北国でアナタと胃肝とダンシング
う。
ううううう、うーうううー、ううー。
う。
うさは深夜のススキノの、ホテルの片隅、Hしゃまの脱皮ちたお洋服に埋まりながら、冷や汗たぁらたら、デシ。
八時ぐりゅいにお部屋に帰ってきて、ちっと仮眠のつもりだったのに、うさがフタタビ目覚めたのは午前二時、でちた。凪しゃんがお風呂に入る物音がちていまし。しょの上、うさが気づいてみれば、ベッドサイドのお電話はメッセージランプが、点滅。
どきどき。うさは受話器を取り上げまし。もちもちフロントしゃん?うさでし。あの、メッセージを教えてくだしゃい。
『はい。承ったのは19時30分ごろです』
う。うさたちは鍵を持ったまま外出ちていたので、フロントには寄らなかったのでし。
『内容は、Sさま(極北なきうさぎしゃまのご主人しゃま)からで、電話があったことを伝えて欲しい、とのことでした』
うううううー。ううーううー。
うえええぇぇーん、どうちようー!
もうこんな時間、もう掛け直せないでしの。どうちよう、どうちよう〜。
うえぇえぇぇーん。しぇっかくS様がお電話ちてくりたのに。うえぇえええぇぇーん。
がちゃ、っとお風呂のドアが開いて、凪しゃんが上がってきまちた。ちっとお仕事が忙しかった凪しゃん、ちょっと酔いが回るのが早かったみたい。
「……おはようございます」
Hしゃまがベッドの中から声を出しまちた。深夜の二時に、ナンだかおかしなご挨拶でしが、しょうとちか言えないのでちょう。凪しゃんは、うん、と返事をちてお部屋から出て行きマシ。ポカリを買ってきてごくごく。はい、Hしゃまも、どんじょ。
「……どうも……」
Hしゃまお返事。しょちてまた、
「すぅーっ」
あ、眠っちゃった。
Hしゃまは新社会人一年生。お仕事が、しゅんごく忙しいの。人間は周囲にチヤホヤさりていればお仕事が少々忙しくてもメゲずに生きていけるモノでしが、新入社員の間はそりがあんまりないから、疲れ果てるヨネ。もっともHしゃまはタフで優秀でハキハキ、既に相当、職場でハバを利かせているご様子ではありましが……。
「ぐぅぐぅ」
あっ、凪しゃんまで寝たぁ〜!
ススキノの夜なのにどーしゅるのよぉ。夜の6時から8時までがススキノ滞空時間でいいのぉ?もぉ〜。
んでも、まぁ、うさうさも、ごそごそ。も一度うさもネンネしまし。
おやしゅみなしゃい、なきうさしゃまと、ココロで呟きつつ……。
翌朝、8時過ぎ。
凪しゃんはSしゃまにお電話。
「あの、おはようございます、あの……。昨日、ごめんなさい!」
ベッドの上でひれ伏す凪しゃん。酔いつぶれていました、という凪しゃんの告白にSしゃまは笑ってくりまちた。
『電話ないから、そんなことだろうと思ってましたよー。やっぱりねー』
うぅ、面目次第もごじゃいましぇん。うさ、駄主人とともにお耳を伏せて反省のポーズ。
『今日はどういう予定なんですか?』
えぇと、今日はこりから、ご贔屓のホテル、札幌郊外にあるガトー・キングダ○・サッポロへ行くつもり、でし。しょこで、一緒に泊まるWしゃまと待ち合わせなの。Wしゃまは南国のご出身、かつては凪しゃんと九州(吸収)ワイン海綿ズとして名を馳せたのでしが、現在は札幌市北区にお住まいでし。
『なら車出しますよー。まず北海道ワインでしょう?』
うぅ、ありがとうSしゃま!そちて何もかも見抜かれているうさ一行!しょうでぇし、サーモンファクトリーに行って、北海道ワインに行って、ロイズの工場に行きたい、でぇしッ!
『了解です。じゃあ、また後で』
言って、Sしゃまはお電話を切らりまちた。許してくりて良かったぁ〜。うさにとって、Sしゃまの婚約者の極北なきうさぎしゃまのマスタァでしから、うさ嫌われると困るの。なきうさぎしゃまと仲良くさしぇてもらえなくなると泣いちゃいましぃ〜。
ススキノの翌朝、まともにマンマを食べれる筈がないと思っていたうさたちはホテルの朝ごはんをつけていましぇんでちた。凪しゃんはミカンをあむあむ。コンビニにお握りを買いに行ったり、まぁ元気でし。問題はHしゃま。ねむねむの沼から、なかなか出てこられましぇん。Hしゃまぁ、朝でしよぉー。
「……みかん」
ほえ?
