ある日のうさ日記・13

 

 

 はぁああぁぁぁぁーっ。

「どうした、うさぎ」

 あ・京ちゃんだ。

 うさね、うさうさ、悩みがアルノ。

「そんなのは見ていて分かる。今のタメイキ、俺が飛ばされそうだったぞ」

 まぁしゃかぁ〜。うさ、知っているでしよぉ。

 貪食細胞の京ちゃんは、体重が80キロを越えているってコトぉ〜。

 京ちゃんをタメイキで飛ばすには、うさ、赤城山くらいにおっきくならないと、ムリムリ〜。

「それで、悩みってのは?乾燥アザミをまた棄てられたのか?」

 ううん、そりは大丈夫。

 うさ、冷蔵庫のシタに隠す、という手段を覚えまちたの。

 電熱線のオカゲで乾燥も速くって、便利、でしぃの。

「腹でも痛いか?そういやもうじき、外国行くんだよな。予防注射、したか?」

 うん。ちまちたの。7種類も打たれて、タイヘーン。

 にぃにぃが、いい子だよって、撫でナデちててくりたから、耐えられまちた。

「んじゃ、どうした」

 あのねのね。

 悩みはね、凪しゃんのおトモダチの、息子しゃんなの。

 お魚を、ぜんぜん食べないんだって〜。

 でも、お肉アレルギィ、なの。

 痩せてるの。可哀相、なの〜。

 うさ、食いしん坊の、大ぐらいの、大酒のみの相手ばっかり、ちてたから。

「……そんなかに、俺も入ってんだろうな……」

 あんなちっちゃいお子ちゃまが、親と凪しゃんが美味しい物をたべたべしてでぶりんになってるとき、食べれるモノはいなり寿司、だけなんて可哀相、なの〜。

 凪しゃんちに遊びに来ると、うさうさのこと、しゅっごくシュキシュキしてくれるお子様なの〜。

 ナンとかなりゃない?京ちゃーん〜。

「アレはどうした。凪の得意な豆腐料理。あいつビンボウ一人暮らしが長いから、豆腐料理させりゃそれなりだろ」

 そりは、もうちたの。がんもどき串揚げ大会。いっぱい食べてくれて、うさもシアワセだったの〜。

 

 

 

簡単がんもどき

 

 豆腐を水切りする。皿を被せて押したのを、さらに布巾で包んで絞る。それからすり鉢ですって、といいたいところだが、我が家にはすり鉢がない。ボウル又は小鍋の中で、手でこねる。がんもどきの具は、細く切って塩コショウして、強火で炒めておく。水気がでないよう、あくまでも強火で。ニンジン・しいたけ・きぬさや、あたりがよい。面倒くさいときは『山菜御飯のもと』の中の、山菜をぎゅーっと絞って混ぜてもいい。

 卵の黄身・片栗粉・塩コショウして味を調えて、揚げる。食べごろになったら自主的に浮き上がるので、揚げたてを食べる。(子供の場合は口を火傷、しないように切って盛り付けた方がいい)

 天つゆに大根おろしがスタンダード。だが、生しょうゆでも、ポン酢でも、オスキなように。

 

 

 でもでも、お豆腐ばっかりじゃ、ねぇ〜。

 ねぇ、京ちゃん、ナンとかオサカナを食べさせる方法は、ナイ?

「そんなの簡単だろ。大体、魚は肉より美味いんだから。その子が住んでるところは?ん?唐津?海べたも海ベタ、玄界灘の、魚が美味くて安いところじゃねぇか。……ったく」

 お、京ちゃんが、エプロン、っていうか、前掛けをしてくりまちた。お袖をまくりあげて、ヤルキでしね!

「幾つだその子。六歳?なら、まだサカナって分からせない方がいいな。任せろ」

 ふぅ。コドモズキな京ちゃん、でしぃの〜。

 とかナンとか言ってるうちに、京ちゃんが冷凍庫から取り出したのは、お座布団〜。

 ……な、ワケはないでし。……ヒラメーッ!!!!!

「カレイだ。あのな、うさぎ。サカナの腹をこっちに向けたときにな」

 うん。

「頭が左ならひらめ、右ならカレイなんだ。『ひ』だりだから『ひ』らめって、覚えておくと恥かかないぞ」

 ひゅう〜。でもでも、おっきぃ〜。京ちゃん、そりどーしたの?

「先週、釣ってきて、食いきれないから頭と内蔵とヒレとって冷凍してた。ガキに食わせる時はなぁ、カチコチの冷凍魚、店で買ってきて料理した方がいいぜ。下手な活魚より」

 どちて?

「ガキは大人より匂いに敏感なんだ。腹、壊しやすいからだろうな。冷凍も今時、そう馬鹿にしたモンでもない。獲れたての旬のをカタメてあるから、魚屋の店先ででろんとなったのよか、新鮮だぜ」

 ふぅん。しょなの。

「それに冷凍は身離れがいいからな。煮付けにしても食べやすい」

 ふぅん。そりも煮魚?

「いや、コロッケにする」

 …………?

 おしゃかなコロッケ……?

 フライとは違う、でしぃか……?

「カラスカレイの冷凍が、最近じゃ100グラム100円くらいで売ってある。それを使うと、便利だぜ」

 ふぅん。教えてくりて、アリガトウ。

 でもでも、そりなら、唐津でね前橋でも、奥日光でも、同じことでしね。

「……」

 ネ?

 

 

 

かれい(冷凍白身魚)の、コロッケ

 

 冷凍を凍ったまま、レンジで一気にチン、して蒸した状態にする。必ず、凍った状態から一気に。濡らして皿においてラップをかけてやると早い。バターを一欠けら、落としておくといっそう子供好みになる。

 身を剥がし、ボールの中で崩して、茹でて潰したジャガイモと混ぜる。ジャガイモは、つなぎくらいのキモチで少量に。魚と同量、以上にはしない。

 塩コショウして、コロッケの形にする。平べったくしてもいいし、俵型でもいい。

 小麦粉をまぶす。水で溶いた卵をまぶす。パン粉をつけて、あげる。

 中身には火が通っているので、表面のパン粉がおいしく色づけばよい。

 

 

 

 はふはふ、オイシーシ!

 まじゅは、そぉすで一個、ケチャップで二個、マヨネーズ醤油で、三個!

 げふげふ、起き上がれ、ましぇーんのぉ〜。

「なぁ、うさぎ」

 なな、なんでしか、京ちゃん。げふーっ。

 あ、タッパーに、コロッケ入れてね。げふげふ。

 ヒサシくんに、持っていってあげる、のぉ〜。

「食いしん坊の、大ぐらいの、大酒のみの相手ばっかりしてんのは、俺もだ」

 げふげふ、う、動けましぇーん!

 京ちゃん、エホエボ君で、送ってぇ〜。

「オマケに甘ったれだ」

 タメイキの、京ちゃん。でも、うさうさは知ってるの。

 ホントは京ちゃん、うさに甘えられるの、スキスキだって、ことを。

 だからうさ、アンシンして我儘を、ゆえるの〜。

「ほら、行くぞ」

 タッパーの入った包みと抱っこさりて、シアワセ。

 待っててね、ヒサシくん。うさがすぐ、ゴハンを持って行くからね!

 

 

 

ある日ある時・うさうさ、ひさし君のために頑張る