うさうさ日記・23
とてて、ぽてて、うさはゴハンの用意〜♪
時刻は夕方。文太パパは、オキャクサマの応対で忙しそう。パパのお豆腐はおいしいから、みんなよく食べに来るんでし。
「ふぅー、やれやれ」
あ、お疲れしゃまでし、文太パパ。はい、お座りちて、お茶どーじょ。夕刊も来まちたよ。ウンチョ。
「おぅ、ありがとよ、うさぎさん」
ちゃぶ台の前に座った文太パパ。てへへ。ううさは、お膝にちょっと、スリスリ。んでも、ゴハン作らなきゃ。後で、ネ!
お台所にうさうさが戻ると、
「おーい、文太ぁー!」
あ、オキャクサマ、でしか?
「おぅ、なんだ、竜一かよ」
新聞持ったまま、パパはお玄関へ。
飲みに行こうぜ、とかナンとか、お話していまし。お出かけ、でしか?うさうさはお台所の、ガスの火を止めて待ちまし。お誘いに、文太パパは、あんまり気が進まないみたい。
ちっと待ってな、ってパパが戻って来て、
「なぁ、うさぎさん。夕飯、もう一人、増えて大丈夫か?」
って、うさうさにお尋ね。うさは、びょーんと跳ねて、うん大丈夫、ってお答えいたちまちた。ふぅ、うさ、置いて行かれましぇん。良かったァ〜♪
「お前んちで喰うモノったら、豆腐ぐらいしかないじゃないかよ……」
不満しょーに、そりでもお客様は、おうちに上がって来ましぃの。うふん♪
しょんなアナタを悩殺の、うさうさ特製・ネギツナ豆腐を、お出しイタチマチ。うさのおトモダチ・旦那しゃまの弟しゃんを京ちゃん化させる計画、プロジェクト・K遂行中の、ミキしゃまから教えてもらった、バッチリィな、お豆腐おりおり、でし!
1. ネギツナ豆腐(命名・南のうさうさ)
○御豆腐を水切りちて、5センチ四方、くりゃいに切りまし。
○シーチキンのオイルを軽く切りまし。
○シーチキンの半量くりゃいのねぎのみじん切り・カレースプーン一杯くりゃいのすりゴマ・ラー油・醤油・ポン酢なんかを、お好みで、マゼマゼ。
○ ネギツナを、御豆腐に山盛りにのせて、きざみ海苔を振りかけて、完成〜♪
「おぉ、美味い、こりゃ美味いぜ。酒とよくあう」
「オンナ味じゃねぇのが、いいだろ」
文太パパが褒めてくりまちた。煮物やおりおりに、お酒を呑まない女のシトは、すぐお砂糖を使っちゃいがちでしぃヨネ。んでも、おりおりにお砂糖を使うと、日本酒がおいしくなくなっちゃうんでし。
うさうさのお台所には、お砂糖はそもそも、オキャクサマが来た時に紅茶に添えて出すスティック・シュガーしかないんでし。んだから、真冬に何度か、すじ肉とダイコンの煮込みが食べたい!とかって時には、急いで500グラムの三温糖を一袋、買いに行かねば、なりましぇん。
しゃ、うさうさは、次のおりおりを、作らなきゃ。
2. シイタケのつくね盛り
○ 生しいたけは、いしづきを取って、傘だけにしておく
○ ボールかお椀に、鶏のひき肉を入れる。卵の白身または片栗粉をつなぎにして、手でよく練る。塩コショウやコンソメで、お好みの味をつける。ネギツナ豆腐のネギが残っていたら、混ぜてもよい。ダイコン葉や青紫蘇があれば、それを細かく切って混ぜても風味が増す。
○ しいたけの傘の内側にこんもり、形よく乗せる。アルミホイルでくるんで、石油ストーブの天板で焼く。アルミホイでくるむのは、何個か並べてまとめて細長く、すると手間がかからない。ストーブがない場合はオーブントースターで。
○ 焼く時のコツは、決してひっくり返さない、こと。椎茸の傘を下にして焼く。鶏肉の肉汁がしいたけに染みて、実においしい。じゅーじゅー音がしなくなったら、焼けている。
「……」
「美味いだろ」
「文太……、嫁さんもらったのか?」
「まさか。拓海からの預かりモンだ」
「拓海の嫁さんかぁ!会わせろよ、なぁ、なぁ!」
「いや。拓海も他所から預かったモンなんだ」
「……?」
んふふふふ。しゃ、チョーシに乗って、ドンドンいっちゃいマシヨ!
