うさうさ物語45・うさぎの日常

 

 

 こねこね・んちょ、んちょ。ぽてぽて、んちょ・んちょ。

 ふぅ〜、ちっと休憩。疲れちった。ぽてん。でも、うさがヨノナカの役に立てるの、嬉しいナ!

 あ、みなしゃまコンニチワ!かわゆいうさうさでぇし♪

 うさは今、新年を日本で過ごすために、用意をちていましの。

「おぅ、うさぎ、たくさん出来たなぁ!」

 あ、ハンサムしゃんだ。うん、いっぱい出来たでちょ?

 赤土を捏ねたのを、うさのオテテにつけて足跡を押した、特製色紙でし。

 こりにハンサムしゃんがサインを書けば、『F1レーサー・高橋啓介特製サインつきポストカード』の、完成〜♪本物の証明に、ナンと、『高橋啓介のペットのうさぎ・足型つき』なのぉ〜♪

 ま・ホントはうさ、にぃにぃのうさぎで、ハンサムしゃんのおペットぢゃないけど、一緒に何度もテレビに映ったから、世間には誤解さりていましぃの。

 んでね。

 ハンサムしゃんから、ファンサービス用のサイン色紙に協力を求められた時、最初、うさはお断り、まちまぃた。だってうさがカワイイのはにぃにぃのタメで、ハンサムしゃんのタメじゃないんだもーん。

 んでも、話を聞いて、うさ考え直しまちた。だってこのサインは、普通のファンサービスじゃないんだもん!

日本に帰国する前の、クリスマス前の最後のお仕事とちて、ハンサムしゃんは、交通遺児協会主催の、募金活動に参加、いたしまし。車のメーカーやレース関係者が協賛・後援ちていて、世界中から、人気者のレーサーやお車が集まるの。いっぱいイベントがあって、中には往年の人気レーサーしゃまが、『助手席にアナタを乗せてレース場を一周!』という企画があったり、いたしまし。

しょの売上はぜーんぶ、来年度の、交通遺児しゃんの奨学金に使われるんでしの。

ハンサムしゃんも、チームごとの参加で、日本円になおして一万円くりゃい、寄付ちてくりたシトとは、一緒に写真を撮って、ポートレイトつきのサインを、差し上げるんでしの。そりでね、オーナーしゃまから、うさにもご協力を、って言われたの〜♪

しょうゆうことなら、うさガンバルの。ハンサムしゃんがニコッと、百回、取り得のハンサムなお顔で笑えば、交通遺児しゃんが進学できるなんて凄いでしぃ〜!うさも力の限り、協力しゅるからネ!

「えっと、あとはナンか、オークションにかけて価値があるものかぁ。うーん」

 ハンサムしゃんが、お荷物を漁ってまし。ねぇねぇ、このパンツはどーでしか?真っ黒のビキニなパンツ、うけるかもちれましぇんよ?中身が入ってないから意味ないかなぁ?

「イベントの品位を損ねるモノは出品すんなって、オーナーに釘刺されてるだろ」

 あ、しょでしぃか。じゃんねん。うーん、困ったでしねぇ。んじゃ、しょのお時計は、どう?

「えー?これか?これ高いんだぜ?」

 高いからこしょ、価値があるんでちょ。しゃ、外して、はずちて。うさうさがおリボンつけてあげる。

「ちぇ……。まぁいいか、モノだかんな」

 パチン、って、金具を外してハンサムしゃんは、うさに腕時計を渡してくりまちた。あ、お、重い。重い時計でしぃ〜。こりもちかちて、金?!

「おぅ。金時計のダイヤモンド入りだぜ。買ったとき、15000ドルで、いまプレミアついて、20000くらい、いってんじゃーねーか?」

 きゃー!二百万円を、手首に巻いたマンマ、雪かきちたり、草刈ちたり、ちていたの?!

「んー。一応な。使わないと、どーせ税金にもって行かれんだしな。モノなら相続もごまかしやすいし。よし、じゃ、これチャリティ・オークションに出して、あとは……。そーだ、車出そう。どーせ日本にゃもって帰らないから、誰かにやるつもりだったし」

 え、お車を?!

「最近よく、新車もらうんだよな。シーズン中に一回でも、俺がハンドル握ってるトコがテレビに映りゃ宣伝費でモトとれると思ってるらしい。俺も出世したもんだぜ」

 なんだか、感慨深げなハンサムしゃん。うさはうさ耳に巻いていたおリボンをとって、腕時計に巻きつけまし。ふぅ、かわゆくリボンがつきまちた!

「世間様のお役に立てるよーになったのは、いいことだけどな……」

 うさをダッコちて、ハンサムしゃんが、お床にごろーん。うさはお腕の中で仰向けになって、一緒に天井を眺めまし。

「……アニキ、早く帰って来ないかなぁ……」

 うん。うさも今、ソリを思ってまちた。

 ふーみんと一緒に、にぃにぃは今日、朝からお出かけ。クリスマス前に、取引先の企業回りなのでし。うさとハンサムしゃんはお留守番。さみちぃ、でしネ。

「誰かさぁ、恵まれない俺らにアニキ、一日中、プレゼントしてくんねーかな」

 うん。にぃにぃに一日中、ぴたっとひっついていられる権利が、欲しい、でしぃ……。

「モノなんか、いんねーから、好きな人が欲しいよ、俺は」

 うさも、うさうさも〜!

「……、なぁ……」

 さみちぃうさとハンサムしゃんは、床暖房のお居間にぽてんと、転がって。

「アニキ帰って来たら、恵まれない子供たちに愛を、ってお願い、しような」

 ……うん。

 

 

 

 ある日のうさ日記・さみしがりの二人