うさうさ日記・14
びょーん、びよーん、びぃよぉ〜ん。
きしししし。たぁのシイ♪
あ、みなしゃまコンニチワ。(ぺこり)カワイイうさうさでし。
うさうさは、御引越しをちまちたの。こんどのお家には、お庭があるんでし〜。無花果の木が生えてましぃの。うさ、いちじくの木の葉がダイスキ、でし。だから、んしょ、んしょってね、木登りの練習を、ちまちた。んしょ、んしょ〜。
なかなか出来なくて、でもがんばってたら、京ちゃんと清二しゃんが、お木の根元に、台を置いてくれまちたの。そこにぽすっと乗って、トォッ!って跳ねると、イチバン下の枝に届きまし。そりからは、飛び移りやすい枝を狙って、びょーん、びょーん、って、枝のしなりとうさうさの後足で、木立の中を、自由自在、でしぃの。
しょうしょう、うさうさ、びっくりしたコトがありまし。
お庭には、木が、10本くらいありましが、その中でもご門の横にある、ざらざら枝の木が、うさうさはスキじゃなかったでし。だーって、木の葉がなかったんでし。そう言ったら京ちゃんがくすって笑って、ハルニナッタラナ、って言ってまちた。
春に、なって。
うさうさは、ホントーに、びっくぅり!
しゅごい、しゅごいでし。こりがあの、細い枝がお風に震えてた、あの木とオンナジ木?!
爪楊枝、みたいに細ぉいお枝の端まで、びーっちり、薄いピンク色のお花が咲いてましぃ、の。
下から見ると、綿菓子みたいでしぃ〜。うんしょ、うんしょって、枝伝いに登ると、今度はうさうさが、お花の雲に埋もれてちまいまし。しゅごーい、キレーイ!
春が、キマチタ。
うさうさ、とーっても、シアワセェ!
サクラの木だっよて、にぃにぃに教えてもらいまちた。だからこりを、こりからは、『さーちゃん』って呼ぶでし。さーちゃんのお枝にのんのちて、陽だまりの中で、ねむねむ。
……あぁ、シアワシ。
「……、んでさぁ、だから、旅行にさぁ」
「イヤでもじきに、いけるだろう」
お。にぃにぃとハンサムしゃんが、帰って来まちたヨ!
御帰り、なしゃーい。びょーん!
「っ、と。ただいま、うさぎ」
オカエリナシャーイ!
にぃにぃは、しゃしゅが、でし。
うさがお肩にとびつくと、ゆらっとしましが、しょの揺れ揺れも、にぃにぃの支配下、でしぃの。
わざと揺れて、うさのショウゲキを受け止めてくりまし。
あぁ。うさはにぃにぃが、ダイスキ、でしぃの〜。
「さみしくなかったか?ん?」
ちょっとだけね。でもしょーがないの。にぃにぃは、お仕事なの。だからうさ、いい子でお帰りなさいを待ってるの。だからご褒美に、はい、ちぅー。
「ん」
ちぅちぅ。むひゅひゅ、シアワセぇ。
「啓介、お前、なにしてる?」
ン?
にぃにぃのお言葉に、うさもそっちを見まちた。
……ハンサムしゃん。
ナニ、ちてるんでしか?
お顔の前で腕を交差させて、あっしを肩幅に開いて踏ん張って。
誰もハンサムしゃんなんかユーカイしに、来ましぇんよ。
アツカイニクイから。
「……、うさぎは?」
「ここだ」
にぃにぃが、お腕の中のうさうさを見せまちた。ハンサムしゃんはオメメをぱちくり。うさうさも、パチパチ。
「……てっきり、俺に落ちてくると思ったのに」
「お前があんまり簡単に倒れるからつまらなくなったんだろう」
「だって、でもさぁ」
「さぁうさぎ、家に入ろうな」
にぃにぃの、お腕の中で、うさうさは、きしししし。
ハンサムしゃんが、ちょっとツマンナサソウ。
押すばっかりじゃ、ノウがないんでし。
たまには引くでし。引いて、アレ……?って思わせるでしぃ!
にぃにぃ直伝、『ヒイテマツ』戦法!『ヒイテ』っていうのはどんな松の木か、たぁのチミぃ〜。美味しいキノコがトレルかな?
「……だから、アニキィ」
おろ、ハンサムしゃん、気を取り直すのが早いデシ。
「旅行行こうぜ。ケッコンしたんだ、新婚旅行」
「お前、言ってて恥かしくないか」
「なぁんでさ。世界一周でもいいぜ、俺」
「シーズン始まったらイヤでもそうなるだろ」
「俺、アニキと新婚さん、してねーッ!」
「なにが新婚だよ……。なぁ、うさぎ」
ほぇ?
ごめんなしゃい、うさうさ、うとうと、ちてまちた。
にぃにぃのお胸のナカがとっても、キモチいい、からぁ……。
「第一、うさぎはどうするんだ。京一にでも預けるか?」
……ホエ?
「ぜってぇだめ。うちのうさぎ、カワイイんだぜ?!須藤のヤロウが返さなかったらどーすんだよ!あんたうさぎ会いたさにのこのこ、日光まで行くだろッ!」
「論旨が微妙にズレてるぞ」
「とにかく、新婚旅行、行くーッ!」
「……前半をとったら、考えないでもないぜ」
そこでにぃにぃ、うさうさをお抱っこ、しなおして。
「おまえと春を、味わうのはイヤじゃない」
……にぃにぃ。
今、ちょっとだけ、ずるっこ、でちたね。
いまのオマエって、うさのコトじゃなかったでし?
「おっしゃあ、キマリ!春ってったらナニが美味いかな?牛か、鳥か?」
あ、アホウがヒトリ。
にぃにぃ、ナンにも言わないの?
しょんなに、ハンサムしゃんがスキ、なんでしのぉね。
いいでし。うさうさは、おダシになっても。
ハンサムしゃんに見えない位置で、うっとり嬉しそうに、にぃにぃが笑ってるから。
うさうさは、にぃにぃが、笑ってるのが、ハルでし。
ある日ある時・うさうさ、ケナゲな決意。