うさぎの大分まる齧り旅行記・4
お車を乗り換え、スギノイホテルの隣から、お夕食をいただく中華料理店へ、ゴゥ!まぁこしゃまのお膝の上でうさうさは別府移住計画を考えてまちた。なきうさしゃまは今頃、越冬の準備にお忙しいから、落ち着いた頃においでになりましぇんかと誘って、湯煙の中を一緒にお散歩ちて、温泉に漬かって、えへへへへー!
お車で10分ほど走り、たどり着いたのは鉄輪口。別府八湯といって、別府には特色のある源泉が八つ、しょの他にもたくさんの温泉がありまし。しょの中でも鉄輪はお湯の温度がとっても高いのデシ。あちこちの地面から蒸気が噴き上げていて、しょりを利用ちた地獄蒸しという名物料理もありまし。
「はい、うさちゃん、どうぞ」
まぁこしゃまが扉を開けてくりまちた。てへ。ありがとぉ。てと、てと。お店はこぢんまりとちてまちた。お座敷席が三つとカウンター、ツメツメに詰めても十五人が限度でちょう。『みなみ』というお店でし。
「いらっしゃいませ。お飲み物は?」
優しい女将しゃまが尋ねてくりい、何の遠慮もなく凪しゃんはびぃるをご注文。うさもー!あぢゃ子しゃまにまあこしゃまも、まじゅはおビールでし。運転手のかまこたんだけはウーロン茶。ゴメンネ。
「いえ。腰を痛めてから、お酒の量はへらしていますから」
と、ユってくりたかまこたん、とっても優しいデシ。なのに風の噂では、腰痛は9/13のハボロイオンリーでの『トロ箱買い』が原因であると、ココロナイ噂が流れてまし。ちがいましよとうさはこの場で否定ちておきまぁし。ま・痛めているのにトロ箱買いをちた、事実は厳然とちて存在しましぃけどね。ふきゅ。
「はい、どうぞ」
うわぉ!
最初に出てきた冷菜はピータンと焼き豚とクラゲとお野菜デシ。うきゅーん、全部、とってもおいちぃよぉ。クラゲしゃんはコリコリ、ピータンの塩加減もちょうど良くて、おビィルがすすんじゃうー!焼き豚はまぁこしゃまの好物だとかで、たくさん盛り付けてありまちた。はぐ、はぐ。まあこしゃま、おいちぃもの食べているでしねぇ〜。
しょりから何品か、おいちぃマンマが、来まちぃた。ブタしゃんのカルビの炒め煮は、うちの凪しゃんが軟骨まで噛み砕く美味しさ〜。むしゃむしゃ、うさも負けずに食べまくり、ましっ!
このお店はご夫婦だけでやっておらりるので、予約ちていないとおりおりが出てくるのが遅い、という、話でちた。うさ一行と入れ替わりで出て行かれた方々も、鳥のから揚げをキャンセルちてチャーハン食べて出て行かれまちぃた。んー、でも、壁にかかっているオススメもおいちしょうだなぁ。今度は前菜と何品かを頼んでおいて、気になるオススメを食べて、ご飯モノか麺でシメるのがいいかなぁ。
と、コース途中で、既に次の計画をたてる、うさ。しょりくらいお味に満足、でちぃたの。キノコと野菜とナニカの炒め物もおいちぃでしぃ。はぐ、はぐ。
「んまっ!うわ、この黒胡椒、メチャクチャ美味しいですよ」
香辛料をこよなく愛する我が家の凪しゃんは、お皿に残った餡をお皿からこそぎ落としてアムアム。んーっ、おぉい、ちーい♪
「紹興酒を下さい。ロックで」
びぃるのお代わりを飲みつくした凪しゃんがユいまし。ちょっとぉ、凪しゃん!遠慮という7モノを知りなしゃい!まぁこしゃまが一生懸命働いて得たお金をナンと心得るのヨ!
と、怒っていたうさぎに、優しいまぁこしゃまは笑って。
「気にしないでうさちゃん。今夜の経費は勤務先から出ているから」
……え?
「上司がね、凪さんが大分に来られるのなら、ぜひご接待するように、って」
え、ええぇぇぇぇえぇーっ!
うっそーん!(Kらいしゃんの真似)
「だからうさちゃんもたくさん飲んでね。あ、私も紹興酒をロックでお願いします」
まぁこしゃまがご注文。あの、うさにも……。
紹興酒を飲み飲みちながら、うさは深呼吸。凪しゃんが、どーりでしらっとしていた筈、でしぃ。勤務先しゃんの接待費だったでしかぁ。んでも、ナンというか、しゅごい……。いえ、我が家の凪しゃんがではなく、絶滅危惧種の医療専門職しゃんの価値がしゅごい、でし。月に二度、週末にお留守番ちてくりるという非常勤しゃんでも、ご紹介ちたら、こんなマンマと、お酒がいただけるの、でしか……。ふきゅ……。
「募集を、かけてもかけてもかけてもかけても、全然みつからないんです。なのに来ていただけて、本当に嬉しい!」
う、うん。レッドデータブックに載っている専門職だもね。うさもう一人、ムチャクチャに筋目がいい若いイケイケを、極北で知っているけどね!
