うさぎの大分・丸齧り旅日記 しょの1

 

 2009年、919日。うさはらんらん、北九州市の下曽根駅前に居まちた。何故かというと、山口のうさ画伯・Aぢゃ子しゃまのお迎えを待っていたから、デシ。Aぢゃ子しゃまは山口から高速道路で小倉東インターまで来られるの。そりから国道10号線を南下ちて、宇佐を経由ちて国東半島の名所を廻り、別府でマンマを食べるのが本日の目標、うさ一行の秋の遠足、でしっ!

「うさー、ごめーん!」

 Aぢゃ子しゃまはちっとだけ遅れられまちた。なぜかと言うと高速道路が、下関から先が激混みだったから。関門海峡の上で、渋滞で止まっちゃったしょうでし。トラしゃんが免許皆伝を毟り取っていったあの関門海峡、デシ。

 どんとまいんど、気にしないのでしよ、Aぢゃ子しゃま。実はうさと凪しゃんも10時の約束より遅れていたの。JRが混雑で乗り継ぎを逃しちゃってね。だからしょんなに待ってないでしの。しゃあ、一緒に向かいまちょう、かぼすの国の奥深くへ。

「わーい、国東半島は初めてですー」

 え、天下の遊び人・Aぢゃ子しゃまが?ましゃか!んでも、しょーかもしりましぇん。国東半島は湯布院・別府というスポットの反対側にあるから、なかなか行かないかもね、デシ。

 今回の遠足は、大分のANNA出張所準備室・室長のまぁこしゃまが、別府のおうちにご招待ちてくりたの。んで、国東へ攻め入ることになったのは『高速のインターから遠いところで遊ぶのだ!』と、我が家の凪しゃんが宣言ちたせいと、まぁこしゃまが熊野磨崖仏を見に行ったことがないと仰ったから、デシ。

10号線をまっすぐおりて、道の駅・おこしかけでランチにしましょう」

 Aぢゃ子しゃまの提案にうさうさは大賛成!おこしかけの物産売り場で穴子弁当を買っておんもで食べるでぇし♪漁港直営のお魚屋しゃんのお刺身も、まだ午前中だから残っているかもしりましぇん。たのちみー!

「私はドーナツ買ってご当地ジュースを飲むのが楽しみでーす」

 Aぢゃ子しゃまの上手な運転で、お車は10号線を南下してゆきまし。山口で車通勤、山道を毎日、凛々しく踏破しゅるAぢゃ子しゃまの運転は安心できて、うさうさはシアワシ。天気もいいし、気持ちがいい、空でしぃ〜!

「ちょっと混んでますね。高速道路に比べれば流れてる分、楽勝ですけど」

「今日の九州自動車道に乗り込むのは無謀ですよ。特に門司から鳥栖までは」

 遊び人の二人が語り合っているのをうさうさは聞きながら地図を検討。えーっと、まじゅはランチを食べて、宇佐でまぁこしゃまを拾って、とりあえず熊野磨崖仏に行って、残り時間次第で真木大堂や富貴寺を見て廻って、赤根温泉にちゃっぷんちて、らんらん♪

「私は今回、熊野磨崖仏は麓で待たせていただくかもしれません」

 と、弱音をはく凪しゃんは、実はエロイロイノロイ二日目。お出かけがお月様に重なってしまうことをしょう言うのでし。

「ムリしない方がいいですよ。凪しゃんは行ったことあるんでしたよね」

「ええ。私は大学が北九大でしたから、国東にはよく連れてこられてました」

 凪しゃんの大学時代は女子大生ブーム。大した女でもなくても女子大生ならば、そりだけで夜の街にはただ酒が溢れていたと、昔を懐かしむ、我が家のアホウでし。

ああでも、Aぢゃ子しゃまは昔、同じ条件でタイヤモンドヘッドによじ上ったんでちぃたよね。

「ええ、頑張りました。時間制限があって頂上にはほんの少ししか居られなかったですけど」

 朝シャンとは朝のシャンプーにアラズ、朝のむシャンパンである、という名言のANNA用語採用により、ANNA山口支部長に任命さりただけのことはある、命を削ってでも遊ぶ、たいへんリッパな、Aぢゃ子しゃまでしぃ。うさ、惚れちゃう〜!

 道の駅・おこしかけに到着ちて、トイレに行ったうさと凪しゃんをAぢゃ子しゃまはしゃっしゃと見捨て、先に出て物産売り場に直行、置き去りにさりたうさたちは、Aぢゃ子しゃまを捜して右往左往、いたちまちた。うぇーん、うさ、ドーナツの魅力に負けたのー!

「……ドーナツ、なかった……」

 うさを見捨ててまで飛び込んだ売り場で目的物を発見できず、悲しそうに嘆くAぢゃ子しゃま。ど、ドンマイでし。元気出してマンマを食べまちょうよ!

 Aぢゃ子しゃまはアサリ飯、うさと凪しゃんはアナゴ弁当をそりぞり買いまちた。おかずに湯葉と砂ズリのから揚げも買って、おんものお席で、あむ、あむ。

 天気がいいからおんもが楽しいでし。んでも、シルバーウィーク初日のこの道の駅にちては人が居ましぇんよ。いつも休日のお昼時には席の確保がタイヘンなのにさっと見つかったし。ありり?

