アナタとうさの南国アニノロイ週間・月の巻
1/19、午後五時。
週はじめの月曜日、しかし我が家の凪しゃんは、ちっとだけご機嫌でちた。なぜなら、この日はあまりのヒマさに早退届を提出。午後の四時には会社を出たのでし。お外は明るく、よい天気。バイクで40秒の自宅に帰った凪しゃんは、ポリ缶を持って、セルフのガソリンスタンドへ。500円分、13リットルほどの灯油を買うのが凪しゃんの冬の習慣でし。18リットル買うと重くて、マンションの駐輪場からエレベーターまで運ぶのに苦労しゅるからでし。
寒さに弱い凪しゃんは、灯油の備蓄を心がけていまし。しょの日は灯油を買った帰り、スーパーによって、牡蠣とフランクと、カップラーメンを買いマチタ。そりが凪しゃんの、呪われた週明けの幕開きだったのでし。
おりおりが面倒だった凪しゃんは、牡蠣にレモンを絞り、フランクを暖め、カップラーメンにお湯を注ぎ、はふはふと食べまちた。そりが午後、五時くりゃいでちた。珍しくお酒は飲みましぇんでちた。食後、お風呂に入りまちた。
……が。
お風呂に張っている間に、ぽんぽんから突き上げる不快感。詳しいコトは省略いたしましたが、お風呂とトイレをすっぽんぽんで、往復しゅること数度。カラダも洗わぬまま、ストーブのついたお部屋に避難。腹痛の合間をぬって服を着込みまし。その間にもむかつきは収まらず、トイレ、ストーブ、トイレ。
午後八時には、さしゅがの貧乏・凪しゃんも、耐えきれずタクシーを呼びまちた。タクシーしゃんに転がり込み、「××病院までお願いシマス」と、一番近い救急病院を言うと、「お腹痛いの?」「……はひ……」「○○の方がいいよ。××は月曜日、当直が外科だけだから」運転手しゃんは、『市政だより』の救急病院当直医一覧表を見ながら教えてくりまちた。
さしゅが、親切と評判のタクシー会社でし。この不況下で業績を伸ばしているだけのコトはありまし。「じゃ、そっちに」「最近、ウィルス性腸炎とかいうのが流行ってるねぇ」先週も何人も夜間に病院に運んだとのコト。
しかし、凪しゃんは、お風邪ではありましぇんでちた。ナンとも見事な食中り。
詳しい容態を聞いたお医者しゃまは、「それだけ派手に吐いたなら、洗浄は要らないでしょう。薬を……」飲みまちた。そちて、点滴をさりまちた。が、点滴の途中でもトイレへ。飲んだ薬も吐き出してちまいまちた。あぁ、モッタイナイ……。(貧乏人の実感)
病院で三時間を過ごし、帰宅いたしまちた。帰りもタクシーでちた。往復に3000円くりゃいかかりまちた。病院でも同じくらい払いまちた。ちなみに、凪しゃんの普段の生活では、一週間の生活費は5000円ほどでし。大打撃、でちた。
目覚まし時計をセットちまちた。電話を枕もとに引っ張ってきまちた。オキャクサマ用で、自分では使ったことのなかった敷き電気毛布を、客間から引っ張り出してセットしました。翌日は休む気マンマンで、眠りについた凪しゃんの、新春アニノロイ週間・第一日、でちた。
アナタとうさの南国アニノロイ週間・火の巻
1/20、午前八時十分。
世間には、定時の10分前には出勤のこと、という厳しい会社もあるようでしが、凪しゃんの勤務先は、10秒前にタイムカードを押せばそりでオッケェでし。定時の10分前など、誰も出勤ちておりましぇん。ムダに電話を鳴らすこと2分。やっと、同僚が電話に出てくりまちた。
腹痛で休みます、と言ったら、二日酔いですかと真面目に問い返された凪しゃん。普段の素行の悪さが祟りまし。ううん、食中りミタイと答えて、フタタビ、電気毛布とお布団に包まれてネムネム。ぽんぽんは相変わらず、イタイイタイでちた。うとうとちていた午前10時、電話が鳴りまちた。嫌な予感が、ちまちぃた。
「……、はい、もしもし」
嫌な予感は、いつも的中。職場からでちた。お仕事のコトでちた。どーちても午後、行かなければならない様子でし。凪しゃんは、ナミダメになりながら、ギリギリまで眠って、そりから会社へ行きまちた。通勤時間40秒、そりだけがココロの支えでし。
二時間だけ働いて、お家に帰りまちた。再び、毛布に包まれてねむねむの凪しゃん。しかし、安息は許されなかったのでし。ねむねむのトバリを破って、ご来客は……、保健所職員しゃんでちた。
検便に協力、そりは構いましぇん。困ったのはアンケートというか調査票でし。過去一週間、ドコで買った何を食べたか、そりを書かねばなりましぇん。しょんなの覚えていましぇーん!
