うさぎの大分まる齧りお日記・3
くねくね山道を快調に、Aぢゃ子しゃまの運転しゅるお車は三人と一羽を乗せて疾走ちて行きまし。助手席には凪しゃんとうさ、後部座席にまぁこしゃま、という位置で、凪しゃんが地図を見ていまちた。富貴寺に到着ちたのは、16時10分。おぉ、拝観時間に間に合いまちぃたよ!お寺の前の駐車場にお車を置いて、シタタッ!参道は石段の山道だけど、熊野磨崖仏しゃんを踏破ちてきたうさたちには楽勝ー!
うんせ、よっせとよじ登り、ここでも200円、ちゃりーんと払って、九州最古・平安建築のお堂を拝見、いたしまし。扉は第二次世界大戦中に吹き飛ばされているけれど、壁や天井の絵はまだ残ってまし。ふきゅーん。なむ、なむ。
以前、凪しゃんが来た時はご住職がナマで説話をお話しちてくりまちた。今日はテープの声が流されてまし。お堂には勝手に上がって、お座敷(?)から仏様を拝んで、壁画を拝見できるのでし。うーむ、なんて自由奔放な拝観方法でちょう。ちなみにこのお堂、国宝でし。国宝なのにサワサワできて、お縁によじ登れるなんて、ふきゅー。
壁画も数少ない平安絵画、落剥が激しいけど、しょのまま残ってマシ。壁画も本尊ともども、重文指定を受けているんでしけどねぇ〜。ま・よいでし。大分・福岡・佐賀・長崎の北部九州は、歴史の古いお国柄。遠いトキオの価値基準で、『古い・重要』とさりても地元では大して省みられていない、ことがよくありまし。お城も、江戸初期以降の大規模な城より、崩れかけた南北朝以前の山城跡が地元の同好会ではブームになってまし。凪しゃんもここ10年くりゃいはそっちを熱心に追いかけておりまし。
「ここも小学校の社会見学で来たきりです」
と、おっしゃるまぁこしゃまともども、フリーダムな寺院見学を終えて帰ろうとちたら、既に正門は閉められてちまいまちた。境内をまわってでっかいにゃんこちゃんにご挨拶をちて、山門下の参道を降りて行きまし。商売っ気のないお堂でしねぇ〜。
石段の途中でカボシュやお漬物の無人販売を発見。あっ、うさ、梅干を買うでしの〜。極北なきうさしゃまとクマしゃんがスキだから、来月の極北旅行のお土産にいたしまし。えへへへ。おいちぃといいな。田舎のお漬物はおいちぃものだし、きっと大丈夫〜。
「いいものを沢山みれてとっても幸せです」
「最近、私たち、仏像拝観率が以上に高いですね」
「でもご利益がないのは何故?」
「信仰心ではなく美術品として見てまわっているせいじゃないですか?」
などなど、かましくユいつつ、お車へ戻りまし。ふぅ、お天気もいいし、ちっと汗をかいてちまいまちた。うさうさ旅行企画とちては、このへんでお風呂に入らなければならないでし。
Aぢゃ子しゃま、また山道を運転お願いいたしまし!国東半島の中央部を北へ向かって北上、そりから西半分の皮を剥くように、本日の観光は進んでいるでしのー♪
「はぁい。いいですねぇ、温泉。素敵ー!」
「真玉温泉ですか?」
地元のまあこしゃまの質問に、うさはノーンと、お耳を横に振りまし。マダマのお湯もいいけど今日は土曜日、人が多いデシよ。方向が微妙にブレているし。
本日は県道31号線ぞいの、赤根温泉というところにいたしまし。施設はちっちゃいけど、お湯がぬるめで長湯が出来るんだって。山根地をぐいぐい、凛々しく疾走ちてくりるお車で、たどり着いたのは。
「う、うぅーん」
国見温泉・あかねの郷。山の中、山荘風の、お風呂の施設。もと町営だったしぇいかろくに宣伝もちておらず、『誰も知らない宿』というキャッチフレェズが真実で泣かせる場所、デシ。ロッジや宿泊施設もあるみたい。
「うさちゃん、なんでこんなところを知っているの?!」
