うさうさのビデオ鑑賞

 

 

 うわぁーい、京ちゃーん♪

 うさうさはDのびでおを見るのがスキぃ。

 特に清二しゃんが負けてから、拓海君が京ちゃんに負けて、

 その後で、京ちゃんがにぃにぃに負けるとこ〜♪

 

 最強ですか?

 最強でし!

 タカハシリョウスケしゃんは、すとりぃとのカリスマでし!

 

「うさぎぃ、あのさぁ」

 あ、オハヨウ、ハンサムしゃん。

 お雑煮がありましよ。

 出汁に、お餅を入れて食べてくだしゃい。

「それ見んのヤメねぇか」

 なーんでーぇ。

 ア・ワカッタ。

 ジブンの出番がナイんら口惜しいんでし。

 がぁどれぇる、蹴ってるだけでしもんね。

 きしししし。

「……おいっ」

 キャーッ!

 怒った、怒った。ハンサムしゃんが、おーこった♪

 えへへ、捕まえられるでしか、うさをー?

「なにを騒いでる」

 あ、にぃにぃだ。オハヨウでしぃ。

 抱っこしてくだしゃーい。

「あはよう、うさぎ。あまり啓介をからかうなよ」

 はぁい。分かりまちた。うふふ。すりすり。

 にぃにぃ、だぁーいスキ。

「俺も、スキだよ」

 わぁい。リョウオモイでしねーッ。

 うさうさは、京ちゃんとにぃにぃが、ダーイスキッ。

「俺も」

「……俺は?」

 むむ。ハンサムしゃんのご機嫌が低気圧。

「俺のことは?」

 あ。

 にぃにぃが、チョット意地悪なお顔。どちたの?

 御返事、してあげないんでしか?

「……勝手にしろッ」

 ありり、御部屋を出て行った。

 着替えて、バタンって。

 コートも着ないでドコ行くの?

 ねぇ、にぃにぃ、追いかけなくっていいの?

 行っちゃったでしよ、ハンサムしゃん。

「いいんだよ、うさぎ」

 でもぉ……。

 居なくなったら、うさ、寂しいでしぃ……。

「うさぎは啓介が本当は好きなんだな」

 ……うん。

「俺もだよ」

 そりは、うさはよぉく、分かってましよ。

 お胸の音が、今、ことんことん。

 なんで意地悪、したでしか?

「時々、試したくなるんだ」

 ナニを?

「あいつがどれだけ、俺のことを好きか」

 ……しょんなの。

 見てれば分かりまし。

 アノシト、にぃにぃに、ゾッコンでしよ。

 にぃにぃも、分かってるでし?

「分かっていても、知りたくなるんだよ」

 ……しょうなの?

 もぅいい?

 うさ、お迎えに行ってきまし。

「もうちょっとお待ち」

 でも……。お外、寒いでしのにぃ。

「いいから、お待ち」

 ……うん。

 にぃにぃが、お雑煮のお出汁をあっため始めまちた。

 食べるの?

 ハンサムしゃんは?

 きっと寒くて、おなかすいてるでしよ?

「いいんだよ」

 ……でもぉ。

 うさ、どしたらいいでしか……?

 お玄関にうろうろ。にぃにぃの足元をうろうろ。

 シンパイでし。マイゴになったら、どうしよう。

 お玄関に、もう一回。

 ハンサムしゃあーん……。

 

 ガチャ。

 

 あ。

 ハンサムしゃんが帰ってキマチタ!

 うわぁい、お帰りなしゃあいー!

「アニキッ」

「なんだ?」

「鍵、返せよ車のッ」

 ちゃりん。

 キーホルダーをつきつけられて、にぃにぃ。

「座れ。餅が煮える」

「鍵だよ、車のキー」

「喰ったら、返してやるよ」

「……あんたいつ、隠したの」

「最初の日。お前が勝手に遠くに行かないように。

「……」

「初詣だろう?一緒に行こう」

「……」

「……」

「……」

「……」

 な、なんか、うさ。

 じ、ジャマジャマおじゃマムシ?

 うぇーん、どしまし。うさうさには、れぽぉとのギムが。

 いやでも、この、おピンクイロのラブラブ光線に、

 満ちた世界には耐えられましぇん。

 逃走!

「……アニキ」

「……けーすけ」

 みなしゃま、ゴメンなしゃーい!

 

 

 

ある日あの時、うさうさビデオ鑑賞を邪魔される。