3. 鶏の水炊き・豆腐鍋
○ 塩をパッパッと振っておいた鶏の骨つきブツ切りを、米のとぎ汁とこんぶに漬ける。底には昆布を沈めておく。
○ 暫く置いて、火にかける。このときに、米粒をばらばらっと、入れる。酒を入れると、いっそう味が深くなる。ダイコンやジャガイモなどの根菜を煮る時は、この時に水から入れて煮る。
○ 煮えたら火を止め、冷やし、また火を点けて煮る。鶏肉のダシがたっぷり出たら、鶏肉を引き上げ、そのダシで水きりした豆腐や野菜を煮て食べる。鶏肉を戻して暖めて、ぽん酢で食べる。
前の夜に仕込んで沸騰させて、翌朝、朝ごはんつくりながら煮て、火を止めておくのがオススメ!夕方、会社から戻ってきた頃には、出汁がじんわり、オイシク出ている筈でしの。
このオリオリの、コツはナンといっても、お米のとぎ汁、でし!お米のとぎ汁は、あく抜き効果もありましし、お味が甘く仕上がりまし。が、ナンといってもイイのは、沸点が高くなるから鶏肉が骨までやーらかく煮えるんでし。サトイモを煮るときも、お米のとぎ汁で煮るといいデシヨ!表面が煮とけて中がナマ、ってことがサトイモにはありがちでしが、お米のとぎ汁を入れていたら、大丈夫、でし!
ふぅ。とてててて。文太パパァ〜!うさにも、おちやけ、ちょうだいぃ〜!!
「おう、うさぎ、来たな。ほらよ」
うさうさを股座に入れて、パパはお猪口からうさにお酒を、注いでくりまちた。こくこん。ぷはぁー!
おいちい、でし。冬はやっぱり、ぬる燗と鍋物、でしネ!
「……文太、そりゃあ、ナンだ……?」
オキャクサマが不思議そうに、うさうさを見まちた。うさは、お耳を伏せてコンニチワ。えっとね、うさうさはね、文太パパの息子の、藤原しゃんのシリアイのトコのうさぎでね、もともとは、えっと、京ちゃんが、えとえと……。
「うさぎだ」
あ・文太パパ、さすがにシンプル、でし。
「そう、だな……」
お友達はオメメを白黒しながら、そりではお酒を呑みのみ。
「このポン酢、滅茶苦茶うまいが、ドコのだ?」
お鍋の御豆腐をお皿に取って、ぽん酢をかけながら、オキャクサマが言いまちた。
ハイハイ!そりは、うさうさ特製、自家製のポン酢、でし!
だって、売ってあるポン酢は薄くて、ナンか、お味が甘いから、うさ、自分でつくりまちたぁの!
うふふ。ついでに、うさうさ特製調味料・三種を一挙、ご紹介〜!
1. 自家製ポン酢……すだちの果汁と薄口醤油を半量ずつあわせ、瓶に詰める。昆布を細く切って瓶に落とす。冷蔵庫の中で保存。一週間から十日ほどで、使える。普通のポン酢の使用法のほかに、揚げ物にかけても味があっさりしておいしい。すだちが安いときに、纏めてつくってしまうといい。すだちは一時間ほど、冷たい水に漬けてから搾ると、皮が水気を吸わないので果汁が多く採れる。
2. ニンニク酒……ニンニクは薄皮を剥き、一片を丸まま、切らないで瓶に入れる。ニンニク一個分に五合、くらいの割合で酒をそそぐ。十日から二週間ほどで、使える。醤油とあわせて肉を漬けておき、片栗粉をまぶして揚げたりするとおいしい。調味料としての他、冬の乾燥で荒れてどーしょーもなくなった顔に塗ると、十分後に洗い流した時には、ちょつと嘘みたいなスベスベ肌になっている。しかし、その十分間の匂いは、なかなか凄まじい。
3. マヨマスタードソース……粒マスタードとマヨネーズを半分ずつ混ぜるだけ。ソーセージや、肉につけて食べる。豚ロースを塩コショウして、小麦粉を振って焼いたソテーに添えるのに、これより似合うソースはない。と、うさうさは思ってマシ。
あ!もーしゅぐ、八時になりましの!
うさうさは、お電話の横に、とてててて。
毎晩、八時に、にぃにぃが、うさにお電話、ちてくりるの。
もーしゅぐ、うさを迎えに来てくりるの。
寒くなってきたから、みなしゃまも、あったかくしてゴハンを食べて、元気でイテネ!
ある日のうさ日記・うさうさ、文太パパとの食卓