うさうさのお耳には人が来ない場所を探知しゅる機能がついているのでし。お風呂グッズを手にもって、受付で400円をお支払ちて、三人と一羽は温泉施設へ。ちなみに凪しゃんは栓をちて頑張りまちた。温泉はしょんなに広くはなかったデシ。十人も入ればいっぱいの内湯が一つ、洗い場が六つくらい、しょんで五人も入ればいっぱいの露天が一つ。んでも、露天はお山が見渡せる、本当の露天風呂、でちた。
「わぁ……」
「あー、キモチイイ……」
9月下旬でも、南国の山肌にはまだ紅葉は少なくて、夏山の気配が濃いけれど、耶馬溪にも似た奇岩や山肌の重なりを高台のお風呂から眺めながら、ぬるい露天に入るのはキモチイイ、でし。うさうさレーダーが感知ちたとおり、シルバーウィーク初日にちては人が少なくて、露天は三人と一羽で貸切状態。ゆーったりとお愉しみちまちた。
カラダを洗ってから戻った時は何人か他のお客様が居たよ!みんな、「明るいうちにたどり着いてよかったな。夜になったら見つからなかったぞ」とユっていまちた。うん、うさうさも、とっても同感、デシ。
帰りには食事どころでサービスさりていたお水を、のみ、のみ。ああ、冷たい山水がおいちぃでし。ミントの葉を沈めてあったのがお洒落でおいちかったの。運ばれていく夕食を、ちらりとうさは、見まちぃた。しゅんごくおいちしょう、でちた。
「……ここって……」
「今度は泊まりですね」
ANNAメンバー(仮入会含む)の前頭葉脳幹毛様体には、おいちぃものレーダーが埋め込まれておりまし。マンマがおいちぃ気配を確かに感じまちた!立地は山の中だけど、お車を15分も走らせれば漁港がイチニィサン、でしものね。生簀の中にはサザエと車えびしゃんが居まちぃた。
「魚が泳いでいないところがヨイ」
と、偉そうにユったのは我が家のロクデナシ。生簀で魚をこれ見よがしに泳がせているおりおり屋しゃんというのは、味か価格か両方に問題があることが多い、デシ。ヒラメしゃんとか以外は、生簀で泳がせても弱って不味くなるだけでしからねぇ。ふきゅーん。
「今日の夜ご飯は、えっと……?」
Aぢゃ子しゃまの質問に。
「別府でコラーゲン祭りですよ〜」
まぁこしゃまが答えてくだしゃいまちた。うさは、うふふと、笑っちゃいまちた。たのちみー!
「鉄輪の近くにあるちっちゃい中華料理店ですが、とっても味がいいんです。わたしがご馳走させてたいただきます」
と、にこにこ、言ってくだしゃったまぁこしゃまに。
「え、えぇっ!?」
Aぢゃ子しゃまがびっくり。うふ、うふふ、うふふふふー!しょうなのヨ、Aぢゃ子しゃま!今夜は中華をおごちしょう、ちていただけるの。うれちぃな、うーれちぃな!
も、もちろん、うさはナンの理由もなく、タカっているのではありましぇん。ありましぇんのでしよ!今回のご招待にはワケがありまし。
実は今年の春、我が家のロクデナシは経営が傾いた、某・病院にコンサルの下っ端とちて出向ちていまちた。しょこで、もう何ヶ月もお給料をもらえていなかった、絶滅危惧種の某専門職のシトとめぐり合いまちた。か、かわいちょうに……。
我が家のロクデナシはしょの某専門職のシトを捕獲、しょのまま大分の某所に売り飛ばし、あ、イヤイヤ、ご紹介、ちたのでし。けっこナカナカ、ヤらりるシトてごじゃいまちて、お役に立っているみたい。しょのご褒美として、今夜のマンマを食べさせてもらえるの。うれちーぃ!
「きゃーっ、本当に?私もいいんですか?うれしいー!」
うん。うさも最初は遠慮(?)ちて、浜松町の青島でびぃるでヨイでしよ、と言ったの。んでもまあこしゃま優しいから、マンマ食べさせてくりるって。凪しゃんが捕獲ちて叩き売った絶滅危惧種のシトがお役に立ってくりたからでし。うきゅきゅ、うれちーい!
