極北・胃肝冒険記・しょの2

 

 

 午後の、1755分、ちっとだけお洒落ちたHしゃまと凪しゃん(でも口紅なし)は、ホテルを出発。行く先はとあるお寿司屋しゃん。同行のHしゃまのご両親が札幌に来た時、とってもよくちてくりたお店なんだって。

「寒い、さむいさむいさむいー」

 おんもは嵐でした。粉雪が風に吹かれて舞っておりマチタ。うぅっ、寒いよぉ〜。そりでもお寿司の誘惑に負けて、ススキノの街を闊歩する二人。相変らず、道案内は地図を読める女・凪しゃんでし。しょっか、だからこのシト、他人の話をろくに聞かないんでしネ。

「あったっ!」

 徒歩、二分もかからない、1ブロック半くらいの直線の場所にお寿司屋さんはありまし。というか、このお寿司屋しゃんに近いという理由で、ラマダホテルシャッポロを一泊目のお宿に選んだとユっても過言ではありましぇん。

途中にはラーメン横丁がありまちた。ちょっと行けばニュー北星ビルがあって、しょこには例のアイスにリキュールやブランデーをかけて食べれるお店、『ミルク村』もありまし。あぁ。ススキノ、ネオンが粉雪に美しく映える誘惑の街ぃ〜。

お寿司屋しゃんは、予約をちていまちた。のれんが出ているので、がらっと開けた凪しゃん。大将がいらっしゃい、と声をかけてくりまし。予約のうさうさ一行でぇーし!店内は、テーブルが一個で4席と、あとはカウンターが七席という造りでし。む、こういうお店は、けっこう硬派でしヨ。

「カウンターにお邪魔してもよろしいですか?」

 マンマ食べることに関しては人後にオチナイ凪しゃんがさらりとお尋ね。どうぞ、って言われて、うさ一行はトコトコ。壁にコートを掛けておすわりしゅると、女将しゃんが、おしぼりを出してくりたよ!

「ふふふふふふ」

 あったかおしぼりでオテテを拭きながら、Hしゃまが笑いまし。

「今日は、食べ放題飲み放題でしよぉ〜」

 いや、そりは、ちっと違うでちょ、遥しゃま。

「大丈夫。パパカードがあります!なんでも頼んでくださいっ!」

 しょ、しょうなのデシ。

実はこの宴は、Hしゃまのパパの、ご招待なのでし。ひぇーっ!

『ムスメがいつもお世話になっています』

 と、パパしゃまは仰ってましが、むしろお世話になっているのはこちら。ふしだらな本を売らせたり(パパしゃま承知)年末の温泉地に連れ出したり(ご承知)ホテルのクラブルーム遊びを教えたり(ご承知)アクノカギリを尽くしておりましのにぃ〜。

 ま・凪しゃんが唯一、役に立っていることとユえば、某交通機関の代金が半額近くになるから、Hしゃまのご帰省時の切符の手配とかは、ちょっとはしてる、かな?

 Hしゃまが、大将にお土産のお酒を手渡しまし。しょんで、お酒をご注文。えっとネ、やはりここは、ひやひやの清酒で!

「お寿司にされますか?コースにされますか?」

 せっかくでしぃから、コースで!

「食べられないものはありますか?」

「ありませーん!」「ませーん!」

 おぉ、見事な異口同音。お寿司屋しゃんの大将と女将さんも、いいお返事ですねって笑ってくりまちた。うさはお耳を、ちっとフリフリ。いいのぉしょんなことユって。うさ知ってましよぉ〜。この二人が、ナンでも食べるけどマズイものは食べないという、世界で一番たちの悪い偏食だってことぉ〜。

「構わないよ、うさ」

 む、凪しゃんが、ミョーに自信満々でし。

「ビル一階に入ってるすし屋で不味いもの出されたら、つけ台の一枚板、叩き壊していいことになってるから」

 ひいっ!ナニソレ、どこの世界のホーリツ?

「うさうさ協議会ANNAグループの決まり」

 ANNA、アんたナにアそんでんのぐるーぷに、しょんな過激な決まりがあったのは知りましぇんでした。うさ不勉強でしぃ〜。反省〜。

まず出てきたのは突き出し。柚子コショウで和えた貝と、生牡蠣と、珍味がお皿に盛られて出てきたよ。おい、ちーぃ♪はぐ、はぐっ!

