極北・遺憾なモノガタリ 6
夜のホテルのお部屋で、本日最後のお酒盛りぃ〜。
「山南が失脚した理由は土方の後見だった佐藤家の意向に押されて説は面白いですね」
「近藤さんの土方ひいきに反発して、っていう意味では定説からそれませんが、本人たちの対決じゃなくなるからひーにとってはちょっと情けなくなる」
「ひーちゃん基本、甘えん坊の末っ子だから。人生の最後の二・三年だけですよ、気合はいってたのは」
「男同士の関係では鬼で厳しかったのかもしれませんよ」
「史実近藤さんほどではないでしょう」
なんてお話を聞きながら、うさは北海道限定のワインを、ぺろぺろ。おいちぃなぁ〜。
「トラちゃん、寝なさい〜」
む、凪しゃんがトラしゃんをベッドに誘ってる!同衾しゅるのでしか?ふしだらでしーッ!と、思っていたら、トラしゃんをベッドにうつぶせに寝かせて、凪しゃんが背中のツボ押しをはじめまちた。なんだ。
うさも手伝うね、おせなにピョンとのんのちて、ん、んっ!コリコリに凝ってまし。生え変わった牙、二本目の親知らずが生えてる側の首も硬いの。痛そう。かわいちょう。
「……」
うう、トラしゃんはツボ押しをちても反応がないからよく分からないなぁ。Yしゃま、しょっちからトラしゃんの顔をみてくだしゃい。イヤしょーでしか?
「魂とびそうにうっとりしてますよ」
Yしゃまがワインの香りを楽しみながら教えてくりまちた。キモチいいならよかったデシ。うさも凪しゃんも素人だから、背中を揉むのは怖いから、ツボ押しだけにちておくネ。肩甲骨の下も、耳の後ろもマッサージ、マッサージ。
「……」
でもあくまでも沈黙なのでしネ。やっぱりセメキャラは声を漏らさないモノなのかちら。ふきゅ?
「今何時?あぁ、しまった。温泉の時間が終ってしまいました」
「朝風呂しましょう。朝は宿泊客のみだから貸切で広々だし」
「わぁい、温泉ー♪」
うさも温泉すきぃー♪ふかふかうさぎになるでぇし♪しょんで、うさたちは電気を消して、ねぇむねむ。おやしゃみなしゃい、極北の冷たいけどあったかい優しい皆しゃのに感謝ちながりゃ、すぅーっ。
翌日。
うさたちが、オッキちたのは、八時三十分。温泉の朝風呂は九時まで。そりから清掃が始まってちまうの。うぅーん。……もームリ……。
「……」
あ、凪しゃんも残念無念しょうでし。
「しょーがないですよ。ごはん食べに行きましょう。私は迎えに来てもらうので、そこから失礼します」
裏切りの南国人・Yしゃまが慰めてくりまちた。
「すぅ、すぅ」
トラしゃんはキモチ良さそうに、眠っておりマチタ。
朝ごはんを食べて、Yしゃまとバイバイちて。Yしゃまには南国のゆずと、うさ特製のゆず胡椒を持って帰っていただきマチタ。塩と青トーガラシと柚子の青い皮を同じ重さずつ、ごりごりすりおろしてうさが作ったの。北国のおいちぃお野菜にあうと思いまし。南国の味でしから、食べてくだしゃいネ!