でも、ご散財さしぇてちまってごめんなしゃいね。まぁこしゃま。安いマンマでよいでしからね。うさは美味しければそりでいいのデシ。ん?矛盾はちていましぇん!マズイものが高かったりおいちぃけれど安かったりは、世間によくある、ことでぇし♪
「七時に予約していますが、遅くなる分には構わないお店です。少し遅れると連絡しておきましょうか。ああでもまだ、大将が出勤していません。もう少ししてから」
ご夫婦だけでやっているちっちゃいお店なんだって。期待に震えるうさを乗せて、お車は県道13号線を北上、国東半島をぐるりと一周しゅる国道213号線に到着。右に折れて、海岸ぞいの道を行くよ!夕日が沈む時間で、とってもキレイ〜。
「いやー、いいドライブコースですねー」
Aぢゃ子しゃまが楽しそうに運転をちてくだしゃいまし。まぁこしゃまと凪しゃんが、交互にそれぞれの思い出を語りあいマチタ。凪ゃんはサイクリング施設の売店で買ったピーナツ豆腐が美味しかったお話、まぁこしゃまは港まで、フェリーに乗って帰って来るはずの妹のかまこしゃまをお迎えに来たのに、かまこしゃまは接続が良かったので『つい』、JRで大分へ帰って来てちまい、まちぼうをちた、話。
「山口からのフェリーといえば!そうえいえば修学旅行のとき、竹田港にフェリーで来たような!」
山口は防府という、たいへんヨイトコロで暮らしているAぢゃ子しゃまがおっしゃいまちた。まぁこしゃまのお妹・かまこしゃまは大学が山口だったとかで、先日もAぢゃ子しゃまと湯田温泉デートをさりてまちた。山口の徳山港から大分の竹田港まではフェリーが出ておりまちて、所要時間は2時間、オトナ一人が2600円。今度はお船もラクチンでいいかもね、でしぃ。
徳山駅前〜別府バスは、途中のフェリー代金を入れて3700円。ん、こりもタイヘン、お得デシ。トラしゃーん、広島から別府までも5500円でしよーぉ!新しいうさ穴に、一緒に漬かりまちょーぉ!
しょんなこんなを話しつつ、途中で大分空港でホバークラフトも見学ちて、うさたちは別府を目指しまぁし♪温泉好きのAぢゃ子しゃまはスギノイパレスのお隣の、まぁこしゃまマンションにちてANNA大分出張所予定地、うさのあたらちぃうさ穴まで、お車でぐいぐい、たどり着いてくりまちた!
「テレビもネットもなくて、実はエアコンも壊れているんですが……」
ドンマイでしのよ、まぁこしゃま。うさは普段からテレビを見ないの。というか、凪しゃんのおウチにはテレビがないの。エアコンも今は気候がいい時期でしから必要ないでしよ!暑ければ窓をあけ、さむければみんなで集まってネンネしゅりばおっけい!
らんらん、うさが、薄暮の別府に降り立ち、見上げたおマンションは。
「……う、っわ」
「すご……」
あの……、まあこしゃま……。ココ?
「そうです。かまこたんが先に到着している筈。あ、車がある」
本日、ここからのドライバーを務めてくだしゃる、お妹のかまこしゃま、先に着いてうさたちを待っていてくりまちた。いやアノ、そりはいいのでしが、あの、あのね。
「荷物を置いてからごはん食べに行きましょう!」
あ、あの、あのね。
ナニココ。
ねぇ、ここ、なになに?
……ナニゴト?
大理石の広々としたエントランス。スギノイホテルのしゅぐお隣という立地。もちろん温泉つきのマンションで、築浅、ピカピカ、豪華絢爛なおマンション、デシ。
「殆ど使っていないんです。本を置きに来たり風を通すくらいで。やっぱり家は人が住まないと荒れちゃって、クッションとかカビちゃって、家財道具をずいぶん棄てました。うさちゃん、これからちょくちょく遊びに来てね」
お邪魔ちたマンションの、中もピカピカ。しゅんごくお広い、デシ。
「八年前に新築で買いました」
凪しゃんが10年前に買った、築10年のマンションとは格が違うカンジ。お部屋も広くて、リビングの天井も高いし、しゅんごーい!
うさ、もう、凪しゃん捨てて、このウチのコになるー!
「じゃあ、ごはん食べに行きましょうか」
やさしくユってくだしゃったまぁこしゃまのお腕の中で、うさはなきうさしゃまとともに別府に冬季移住しゅる計画を着々とたてていたの、デチタ。