「九州ではトウガラシのことをコショウって言うんですって?」

 その柚子コショウは、Hしゃまのママンの手作りだったの。ピリカラで風味があっておいちかった♪そりをもぐもぐ、食べ終えた後で。

「すいません。卵焼きください」

 お、お寿司屋しゃんの卵焼きをダイスキな凪しゃんがユいまし。コースの途中で単品を折り込む凪しゃんの変則攻撃に、大将はちっと戸惑われまちたが出してくりまちた。おいちぃなぁ、北のお醤油はスッキリ味で、ダイコンおろしとよく合うナァ。

「お酒のおかわり、いかがされますか?たくさん飲まれるなら4合瓶の方がお得ですよ?」

 お尋ねさりて、そりでお願いしまし、とお返事ちたうさ一行。おかちぃなぁ、いっぱい飲むって、なんでバレタのかな?

 ……あ。

 一合入るという、おっきぃぐい飲み、というより湯飲みのに、たっぷり注がれた、一杯目がもうないよ、二人とも。

「同じお酒でいいですか?こちらは知床近くの地酒です」

 冷えたグラスとともに冷えたおしゃけの瓶を出してくりる大将。うふふ。知床というと、『瓦解』で近藤しゃんが潜伏ちている場所でし。

「じゃあ、一杯目はわたしからのサービスにしておきます」

 ありがと、大将、はぐはぐー。

 次に出てきたのはホイル蒸し。昆布を敷いて、お野菜とタラと、海老が入ってたヨ。うさ一行は敷かれていた昆布まで食べつくしまし。あぁ、こりがタラ。タラ、初体験―!渡辺純一の恋人―!

「そうなんですか?」

 カウンターの中から大将と女将しゃんが聞いてくりまちた。はい、とお返事だけちて、Hしゃんと凪しゃんはひたすらに、もぐもぐ。残った汁までポン酢に入れて、ごくっと飲んで、くぷぅ〜。ぽかぽかでおいちかった。どりどり、冷たいおしゃけを、もー一杯!

「……ぷっ」

 ん、なに、かわゆいうさうさを笑うのは、だぁれ?

「さっきから話が面白くて聞いてたけど、食べてるといきなり黙るね、君たち」

 と、ケタケタ、愉しそうに笑いながら仰ったのはカウンターの端っこに居たおじしゃまデシ。優しそうで、ちっとインテリっぽくて、何よりお金持ちしょーデチタ。若いお嬢さんを連れておらりまちた。繁華街近くのこういうお店ではよくある光景デシ。でも、若さと美貌ならHしゃまだって負けてない(むしろ圧勝)でしヨ。

「大将、ボクにも瓶を」

 お刺身をはぐはぐ食べる二人組に声を掛けて、おじしゃまは四合瓶を追加ちて、しょちて。

「これも飲みなさい」

 あ、うさたちにくりるの?ありがとぉー!

 さいしょの瓶で足りないってどーちて分かったのかな?あ、4合瓶が、もう底まで乾いてマシ。あり?北のお酒はジョーハツが早いなぁ。

 おじしゃまが注いでくりたお酒を、うさたちは、ごくごくっ!おぉ、しゃっきのも美味しかったけど、こっちの方がもっとおいちぃよ!

「すいません、タコ焼きください!」

凪しゃんは天真爛漫に追加注文。おじしゃまが注いでくりたお酒を、エンリョ知らずに、ぐいーっと飲み干しまし。

「わぁー、美味しいーッ!」

「はぁ、南の女性は強いねぇ。ほらもう一杯」

「……あのぉ……」

 奥に座っていたHしゃまも、空のグラスをそっと差し出しまし。おじしゃまは、もちろんそっちにも、とくとく注いでくりまちた。

「おーい、しーぃ♪」

「ボクはワタジュンを殆ど読まないんだけど、なに、マダラが恋人とか書いているの、彼は?」

 うん、書いてマチタ。うさもワタジュンの小説は殆ど読まないけどエッセイは欠かさず読むの。マダラの純白な豊穣は誰にもオカセナイとか、オンナにはあんなに点の辛いヲトコが一生懸命、マダラの為に書いていたでしヨ。