「みかん、ください」
あ、うん、みかん、おミカンね!凪しゃんが南国から持ってきた、路地のビタミンたっぷりのみかん♪うさ皮を剥いてあげるね、ムキムキ。はい、あーん。おミカンを食べれるってことは、二日酔いにはなっていないご様子でし。
「10時30分にチェックアウトするよー」
10時前に凪しゃんがユっても、Hしゃまは、
「はぁい。……シャワーを10分で浴びて、15分で身支度できるから……。荷物の整理があるけど……、あと7分……、ね、ます……」
すぅすうとフタタビ、ねむねむの国に旅立つHしゃま。大丈夫かなぁうさ心配だなぁ。具合悪いのかなぁ?なのに旅行に来て大丈夫かなぁ。余計に疲れちゃわないかなぁ。
「具合が悪いときはこんなにスカスカ眠れないよ、うさぎ」
む。過労とワーカーホーリックの経験はちっとあり、連続23日出勤記録を持つ我が家のロクデナシが、お茶を飲みつつしょんなこと言いマチタ。
「旅行いって寝てばっかりだと何の為に旅なんかしたんだって言われるけど、寝て食べて元気になるためにする旅もあるよ」
ふぅん、凪しゃんそりは、いつの旅のイイワケ?
「……」
もう、都合が悪くなると黙るんだから。とにかくHしゃまはねむねむ。ひたすら枕を愛しておらりまし。10時15分にはオッキちてくりたけど、そりからシャワーに行っちゃった。時間、大丈夫なのかなぁ〜。札幌駅を11時に出発しゅるシャトルバスでホテルまで行くんでちょう?
「いざとなったら最寄り駅まで行って、そこからタクシーだね」
凪しゃんは既に悟りモード。好きなようにさせるつもりみたい。うさはバスルームの前でうさ踊り。Hしゃま、もう、10時33分でしぃのよ〜。
「あれ?」
シャワーを済ませて出てきたHしゃまはオメメをぱちくり。凪しゃんは自分の荷物を片手に、チェックアウトしておくから用意できたら降りておいで、と言いまちた。結果からゆえば、待ち合わせにはちゃんと間に合いまちた。札幌駅で乗る筈だったシャトルバスをパスちて、ホテルから徒歩一分の地下鉄南北線・すすきの駅から麻生まで直行しゅれば、しょこのお迎え時刻は11時20分。うさたちがドタバタ、地上のシャトルバス待ち合わせ場所に辿り着いたのは11時15分。ふぅ、よかったぁ♪
「もうすぐWさんも来られると思いますよ」
おんもは、昨日よりいいお天気だけど、やっぱりサムサムなの。相変らずモコモコの二人組は、薄着ばっかりの極北のシトたちに囲まれてちょっと目だってまちた。札幌駅やススキノと違って、地元の人以外はあんまり使わない駅前だから余計に。
「なんか肩身が狭いね」
「大丈夫、Wさんが来れば仲間が増えますよ!」
うさたちは信じ切っていまちた。Wしゃまは札幌市北区の住人となって一年と半年。でも南国人とちて四半世紀、生きておられただから、きっとモコ3号とちて現れてくりる筈、っと!
「あら?凪さん?お久しぶり、おはようございます」
背後から声を掛けられて、振り向いたうさ一行。そちて見たものは。
「……あーっ」
「裏切り者ぉー!」
「薄着だ、うすぎだー、こんな薄いコートでぇー!」
「モコモコじゃないー!」
相変らず優しげだけどただ者ではない雰囲気、南の国のオンナらちく黒目がパッチリと愛らちぃWしゃまは。
「え、でも、今日はあったかいですよ?」
うさうさたちを置き去りに、しゅっかり北に適応とておらりたの、でちた。
あったかくなぁーい!
気温20℃の南国から来たら、10℃ない極北は、極寒の地だもーん!
(号泣)
『生き残るのは変化に強い種だ』
ばい・だーうぃん、を思い出しつつ、泣くうさぎ。
いいもん、うさはなきうさしゃまとケッコンちたら、冬は南国で暮らすんだもん。んで、夏は極北で暮らすの。こりこしょ究極のエコライフでしの。
しょんなことをお話しちているうちに、お迎えのシャトルバスが来て、うさうさたちは一路、ホテルへ向ったのでちた♪
サッポロ二日目・裏切りの朝 完