ある日のうさ日記・うさうさの責任。

 

 

 ふんふん、らんらん♪ごはんごはーん♪

「ほらよ、うさ。出来たぞ、運べ」

 わぁーい、ありがとぉ!朝からおゴチソウで、うさうれちぃナ♪

 スペインのバカンス前、うさは京ちゃんちぃに、一泊ちにキマチタ。ヨルゴハンには、お魚をいっぱい食べマチタ。鮎しゃんの田楽がとくにオイチカッタでし。おっきぃ落ち鮎をネ、軽く焼いてさましたモノに、味噌を塗りつけて焼きなおしてくりたノ。「田楽味噌」というモノがお店で売ってあるので、そりを買ってきて、京ちゃんが作ってくりたのデシ。

 甘辛い味噌って、なぜか白ワインにあいましの〜。うさうさ、とろーんと、とろけちゃいまちた。他にも、夏の日本らちく冷麺を作ってくりて、あと、ジャガイモと骨つき鶏肉のスープ煮を冷たくひやしたので、昨日は夕ゴハンでちた。ふきゅー。

 京ちゃんのゴハン、ダイスキぃ〜。

 いつもうさ、自分で作っているかりゃ、人様が作ってくりるゴハンが美味しいのでしぃ〜。

 そうちて、今朝のアサゴハンは。

 昨日、食べ切れなかったスズキの白身を、京ちゃんは軽く塩胡椒ちて冷蔵庫に入れていてくりマチタ。そりに片栗粉をまぶして、がーっと煮えたぎったおなべでサッと茹でて、氷水の中で冷やしマシ。ゼリーみたいな透明な膜が白身を覆って、プリンツルンの食感と塩味がおいちぃデシ。乾燥ワカメをもどしたモノの上に置いて、酢味噌をかけて、いただきまーし!

「こっちも食べとけ。豚肉はナツバテ予防になる」

 あ、はぁーい、ヨロコンデ!

 しゃぶしゃぶ用の薄切りの豚肉を、同じように塩胡椒ちてからカタクリ粉にまぶして、茹でて冷やしたのを、京ちゃんが台所から運んでくりマチタ。こっちもあっさり味でしのー。こっちは酢醤油で食べるでしー。

 夏はこんなゴハンがいいでしネ。うきゅ!

「フライトは何時だ?成田でいいんだな?」

 うん。成田空港に、13時、でし。

「ビミョウな時間だな。弁当作るか?」

 お願いしましぃの〜!

 最近の空港はおいちぃものいっぱいあるけど、でも、やっぱり色々、とっても高いでし。

 そりに、京ちゃんのお弁当が、一番おいちぃし。

「簡単なモンしかできねーぞ。握り飯とタマゴヤキと、鳥の唐揚げと野菜サラダくらいだ」

 ジューブンでし。あ、二人分ネ!

「分かってる。お前が一人でスペインまでは行けないからな。誰かくるんだろ?」

 うん。うさはうさぎだから、一人でスペインまでは行けましぇん。

 ちっかりちたシトに、ついて来てもらわないと、ネ!

 

 お弁当と、凍らせたペットボトルとともに、うさは京ちゃんの運転しゅるエボちゃんで成田へ。

 京ちゃん京ちゃん、駐車場は、こっちの方がヨイみたいでしヨ?

「あ?遠いぜ?」

 だって、無料巡回バス運行って書いてあるシ。

「お前、さてはバスに乗ってみたいんだな?」

 てへへ♪

 ……ねぇ、京ちゃん。

「ん?」

 京ちゃんのお仕事、最近はどうでしか?

「まぁなんとかやってるぜ。五万円以下の、『携帯手荷物』扱いできる中古車が最近、ロシアによく出てる。一頃はアジアに出荷してたもんだが、最近のアジアは新車か新中古の市場になってきた」

 ふぅん。オチゴト、たのちぃ?

「わりとな、好きだぜ。……どうした、急にそんなこと聞いて」

 うん。うさもネ、ハンサムしゃんのマネージャーというお仕事をちて、分かったノ。

 仕事をしゅるというコトは、社会に対して責任をモツというコトでしネ。

 うさがちゃんはハンサムしゃんの管理をちないと、みんな困るのデシ。

 でもネ、そりはうさにとって、イヤなことじゃないのに気付いたノ。

 社会の役に立てるヨロコビを感じてマシ!

「えらいじゃねぇか。ところでお前、給料貰ってんのか?」

 ううん。うさはうさぎだから、お金は使えないから。でも、代わりに別のモノを貰ってマシ。

「そうか。タイヘンだが、頑張れよ」

 うん!

 京ちゃんのお見事なハンドルさばきに従って、エボちゃんは流れるように、長期間向けの、空港からは遠い代わりに料金が安い、駐車場に停まりマシ。うさを抱いて、カギをかけて、巡回バスを待って、来たバスに乗って、空港のカウンターへ。

「マチアワセ場所、何処だ?」

 はい、京ちゃん、こりをカウンターに出してくだしゃい。

「ん?カードじゃねーか。ゴールドアメックス……。ナマイキだな……」

 苦笑しゅる京ちゃんデシ。うさうさが持ってるクレジット・カードはハンサムしゃんのモノで、金色、ピカピカなの。こりは魔法のカードなの。にぃにぃとふーみんに届けたい食料品もワインも、このカードを出せば世界中、何処からでも送る事ができるの!

「おいおい、ナニがお金は要らないだ。ものすごい高給取りだな」

 てへ♪

 カードを受け取ったおねいしゃんは、ニッコリ笑って。

「須藤京一さま、セビリアまでファーストクラス一名のご予約で、承っております」

「……あ?」

 ぱかん、としゅる京ちゃんを尻目に、うさうさはお耳を揺らしてお返事いたしまし。

 はい!マチガイごじゃいましぇん!

 しゃ、税関に行きまちょう。はい、こりがうさの検疫証明、こっちが京ちゃんのパスポートでし!

「お前、いつの間に……、ってーか、おい、俺にも仕事が!」

 はい、こっちは京ちゃんの会社から、出張命令書、デシ。

「は?ナニ?……マジかよ……」

 うん。

 うさうさの夏のボーナスに、チィムのオーナーしゃまが、ナンでも欲しいものをくりると仰ったノ。

 だからうさ、京ちゃんを、うさのボディーガードに欲しいデシと、お願いちまちたの。

 オーナーしゃまの母体企業と京ちゃんの会社は提携して国際市場で競争力を得てギョーセキを伸ばしているとか、うさはうさぎだから、むずかちぃことは、よく分からないケド。

 オーナーしゃまにオネガイしゅれば京ちゃんが届く、というコトはナンとなく分かるのデシ。

「……、お前……」

 しゃ、一緒にスペインに行こうネ。しょの前に免税店で、いっぱいお買い物まちまょ!

 欲しいモノがあったらナンでも買っていいでしヨ。魔法のカードが、ありましからネ!

「お前は……」

 らんらん♪うさぎの夏のバ・カーンス♪

 京ちゃんと、一緒のバカンス、うれちぃな!

「………お前……」

 えっと、あ、佃煮屋しゃんがあるー!

 買おうよ、京ちゃん。きっとにぃにぃ、日本食に餓えてマシ。乾麺のお蕎麦に、うどんも、いっぱい買ってネ。

にぃにぃ、この前、茶蕎麦を一人で、三把、あっという間に食べてマチタ。

「お前、だんだん……、飼い主に似てきてるぞ……」

 らんらん♪

 

 

 

          ある日のうさ日記・うさうさ、京一をシアワセにる責任を、果たす