ひとまず、後日の郵送ということでお引取りいただき、凪しゃんは、ナンとか三日間分を書きまちた。が、そり以上は思い出せましぇんでちた。
うなりながらも、凪しゃんは寝マチタ。寝るだけが安息、シアワシの世界でし。必殺・食いしん坊凪しゃんでしが、さしゅがに食欲はナイナイで、重湯をちっとだけ、すすって眠ったのでし。
アナタとうさの南国アニノロイ週間・水の巻
水曜日、ただでさえ憂鬱な週の中日、ノー残業デーであることだけを頼りに、我が家の凪しゃんは、ヨタヨタと会社へ行きまちた。ヨタヨタタ。
ちょうど生命保険のオバチャンがやって来て、飲み屋のクーポンセットをくりまちた。いつもなら目を輝かせてページを捲る凪しゃんでしが、さしがにまだ、食欲はありましぇんでちた。
凪しゃんの職場には、お医者がうろうろちていまし。ヨタヨタ・凪しゃんを見て、とあるセンセはゆいまちた。
「牡蠣ではない」なぜなら、「牡蠣なら起きれるはずがない」臨床経験・半世紀を越えるお医者しゃまの診断が正しかったコトは後に証明さりましが、しょの時の凪しゃんには関係のないコトでし。コーヒーどころか緑茶を飲む勇気もなく、医局から盗んだ梅こぶ茶を、うすーく煎れて、そーっとすすっておりまちた。
上司しゃまは、差し入れをくりまちた。ホットポカリというケッタイなモノでちた。後輩ちゃんもお見舞いをくりまちた。ヴィーダーイン・ゼリーでちた。なぜかそりまで、給湯室で湯せんされホットットになってマチタ。どっちにもお礼をゆって、チビチビ。あぁ、大阪で冷たいビールのジョッキを、ぐいぐい飲み干し、ピザも唐揚げもサラダもアムアムと食べれた、あの健康な胃腸はドコへ行ってちまったノ?ポカリのちっちゃい缶さえ、半分飲むのに半日もかかりマチタ。
お昼はあむあむ、ちましぇんでちた。お昼休み、ぽてんと食事もせず、帰宅もせずに机で寝ていたら、お供えが次々に来まちた。いつも思うのでしが、食欲旺盛の時はだぁれも、ナンにもくりないのに、どーちて病気で食べれないときに限って、ゼリィやプリンやジュースが買ってもらえるのカナ?
