするもん」

 二人は勝手なことをさえずりまし。あの、言いたいことは分からないでもないでしが、それと一人で0.9リットル呑む理屈とは、どー繋がるのかなぁ?

 おりおりが届きまし。食べるでし。タコのから揚げ、相変わらずおいちぃなぁ。一皿480円というお値段からは信じられない味でし。他のもなかなか。おつまみを食べ終えて、ピザを三人で分けて、デザートはジェラードを頂きましぃの〜。ここのジェラードは一種類なんと100円で好きなだけ盛り合わせてくりるの。ハウスワインがパッとちなくとも通う価値がありまし。はぐ、はぐ。

 おなかいっぱい、シアワシになった一行はよたよたちながらホテルへ戻りまし。ん?ピッチャーでしか?いつの間にか底まで乾いてマチタ。

 お部屋に帰ってまたお話し、ちているうちに、またKらいしゃまが。

「すーっ」

 ねんねさりたのは午後の十時過ぎ。ちっと早いでしよ!

「ぐーっ」

 あっ、凪しゃんまで寝たッ!

「くぅくぅ」

 いこまんも、ネンネ?じゃ、うさは今度はいこまんと一緒にねむねむいたしまし。おやしゅみ、なしゃーい、でしッ!

 

 

 翌朝。

 うさ一行は珍しく、早起き。

「朝ごはん何時からだったっけ。おなかすいたー」

 Kらいしゃまが仰いまし。凪しゃんとともにホテルの一階へ。朝ごはんのブッフェはそんなに豪華じゃないけど和食洋食、ごはんと卵とソーセージと焼き魚、お豆腐にサラダ、煮物にお漬物、シリアル、フルーツ、コーヒーにジュースに紅茶にミルク、それなりに食べれまし。750円だから贅沢は言いましぇん。某ハイアットみたいに3000円もとるわけじゃないからね、あむあむ。うさの向かいの席でお粥を食べKらいしゃまは寝たりてほっぺツヤツヤでし。珍しく朝から食欲旺盛、ぽんぽん重いほど食べて、お部屋に帰りまちた。

「あー、駐車場、すごいことになってるねぇ」

 出窓にもたれて一服ちぅのKらいしゃまが、六号館屋上の駐車場を見下ろしながら仰いマチタ。うさも覗くの。わぁ、しゅんごい行列ぅ〜。大変しょう〜。

「世界陸上のマラソン始まりましたよー」

 いこまんが教えてくりて、うさたちは移動。女子マラソンのゴールまで見守って、サークル入場の〆切15分前にホテルを出まちた。てくてく、インテに着いたのは〆切の10分前。ラクチンなイベント参加でしぃ〜。

 売って買って、いこまんは手伝ってくりたけどお昼過ぎでバイバイ。うさ一行は混む前に関空へ行かなければならないので13時過ぎに撤退。関空でマンマを食べて、「またねぇ」とご挨拶ちて、西へ東へ、お別れちたのでちた。

 

 

 

            イベント部分が0.8%のうさのイベント旅日記・完