うさうさ物語36・インディアンサマー
ばぁちゃ、ばちゃばちゃあ〜♪
お水ぅは、つぅめたくって、スーイスイ♪
うーさは、うさうさ、うぅさ、うさぁ〜♪
フンフン、いい気持ちぃ〜♪プールばちゃばちゃ、いーキモチぃ♪
あ、コンニチハ!にぃにぃのうさぎでし!(スイーッ)
えへへへへ!
うさは今、スペインの、お空の下で、プゥルで泳いでまし!
にぃにぃは、おっきいふつうのプゥルで。うさうさは、しょの横に作られた、ちっちゃい浅いプゥルで!ぷうるは続いていて、うさ、エイ!って境を乗り換えれば、にぃにぃのトコロにも、ばちゃばちゃあ〜!
「うさぎ、来たのか?」
にぃにぃが、うさにオテテを伸ばしてくりましの。あはぁーん!
濡れた髪のにぃにぃ、前髪がオォルバックで、格好いい額が出てまし。なンか、ちっと、いつもより、カワイイカンジ……。えへへへ。うさうさ、オテテにのんのちて、ポテン。
すーって、にぃにぃが、水の上に仰向けにカラダを伸ばしまちた。うさうさ、そのにぃにぃの、お肩に、ぽてん。にぃにぃが、うさを撫でてくりまし。えへへへへ。
プゥルからは、青空だけが見えましの。真っ青な、コバルト色の、お空でし。そちて、真っ白わたがしみたいな雲が、お日様にキラキラ光ってまし。雲しゃんは全然うごきましぇん。風は殆ど、ないのでし。
うさはお水に浮かぶにぃにぃに、カラダを預けて……、はふぅーん……、にぃにぃ……。
会えて嬉しい。……うれちぃな……。
「いい天気だなぁ」
にぃにぃは、お空を見ながらゆいまちた。そうでしね、ホントウに、夏でし。明るくてキラキラでし。
お日様を弾くにぃにぃの、キレイなお顔も、キィラキラ♪
「いいところ、だな」
うん。うさもここ、とってもスキでしの。
ハンサムしゃんが買った、スペインの別荘。バスクは州法で、外国人の不動産取得がちっと、難しいんだって。今年の夏に間に合いそうになかったから、ハンサムしゃんは南スペインの、コルドバにお家を買いまちた。えーと、地図を見せてもらったらネ、えーと、えぇとぉ……。
く、詳しいコトは、にぃにぃ、オネガイでし!
「セリビアやグラナダに近い南スペイン地方で、典型的な地中海性気候。農作物と海産物が豊かだ。カステリア・アラゴン王国の両王国合併前から栄えた町で、中でもグラナダは中世700年間、回教文化の中心地だった。今も見事な、イスラム様式の建物やモスクが残ってる。水が豊かで、中庭に噴水を持つ民家も多い」
という、ことでぇし!えへへへへ。
別荘には広い農場が、付随ちていまし。昔の領主しゃんの家。でも、領主しゃんの子孫さまが放蕩ちて、相続税を払えなくて、競売にかけらりていたんだって。農園には、葡萄もアスパラガスも、ジャガイモもありまし。んでも、一番多いのはオリィブ!千年前の、古木もあるんでしヨ!
昔からの小作人しゃまたちが組合を作って、オリィブオイルの製造販売をちているの。農園主になったハンサムしゃんは、固定資産税を払う代わりに、オリィブオイル製品を三分の一、貰えるの。あはぁーん♪
うさとにぃにぃがここへ来た日、タキシィドを着た組合の代表しゃんがご挨拶に来てくりまちた。んで、歓迎会を、ちてくりるとゆったけど、うさとにぃにぃは延期ちてもらったの。ハンサムしゃんはお仕事が長引いて、まだマレェシアだから。もーしゅぐ、京ちゃんと清二しゃんも来るから賑やかになるけど、今はうさとにぃにぃの、水入らずぅ〜♪
だぁれも居ないぷぅる、うさぎはにぃをたちかめたくぅてぇ〜♪
……ちぅ。
にぃにぃは、くすぐったかったのか、くすって笑って、でもうさを撫でてくりまちた。
そーちている、うちに突然、影がさして。
「……なにやってんの」
あ……ッ!
ハンサム、しゃあーぁぁーん!
いらっしゃいなの!お仕事、もう終わったの?オツカレサマ、なのぉ〜!
「泳いでる」
「……裸で?」
しょ、しょーなのでし。じ……、実は……!
にぃにぃは、シュッポンポーンで、泳いでおらりたの、でし!
ま・うさうさもスッポンポンだけど。
「いいだろ、別に。他にヒトが居るわけじゃなし」
「今日、つくって連絡、してたよね、俺」
「お前じゃなくてマネージャーがな」
「……、だから拗ねてんの?」
「拗ねてる?俺が?まさか」
冗談だろう、って、にぃにぃはお水の中で起き上がりまし。
「裸で待ってたんだぜ?」
笑いながら水を掻いて、ハンサムしゃんが立ってるプールサイドへ行って、うさを置いてくりまちた。しょんでスーツのお膝に、濡れた手を当てて。
「来ないのか?」
きゃうーん!誘惑もぉど、発動〜!!
濡れた前髪を掻き上げて、流し目に、ハンサムしゃんを見上げるの。と、隣で見ているうさでしゃえ、ドキドキ。
……勿論、ハンサムしゃんは、直下型の揺すぶりをかけらりて。
「……」
上着ぃを、脱いで♪シャツを脱いで♪ズボンを脱いで♪パンツも、脱いで♪
すっぽんぽぉんで、バッシャーン!
きゃあ、うさにまで、水飛沫!
「はは……、あはは……ッ」
あ、にぃにぃが笑ってる。
珍しい、全開の笑いでしぃ〜。
「……、はは、はははッ」
ハンサムしゃんも笑ってる。二人、プゥルの中で、お腕を絡めたり抱き合ったり、逃げたり追いかけたり、楽しそう〜。
「うさぎ」
ハンサムしゃんが、うさに手を伸ばしてくりました。うさも仲間に入っていいの?そぉーれ!
「アイテッ!」
プールサイドの飛び込み台の上にヨジヨジちてかぁら、ハンサムしゃんの、アタマの上に、びょーん!
「いて、テ……、あー、ナンか久々の、痛みだよ」
うさをアタマの上に乗せて、ハンサムしゃんが平泳ぎ。しゅーってにぃにぃの方へ向かって泳ぎまし。にぃにぃは、クロールで逃げまちた!円形のぷぅるの中を、二人は、ばしゃばしゃ。
うさ、ハンサムしゃんの頭の上から指示を出しましの。右でし、左でし、後ろでし!
水滴が、跳ねてきらって、光りまちた。
にぃにぃは潜るのが得意みたい。時々、お姿を見失ってちまいまし。んでも、やっと、捕まえて。
きゅうん……。きゃふぅ、ン……。
抱き合う二人、間にうさを、ちゃんと仲間に入れてくりて。
青い、お空の、下のインディアン・サマー。
うさは、シアワシなうさぎ、でし……。
うさうさ物語・うさうさ、幸福を実感。