「ふぅん、あんなに格好つけた風なヒトがねぇ」

 書く物の中でどんなに格好つけて都会派ぶっても、舌の鋭さは極北人でしの。時々、トキオの大都会の中で絶望しながら、北の港にかつては『落ちていた』透明なイカしゃんへのリクイエムや、学園都市駅前の某ラーメン屋しゃんに捧げる恋の唄を、著書の中で切々と、悲しく唄って、おらりまし。あのシトは博多のメンタイコを馬鹿にちてくりたから、うさたちちっと恨みがあるんだけどぉ、食べ物だけは格好つけきれないで洗面器みたいなラーメン(醤油味がご贔屓の様子)を恋い慕うヲトコしゃんはちっと可愛くて、ニクミキレナイロクデナシ、なのヨ。

「はい、お待たせ」

 変則攻撃に慣れた大将が出してくだしゃったのは、タコヤキでなくヤキタコ。

「はは、だまされたー」

 オジしゃまが笑わりまし。よいの、おいちぃから。あむあむ。お酒を、ごくごく。

「もう一瓶、飲む?」

 ううん、イラナイ。しょろしゅろ、食べに入りまし。

「いままで食べてなかったような言い方だねぇ」

 おじしゃま呆れ顔。でも、うちの凪しゃんは負けないヨ。

「大将すいません、タラ、ってまだありますか?もう少し食べたいんですが、ダメ?」

 ちょ、オイオイオイオイオイオイオイ、凪しゃんッ!

 ツラノカワ、ナンセンチなんでしかッ!

 でも大将は、ワガママきいてくりまちた。ありがとぉー。うさ、感謝と申し訳なさでダダ泣きでし。ふんわり炙って、バター醤油をかけてくりた、美味しさにほっぺおちデシ。凪しゃん、エライ。よくぞ頼みまちた。

「まだ酒の肴をいきますか?お寿司にしますか?」

 はいっ、お寿司をくだしゃーい!カニに、ホッキに、ホタテにサーモン♪あぁ、とろとろ、お贅沢ぅ〜。

「じゃあ、ごきげんよう」

 バイバイ、おじしゃま。お酒ありがとう。お連れのオンナのシトはいつの間にか消えてマチタ。夜の街ではよくある光景でしの。

 お会計でし。うさうさは、気になって、しょっとレシートを見ちゃった。二万円に限りなく近かった、でし。ううううう、ごめんなしゃいー。

「……すごい明朗会計……」

クサっても販売士一級、モノの値段と金の計算には敏感な凪しゃんが呟きまし。しょ、しょーなの?

「コースが5250円から、って書いてあったから、最低でも二人で10500円、でも多分、そんなもんじゃない」

た、たちかに、いっぱい食べマチタ。二人で14700円くりゃいのコースでは?

「それにお酒が、北の勝(鳳凰)で、ススキノで四合瓶なら23000円前後、追加の単品がごく軽く見積もって3000円」

 メニューにないものを捩じ込むという、暴挙もいたちまちたしネ。二本目は、知らないおじしゃんが飲ませてくりたけど。

「サービス料なしなのかな?」

 首をひねる凪しゃん。おいちかったぁー、と、いい具合にヨッパライの遥しゃん。時刻はまだ、夜の八時くりゃい。でも二人とも、ホテルへたどり着くのが精一杯の酔いっぷり。ヨタタタタ。

「ちょっと寝ようかね」

「はぁーい、おやすみなさぁいー!」

 二人とも、脱衣というより脱皮、するっと上から下までお洋服脱いで着替えて、ベッドの中へごろん。ちょーがないなぁ、うさたたみ、たたみ。しょんでHしゃまのお洋服の中へ、ごそごそ。あったかい、でしぃ〜。

 ちょっとだけ寝ようね。夜は長いからネ。休憩ちて、また遊びに行きまちょう、ネ。

 おやすみなしゃいの。しゅぴ、しゅぴぴ。

 

 

                    うさうさの、ダイスキ北海道・しょの2