「これは……」

「インターで車、つまりまくってますね……」

 うふふ、と、楽しそうに笑いあう二人。九州高速道路は、福岡・大分間は未開通デシ。椎葉道路や宇佐別府道路がチマチマと出来上がってましが、福岡から別府に行くには、鳥栖から由布院を経由ちていくのが一般的、デシ。しょの経路にわざと背を向け、国道をひた走るうさ一行。

 お弁当はおいちく、湯葉もおいちかったの。から揚げも!食べているとき、目の前に座っていたのは自転車をかたわらに置いたチャリダーしゃまでちた。お年はしょんなにお若い方ではなく、ヘタちたら還暦近そうでちたけど、最近は熟年チャリダーしゃまたちが目につきましねぇ。みんなお元気だなぁ。うさも見習わなきゃ。

おごちしょうしゃまをちて、うさたちは車へふたたび乗り込みまし。小倉東インターからの降り口ちかくで待ち合わせたのが11時前。途中でマンマを食べて尚、宇佐のまぁこしゃまのお家に着いたのが1330分くらい。うーん、なかなかのペースデシ。途中、宇佐・別府道路のインターへの分岐で、お車は詰まりまくってまちた。

「インター、まだけっこうありますよね」

「まだ相当ありますよー」

「なのにもう詰まってるってことは……」

「ははははは」

「うふふふふ」

 ちょっとお二人、なぜしょんなに楽しそうなのでしか。他人の不幸は蜜の味、なのかちら。うさは性格のよいうさぎだから笑いましぇんよ。お耳が揺れているのは、のは、風が強く吹いているから、でしっ!

「ごめんなさい、姉はさっき、呼ばれて行きました」

 まぁこしゃまの宇佐のお家には、まぁこしゃまのお妹・かまこしゃまが居らっしゃいまちた。まぁこしゃまは会社に呼び出されてちまったしょうでし。しゅぐ帰って来るでちょうと、うさ一行は待ちまし。まぁこしゃまはちっと責任のあるお仕事をしておらりて、会社に隣接しゅる敷地の社宅に普段、にゃんこしゃんたちと住んでおらりまし。別府のお家には、だから殆ど帰れないんだって。温泉つきのマンションに泊めてもらえることになって、うさうさはウキウキ。お行儀よくちなきゃ!

「うさちゃーん!ジャンプ、読みましたか?」

 戻って来られたまぁこしゃまの、第一声は、そりでちた。

「旭川のめらさんから、死にそうなメールが来てましたー!」

 む、うさは朝の出発が早かったので、まだ読んでましぇん。しょんなうさの前に差し出されたおジャンプを、凪しゃんのお膝で、読み、よみ。

「……これ……」

 おおっ、鮫しゃんがタイヘンなことに!山本しゃまは鮫しゃまを本当にスキスキでしぃねぇ。アーロ君、しっかりちてぇ!鮫しゃんがユニちゃんに優しいのはやっぱりボスの子供だからだよね!(←貪食細胞設定と公式との混乱)手負いの鮫しゃん、イロッポーイ!

「……ボスは助けに来てくれないよねぇ……」

 はぁ、っと、ため息をつく、我が家の凪しゃん。

「来るとしたら王子様かなぁ……」

 しょんなことを話しているうちに、まぁこしゃまのご用意ができまちた。お妹のかまこしゃまは、最近ちっと、お腰が悪いしょーで熊野磨崖仏コースは欠席デシ。熊野とつけば山歩き、鍛錬遠足なのは決まりきってましからねぇ〜。先に別府のお家に居ていただくことになって、とりあえず一旦、バイバイでしぃ〜!

「えーと、10号線を南下でいいんてすね?」

「そうです。熊野磨崖仏への分岐は大きな表示がありますから、それまでは真っ直ぐです」

「あ、でもちょっと、こっちに入ってください。勅旨道がありますよ」

 地元のまぁこしゃまのご案内で、うさたちは和気清麻呂しゃまが通った勅旨道に入りまちた。人形洗いの井戸なんかを見学ぅ〜。んでも、ねぇ、この周囲の田んぼ、オタマジャクシしゃんがいっぱい居るけど……?

いくら南国とはいえもう9月の下旬、朝夕はそりなりに冷えるよーになったのに、まだ足も生えないで、大丈夫?

「あの赤いの呉橋ですか?なるほど、昔はこちらが、身分の高い方々の入る門だったんでしょうね」

 オタマジャクシしゃんを心配するうさの後ろでは、歴史オタクの凪しゃんがなにやら呟いてまちた。呉橋があるのは西参道とユって、国道沿いに伸びる広々とした表参道からは見られない経路になりまし。合流しゅるのは手水舎の前だから、本当に別々の参道デシ。

 ありがと、まぁこしゃま!うさまた一つ、お勉強できまちた。えへへ。

「でも、普段、わたし、職場から半径500メートルで生活しているので、ちゃんとご案内が出来るかどうか……。そもそも、杵築に生まれて宇佐で暮らしているのに、熊野磨崖仏に行ったことがないし……」

 う、うぅーん。ま・地元と言うのは、しょんなものかもしりましぇん。凪しゃんだって、箱崎に住んでいるのに、今年も筥崎宮の放生会(博多三大祭りの一つ。残りはどんたく・山笠)に行かなかったしネ。

「はい、ここを左に曲がってー」

 と、凪しゃんがユいまちた。国道10号線から655号線を左に曲がって暫く走ると、しょこに胎蔵寺がありまし。山道・崖道でしが、Aぢゃ子しゃまは凛々しく走ってくりまちた。途中。ホントに悲鳴を上げるよーな崖もあったけれど軽々と!ううっ、Aぢゃ子しゃま、しゅてきぃ、アイちてるーぅ!

「さぁ来ましたよ、熊野磨崖仏の足元まで」

「石段に挑戦ですね。頑張ります」

「凪さん、どうします?車で待たれますか?」

「……行きます」

 決意を固めて、我が家のアホウは、車から降りまちた。

「祈願しなければなりません。鮫の無事と、ボスが鮫を助けに来てくれることを」

 無駄な気合に満ちた我が家のアホウは無謀にも山道へ、一歩を踏み出したの、デチタ。