幸い、お仕事はたいへんに暇な時期でし。一時間の勤務中、十分ずつトイレ休憩をとっても顰蹙を買わずに済みまし。普段、わりとワーカーホーリック気味の、貧乏症な働き者なので、たまにはポテテンちていても、オオメにみてもらえまちたの。ヨカッタ。
太陽が西に傾きまちた。定時にはまだ早いでしが、どーちても当日のうちに、しなければならない仕事は四時で済みまちた。上司に申告ちて判をもらって、凪しゃんは一時間、早上がりしよーとちていまちた。早退届を庶務に提出に行きまちた。……そちて。
しょこには、翌日の運命が、大きなお口を開けて待っていたのでし。
アナタとうさの南国アニノロイ週間・木の巻
1/22、木曜日。この日は南国じゅうが純白のアニノロイに覆われた日でちた。
雪国のシトには「え?」と言われるでちょーが、たった5センチの積雪が、南国では都市機能をことごとく麻痺さしぇるのでし。
高速・都市高速道路は全面閉鎖。バスは殆ど、動いていましぇんでちた。南国にスタッドレス・タイヤなるものは存在ちないも同然でし。年に一度、あるかないかの積雪のために何万円も出してタイヤ交換は出来ましぇん。雪が降る日、車は『動かない』ものと思うのが、南国生まれのイキルミチ、なのでし。
結果、どういうコトが起こるか。JRと私鉄の、おしょろしぃ大混雑でし。その日の博多駅はホームどころか、ホームにたどり着く前の階段の時点で、押すな押すなのイモアライ。凪しゃんとうさは電車通勤ぢゃないのでしが、電車通勤のうさのお友達・Hしゃまの証言によると、
『・・・あの電車はヒトを運ぶ状態じゃないよ、JR(怒)』
とのことでちた。フルフルル。
しゃて、凪しゃんの、木曜日のアニノロイ。
そりは、早朝出勤命令、でし。
市外・郊外・県外からの通勤者の多い社内で、もっとも職場に近い職員は、我が家の凪しゃんでし。ナンせ、バイクで40秒、徒歩で8分の近さを誇ってまし。おかげで交通費が貰えましぇん。一番近いバス停は、会社を通り過ぎたその先にあるのでし。
日々、過酷な通勤をちておらりる都会のシトには怒られるかもでしが、我が家の凪しゃんは普段、出勤時刻の5分前に自宅を出まし。8時20分出社だから、8時15分が出勤時刻でし。
タイムカードには、見事な8.18の数字が打刻さりていまし。ちかち、しょの日は、7時過ぎに、よたよた・凪しゃんはお家を出て行きマチタ。
足もとはスキー靴、カラダは下着から着こんでモコモコ、釣り用のアルミ毛布までバックに入れて、バイクは危ないから徒歩通勤でし。およそ960歩、8分間のうちに、滑って突っ込んで昇天ちたお車を、二つ見つけまちた。合掌。
7時15分に、会社に到着ちた凪しゃんが、まずちたことは、医局の菓子箱を漁るコトでちた。どーやらちっとは、食欲が出て来た様子。すももの飴を舐め、緑茶をすするうちに、きまちたお電話、リンリリーン♪
「もしもし、××の○○です。遅れます。何時になるか分かりません」
「△△ですが、今、峠で遭難してます」
「すいませーん、車が掘り出せませんー!」
「タクシーもバスも走ってないので歩いていきます。二時間くらい遅刻します」
そんなメモをとるために、早く出勤ちてきた凪しゃん。ハイハイと、受け答えちて、メモが30枚ばかりたまった頃、8時20分の定時を迎えマチタ。出勤率は、四割ほどでちた。予約ちていたお客しゃまの来訪率は、1割に足りませんでちた。
凪しゃんに早朝出勤命令を出した、庶務の課長しゃんは、県境を越えて20キロ通勤でし。九州で県境とは、山の稜線であり、県境はしょのまま、峠であることが大部分でし。課長しゃんは、3時間の遅刻でちた。
「すまなかったねぇ、××(本名)さん。お礼に今日のお昼を奢ってあげよう。なんでも好きなものを頼みなさい」
わぁーい、と、かなり回復ちてきた凪しゃんは喜びまちた。まだ、仕出し弁当やほか弁を食べる勇気はなかったけど、いつものおソバ屋さんに、あったかおソバの出前を頼もうとちまちた。が。
『この天気ですから、出前はご勘弁ください』
……、クッスン。しょーがないでし。お弁当にしまし。お弁当屋しゃんの、今日のメニゥはナニかなぁ?
『1/22、カキフライ・ミックス弁当』
……。
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ナギシャンハ、ナキマチタ。