うさうさ物語43・うさぎのお家のあったかオヤツ

 

 

 ふんふん♪るるるん♪らんららら♪

 今日はいいお天気。お外の雪が二重ガラスごしに、キラキラ光ってまし。

 雪を見ると、婚約者の極北なきうさしゃまを思い出して、ちっとシアワシになるうさ。

 らんらんららら♪しゃ、用意完了〜!

 うさは、お台所からベルを鳴らしまし。リンリリン♪

 ハイネルしゃまの、ラボという名のお家の中には、ちゃんと食堂もありまし。夏の間は観光客しゃんがいっぱい来るお城の、従業員用のお家だから、十五人くらい座れる、おっきぃテーブルもあるの。

 んでも、今は五人ちか居ないから、夕食以外は簡単に、キッチンのテーブルで済ませてまし。

 現在時刻は、午後三時。みんな、オヤツの時間でしぃよぉ〜!

 

 うさのリンリンを聞いて、みんなが集まってきまちた。

 ふーみん、はい、電気のホットプレートをテーブルの上に置いてぇ。

 んでね、このボールの中の、ホットケーキの種を、スプーン一杯分ずつ、置いていってね!

「あ?なんだぁホットケーキ?ガキじゃねーんだからよ」

 む、ハンサムしゃん、しょんになワガママを言うと食べさせてあげましぇんヨ!

 みんなの手元にはお皿。そちてしょこにはうさうさ特製・オレンジバタァを、冷たくちてスプーンで上手に掬ってね、貝しゃんみたいな形にちてあるの。

 ママレードに、ハチミツに、イチゴのジャムは、清二しゃんが農協で買って送ってきてくりたモノ。

 アイスクリームに、缶詰のフルーツ、ホイップクリームも用意ちて、各自が好きに使えるように置いて。

 ホットプレートを180度に熱して、直径7センチくりゃいのホットケーキがぼこぼこに泡を吹いてきたらひっくり返して、しばらく待って、はい、まずは家主のハイネルしゃま、どーじょ!

「ありがとう」

 ハイネルしゃまには、バタァとハチミツね。見た目の凛々しさのわりに、実は甘いものダイスキなハイネルしゃま。デメールのケェキ屋しゃんとは遠いご親戚でもあるんだって。次々に焼けてきたのを、はい、にぃにぃ、次はふーみん、アメリカン、そちてうさにも。アムアム。

「おい、うさぎ」

 空のお皿をツンツンちながらハンサムしゃんがうさにご催促。うさはプンプン、知らんプリ。ふーみんがホットケーキの種をまた、プレートに流してゆきましの。気のきく弟子でしぃ。

「うさぎ、俺にもッ!」

 ふぅーんだ。ホットケーキを馬鹿にしたくしぇにぃ〜。毎日、オヤツ作ってあけているうさの苦労を分かってないでしネ!

 この研究室で、時間はハイネルしゃまとにぃにぃの、システム開発の進度に合わせて進んでいまし。午前中は二人とも、あちこちに連絡をとったり資料を整理ちたり、ハイネルしゃまのパパンの会社の研究室とオンライン会議をちたりで過ごしまし。だいたい正午にはそりが一段落ちて、お昼ご飯は、定時に食べれるけど。

 二人がそりぞりの開発に入っちゃうと。

 いつ、研究室という名前のお部屋、電磁波がいっぱいだからうさは入っちゃいけないよ、って言われてる、パソコンとかサーバーとか、そういう機械がいっぱいぱいの部屋から出てくるか、分からないのでし。

 つまり、お夕食は、何時になるか分からないの。

 んだから、お昼のオヤツの時間は大事なんでしぃ。ここで栄養を補給ちて、ハイネルしゃまとにぃにぃに一服ちてもらって、下男ズのすぐに空腹を訴える胃袋を、宥めておかなきゃ。

 新しいホットケェキが焼けまちた。ハイネルしゃまは、今度はバタァを塗って、チーズをまきまき。にぃにぃはイチゴのジャムしゃんでし。うぅーん、うさはアイスクリームを載せてみようカナ?

「……」

 ……あ。

 にぃにぃが、イチゴジャムを塗った自分のお皿と、ハンサムしゃんの空のお皿を取り替えた。

 よいちょ。うさうさ、にぃにぃに新しいのをのせてあげるネ。ぽてん。

「……ありがとう」

 えへへへへ。にぃにぃに、なでてもらいまちぃたよ!

 お耳を揺らしながら、うさうさはアイスクリーム載せたホットケーキを、あむあむ。

 ふぅ。98円のホットケーキミックス一袋と、卵と牛乳で、みんなお腹いっぱいになれてシアワシでしぃ。

「懐かしいなぁ。ミーが子供の頃、マザーがよく、こーやって焼いてくれたね」

 アメリカンが嬉しそうに言いまし。うん、うさも、うさうさもね、子供の頃、京ちゃんにこーやって焼いてもらったの。京ちゃんの姪っ子の志帆ちゃんと並んで、焼けたのをお皿にとってもらったの。

 プレート・やきやき・ホットケェキは、京ちゃんの味ぃ〜♪

「へぇ……。アニキ、した事ある?」

「お前がないのに俺がある訳ないだろう」

「史浩は?」

「一人っ子だったからな、俺は。ホットケーキは焼かれて皿に置かれて出て来た」

「ふーん」

 イチゴをあむあむ、ち終わったハンサムしゃん。うさは許してあげることにちて、新しいのを、お皿にぽとん。ねぇ、アイスクリームを挟んでもおいちぃでしよ。とけちゃう前に、急いであむあむ、ちなきゃいけないけど。

「出来たてって美味いなぁ」

 ふーみんは、焼きながら食べながら焼いてまし。うん、しょーでしね。アツアツをみんなで、アムアムシアワシでし。

 お夕食は、つみれ鍋でしの。お魚のすりみと、鶏のひき肉を、ねりねりちてあったかお鍋にしましょーね。おっきぃテーブルだとお鍋が各自から遠くなるから、今日はお夕食も台所でヨイでしか?

「結構だよ」

 ハイネルしゃまがゆいまちた。四枚食べて、シアワシしょーでしぃ。ミルクたっぷりカフェオレをのみのみ。にぃにぃもお紅茶を。ふーみんは緑茶。下男ズは、まだ食べ続けてまし。ま、いいけどね。

 うさはちっちゃいうさぎだから、二枚でオナカイッパイ。ミルクを、のみのみ。あぁ、シアワシ。

 後片付けはふーみんにお任せちて、うさはにぃにぃのお膝に、よじよじ。

 ……にぃにぃ、スキ、でしぃ……。

 

 

 

        ある日のうさ日記・オヤツとミルクとにぃにぃはママの味