うさうさ物語49・うさ罠の獲物
『ガラン、ガララン、ガラガラン』
……春の夜に、罠にかかった、ワルイシト。
『ガララン、ガララン、ガララララン』
ハンサムしゃんとにぃにぃのおベッドの、枕もとに置かれたバスケットの仲から、うさはもぞもぞ起き出して、音のしゅる方角へぽてぽて。深夜だっていうのに、うるさいなぁ、もぉー。
「すぅー」
そりでもおベッドの中でにぃにぃの寝息は乱れましぇん。さしゅがに、うさのにぃにぃは大物デシ。
廊下を何度も曲がってお台所へ。暗闇の中でも、うさは夜目がきくので、台所の中がよく見えまし。
「うぁー、ギャー、ひぃー、なんだこれぇー」
パジャマ姿のまま、お床に転がったハンサムしゃん。そちて、しょの全身に絡みつく、鈴つきの、網。
ちょっとハンサムしゃん、いま解いて上げるかりゃしょんなに暴れないで。近所迷惑でしヨ。
「うさ、うさうさ、お前かぁー!」
うん、罠を仕掛けたのはうさでし。勝手に冷蔵庫のドアを開けると、天井から網がふってくるように細工ちまちたの。ハンサムしゃんが居なかった昼間、罠の設置を手伝ってくりたのはふーみんと京ちゃんデシ。なかなか上手に出来マチタ。
「このヤローッ!」
ハンサムしゃん、そりはうさのコトバよ。しょこに座って、ちっと反省ちなしゃい。
今年もF1を走るんでちょ?F1の重量制限はドライバーの体重コミなんでちょ?ハンサムしゃんの体重は、いま何キロでしか?契約書の規定までに、あと何日で、何キロ落さなきゃいけないの?
「……、そりゃーよぉー」
はい、見て。ハンサムしゃんのチームのオーナーしゃまがくれた、このうさうさの、サングラス。
ハンサムしゃんのチームのロゴつき、このミラーのサングラスを掛けているとき、うさはハンサムしゃんのマネージャーうさぎ、でし。
カロリーブック片手に、ハンサムしゃんのダイエットのために、節食さちていましぃのでしヨ!
「わ、かってるよ。でもいきなりは厳しいぜ。腹が減って、眠れねーんだよ!」
気持ちは分かるけど、ねぇ、ハンサムしゃん。
ハンサムしゃんはもう昨日までの、うさとにぃにぃの運転手じゃなくて、プロレーサーでちょう?
プロしゃんには、ご苦労があるのでし。お金を貰うんでしぃかりゃ、あって当然でし。苦しいのもキツイのもうさ分かってまし。んでも、ガマンを、しゅるのでし!
今日の忍耐が明日の栄光へ繋がりマシ!
ガマンしゅる木に花が咲く、のでし!
「って、うさぎ。お前、なにもってんだよ」
ん?こり?
こりは、うさの、宝物のシャンパンでし。ハンサムしゃんにとられようよーに、背中にくくりつけて眠ってるの。婚約者の極北なきうさぎしゃまと会えたら、二羽で乾杯しゅるの。うふふふふ♪
「……誰にもらったんだよ?」
ん?ハンサムしゃんのチームの、オーナーしゃんでしよ!うさはハンサムしゃんじゃなく、チームに雇われたマネージャーだからネ!
「お前、俺を売ったんじゃねーか!」
なにゆってるの。うさはおちゃけか貰えてるんたった、オーナーしゃまはハンサムしゃんが痩せて嬉しい、ハンサムしゃんは減量が成功ちて、めでたしめでたし、でし!
「ちくしょー、ナンか食わせろー!」
ちょっとハンサムしゃん、いい歳ちて床で暴れないでよ。はずかちぃなぁ、もぉー!
しょうがないでしネ。んじゃ、スープを食べさせてあげまし。そりでガマンちて眠って、明日はしょの分、汗を流すでしヨ?
うさうさの簡単テヌキスープ・三種
1. レタスとハムとチーズをちょっとずつ、カップに入れる。コンソメの素を砕いて入れる。
2. 高菜漬けのせん切りとハム、ちょっとのお醤油とスープの素(もしくは味の素)をカップに入れる。
3. とろろ昆布を一掴み、けずり節とウメボシの欠片、お醤油をカップに入れる。
そりぞり、カップにジャーッとお湯を入れて、レンジで30秒チンちて、かきまぜれば、出来上がり!
もちろんスゥプは、じっくり煮込んだ本式の方が美味ちぃけど、しょんなこと言ってられない時もあるでちょう?
ドイツのお家で、夜までお仕事でオツカレなにぃにぃとふーみんに、うさはよく、このスープにパンやおにぎりを添えて、夜食にお出しちていたの。
時間がある時は、トリガラよりも手羽先のダシの方がおいちぃし、手羽先もあとで食べられるから便利でしのヨ。うふふ。
「あぁ……、美味い……。空の胃袋に染みるぜ……」
随喜の涙を流しながら、ハンサムしゃんがカップの中身を、大切そうに飲んで。
「……いい匂いがするな……」
あ、にぃにぃが、起きてこられまちた!
まっててにぃにぃ、しゅぐにうさ、あたらちぃのを、作るかりゃ〜♪
ある日のうさ日記・うさうさのスープおりおり