初めて一緒に北海道に来た時は「スキーをしたことがない」と仰っていたのに、今では麓から雪の帯がどのスキー場なのか教えてくりる、しょんな裏切りのYしゃま。でも、うさはYしゃまがスキでし。また遊んでくだしゃいネ。
今日は南国と東京へ帰る日デシ。んでも、フライトが午後の三時と四時だから余裕ヨ!うさはエロブロにぼっちゃん。ふぅ、滑ったらバスタブで溺れてちまいしょーなお風呂のイメージは凪しゃんの色んな話の中で活用さりていまし。ゆったり長風呂ちてあがると、あ、またトラしゃんがネンネちてる。
「くぅ、くぅ」
シアワシしょうに寝てるなぁ。ま、寝かせておいてあげまし。凪しゃんは無言でトラしゃんのお荷物を整理しはじめまちた。冷蔵庫の中のなま物をクーラーボックスに入れて、おみやげのトンコツラーメンも入れて。チェックアウトは11時だし、なきうさしゃまご一家がお迎えに来てくりるのもしょの頃だし。ねんねちないしゃあい。ねんね、ねんね……。
ちょっと、トラしゃん。もー10時45分でしヨ。
「えっ。……あ……っ!」
起き上がるトラしゃん。凪しゃんは10時55分に、クールに自分のお荷物を手にして。
「チェックアウトしておくから。ロビーで待ってる」
カードキーの一枚を持ち、一枚をトラしゃんに残して出て行きまし。トラしゃんは、やがてばたばた降りてきまちぃた。しょんでクマしゃんがエボ君になきうさしゃまとSしゃまを乗せて到着〜。でもヒコーキの時間まではまだあるの。
「六花亭で今、クリスマスケーキの試食が出来ますよ。三種類で380円です」
トラしゃんのオメメがきらーんと輝きまし。バイパスぞいの六花亭しゃんに連れて行ってもらいまちた。百合丘店、というお店で、駐車場には凛々しいワンコしゃんの銅像がありまし。六花亭もお店によって、色々と違うみたいでしが、ここはカフェ併設で、カフェのコーヒーがタダで飲めるのでしぃ〜。凪しゃんとトラしゃんは、まずお土産を買いまくり。といっても、六花亭は安いんでしけどネ。けっこういっぱい買って2000円しましぇんでちた。んで、ショーケースの中から凪しゃんは、ベイクドチーズケーキを注文。そりをカフェで食べるのでし。
うさも味見。ぱくっ!
んーっ、おいちぃの。六花亭のお菓子は飾り立てないシンプルなものが多いでしが、だからこしょ、素材のよさが引き立ちまし。おいちぃ、おいちぃなぁ。Sしゃまとトラしゃんは三種類のクリスマスケーキの試食セット。ちっちゃめだけどショートケーキが三個で380円、お買い得でし。コーヒーはタダだから、単品を注文しゅればケーキセットになるしネ。
凪しゃんは甘いものを好きでしが量は食べられないのデシ。トラしゃんは食欲復活、もぐもぐ食べてましの。ふぅ、元気になって良かった。
「ああ、美味しかった。来たのお菓子はなんでも美味しくてリーズナブルですね。……あ。アイスクリームがある……」
卓上の案内を見て、トラしゃんは呟きまちた。
「美味しいですよ、ここの。バニラはここに食べに来るようにしてます」
地元のSしゃまが太鼓判を押してくりて、トラしゃんはご注文。Sしゃまも旦那しゃまのクマしゃんと分け合ってご注文。ミニソフトとメニューには書いてあったのに、お値段も180円というりーずなぶるさなのに、しゅんごい量。っていうか、こりフツーのレギュラーよりおっきくないでしか?あり?
「おいしーいッ!」
トラしゃん。
お寝坊しゃんでもいい。(うさと凪しゃんにしょう言われるシトはしゅごいレベルでしヨ)
トキオで凛々しく、元気で暮らしてくだしゃい。
うさ、トラしゃんをダイスキでし。
そりから。
うさたちは、なんと空港まで送っていただきまちた!
空港でエスカレーターを上がっていたら、Sしゃまの瞳がキラリーン♪
だ、っとダッシュちてくりたSしゃま。Sしゃまは骨格が素晴らしくすらりとちている、手足の長い方でし。しょの長いアンヨで、ば、っとお土産屋しゃんの店頭に駆け寄り、「じゃがぽっくる」を三人分、掴んでくりまちた!
定価800円、ネットで買えば定価以上の手数料がつく人気のお菓子でし。限定数量が決まっていて、店頭に並んだ途端になくなりまし。ありがとうSしゃま!うさうさは、感動でしぃ〜!
そりから。
空港で「かま栄」のさつま揚げを買い込み、佐藤水産のミックスお握りを買い込み、上階でラーメンを食べ、うさの、今回も胃肝に遺憾な来たの旅は、幕を閉じたのでし。
優しくちてくりてありがとう。
うさは、みなしゃまに、愛と感謝を抱きながら、南へ帰りまちた。
帰ってからも暫くは、買い込んで来た北のマンマを食べワインを飲み、北国の残り香(?)を、堪能いたちまちた♪
うさの遺憾なモノガタリ・完