「凪さんには本当に感謝感激です。感謝してもしきれませんよー」
イエソンナ。うちのがヒトサマのヤクにたてるだけでもうさはビックリ。
「悪い経歴の方じゃないですよね。看護士さんたちの評判も良かったんですよ」
「悪いどころか、ご立派なものです」
しょんなお話をちているうちに、
「さぁ、では」
コースの半ばで、大将がニコニコちながら、もって来てくれたお皿には。
「本日のメイン料理です。横浜の中華街にも滅多に入らない品物です」
今まででジューブン、中華街でも滅多に食べられないおごちしょうを、食べていたうさたちでごじゃいましが。
「フカヒレです」
わぁい、うれちーい!フカヒレスープでしーぃ!コラーゲンたっぷりの高給食材、うれちぃな、らんらん♪
「フカヒレの姿煮です」
え。
スープじゃないの、でしか?
姿煮って、姿煮?
でもしょのね洗面器のよーな、お皿は……?
「さぁ、どうぞ」
大将がお皿をテーブルの上に置いてくだしゃった、瞬間。
「……!」
「……ぇ?」
「は?」
「……うおっ!」
そりがナニであるのか、うさたちは、数秒、理解ができましぇんでちた。
「450グラム以上ありました。まぁこさんのために、特別に手に入れました」
大将はあっさりとしょう言って厨房に引っ込まれまちた。が、残されたうさたちはお座敷で、驚愕ー!
こ、こここ、これ、ナニナニ、でしか……ッ!
食いしん坊のうさうさは知っているのでし。フカヒレというものは重さが倍になれば価格は四倍になるのデシ。ダイヤモンドみたいにね。んでもって、世間様で『特大』と称されるフカヒレというのは、200グラムくらい、でし。
「……排翅の相場は100グラム6000円から7000円」
と、食べ物に関してはヒトサマにおさおさ劣らぬ知識の我が家のロクデナシが、細く呟きまちた。ご、ご招待なのに、オゼゼを勘案しゅるなんてお行儀の悪いことでしが、が、が、が!
こりが考えずにいられまちょうか?!?!
「さぁさぁ、どうぞ、どうぞ」
さすがに強張って手を出せない凪しゃんとうさに、まぁこしゃまがオススメちてくだしゃいまし。う、え、っと、あの、Aぢゃ子しゃま、一番先に、一番ふっといところを、どーじょっ!
「え、ええっ!」
今日は一日運転ちてくりて、とってもありがとうでちたからね!
「あ、りがとう。じゃあ……」
恐る恐る、という様子で、フカヒレにスプーンを入れるAぢゃ子しゃま。続いて我が家の凪しゃんが、ウンチョ。あのね、取り分け用のおっきぃスプーンで、お握り一個分より多くみんなで掬っても、大皿の中に、まだ残りがあるのでしが……。
「いただきます……」
緊張に語尾が弱くなるうさたち。ふるふるちながら、うさ、いただきます、デシ。タレは相当、まったりとちていまし。あ、む……ッ!
「!」
「んー!」
「んんん!」
「……んー」
しばし人語を忘れるうさぎたち。
フカヒレ自体にお味はありましぇん。が、超・極上のフカヒレは当然、超・極上のスープでゆったり、含め煮ちてありまし。何日もかけて戻しながら、お味が沁みた繊維がうさのお口の中で、ほろほろ、するりと崩れていて、とろ、っと全体がとろけた瞬間、舌の上にムニューッて、おいちぃのが溢れたの!
お、おおおおお、お、おぉ!
おいちぃおいちぃおいちぃおいちぃおいちぃ!
お。い・ち・い・よー!
んまんま、んまんまー!
おぉい、ちーい!
ワラワラスベスベ、崩れた繊維を噛むと、むちっ!
きゅん、っと、とろけながらも弾力があって、すぅぷの味が、じゅくっと、沁みて。
「おい、しぃ……」
「……ふわぁーっ」
「ウソ……。シアワセ……」
「うわぁ……」
重量感のある美味しさに、みんなのキモチはそりぞりの桃源郷〜。
「さよなら、アーロ君」
ちょっと凪しゃん、縁起でもないことユわないでくだしゃい。紹興酒をナメながら、オイチィモノをこよなく愛するウチのロクデナシは、オメメをとろんとさしぇながらシアワセしょう。うさもとってもシアワセでし。ありがとぉ、まぁこしゃま、シュキーッ!
「どういたしまして」
お更に残った端っこもみんなで分けて食べて、シアワシにおなか一杯のうさうさは、ちゅっちゅっと、まぁこしゃまにキシュを繰り返しまちた。ダイスキだいすき、まぁこしゃま♪おいちぃもの食べさせてくりてありがとぉ!本当にスキスキでしぃー!
そりから、お野菜中心のお皿が出て、スープがけチャーハンが出て。あぁでも、なんでかぺろりと食べられまし。おいちぃから、かなぁ?
「デザートはどうしましょう?ここで烏龍アイスもいいですし、別府駅のジェラード屋さんに行ってもいいです」
うーん。ジェラードもよいけど、うさもう、おなか一杯でヨッパライでし。今日は烏龍アイスをいただきまし。あっさり味で、とってもおいちかったの。はぐ、はぐ。
夢見るキモチでうさたちはお店を出まちぃた。かまこしゃんに、まぁこしゃまの高級マンションまで送っていただきまちぃたの。バッタリ、うさはリビングでイキダオレ。アーロ君、とってもおいちかったデシぃ。きっとスクアーロしゃんも、しゅんごくおいちぃでしねぇ……。ほわあぁああぁぁーん。(←ネゴト)
ぴす、ぴす。
9/19、土曜の夜の10時過ぎ、うさぎはたいへん幸福に夢の国へ旅立ち、まちた。