うさうさの、函館・ひーちゃんを慕う旅行・その3


 交通標識と記憶を頼りに、お車は、なんと無事に五稜郭へ到着!記憶どおりの場所にちゃんと駐車場があって、お車をしょこにうんちょと乗り入れまし。うんちょ!
「やった、やったよ、にぃにぃ!」
 独りで感涙にむせぶナギしゃんは、同乗のFしゃまBしゃまに、
「はい、拍手!」
 と、パチパチを強要。うさも面倒くさいから一緒にパチパチ、ちまちいた。しょんでお決まりの、五稜郭タワーに上って、降りて、公園をお散歩、でし。タワーの中はひーちゃん一色でちた。ひーちゃんTシャツ、ひーちゃん葉書、もちろんひーちゃん饅頭にひーちゃんエンブレム。あっちを向いてもこっちを向いてもひーちゃん。
「……島田魁と榎本武明かな。明治後もひと悶着あったし」
 ぼそっと、凪しゃんが呟きまし。ナニガ?
「函館時代にフタマタかけていたとしたら。市村鉄之助もいいけど、エドロイ以上になる。十六歳×三十五歳だ」
 眉根を寄せつつ珍しく、ナニかを考えていると思ったらしょんなことでしが。ふっ。
 あ、Kらいしゃまが言ってた、「としちゃんの血」の赤ワインがあるヨ!
「それはニセモノだよ、うさ」
 え、え、でも、しょー書いてあるのに?
「あやつには血も涙もなかった筈だから」
 ……ふきゅ……。
 五稜郭公園へ向かって、おさんぽ、おさんぽ。
この頃にはお天気がかなり崩れてきて、風も強く、雨も激しく、でちた。きゃー、傘が飛んじゃうー!
「あぁ、一の橋だ!」
「土方さんが最後にわたった橋ですね」
「いろんな場面で戻れない橋を渡ってきた男だけど、ここが最後で、まだ戻ってない」
「騎馬でしたよね、指揮官だもん」
「たぶん」
 言いながらとことこ、三人は兵糧庫の裏へ。雨が強くて、ゆっくりは見れなかったケド。
「ここに埋めた、って証言があるんですよ。(史談会)イバハチの遺体と並べて」
「イバハチ?伊庭八郎?あの幕末江戸っ子代表の天下の色男と?」
「そう、二枚目の隻腕の剣士。江戸の有名道場のあととり息子で、顔よし腕よし頭よしの三拍子揃った男」
イバハチはうさも知ってるー!あんな若いハンサムと並んで眠ってるの?!山崎しゃんや沖田しゃんが怒るよ!うわー、最後の最後まで、ナンて心惑わせるヲトコでしか、ひーちゃん!
「生き方も死に方も死んだ後までドラマテイックですよねー」
「でも、ここ、ナンにもありませんね」
 兵糧庫裏の、松の生えた土饅頭。ただの地面、でし。
「トシちゃんもイバハチも、亡くなったのは落城秒読みの時で、色々、混乱していたでしょうし。司令官の遺体だからたぶん、五稜郭まで連れて帰ってきたとは思うんですけど」
「落城にはまだ何日かあったし、埋葬はしたでしょうねぇ」
「掘っても何も出なかった、っていう説もあるし、区画整理したときにあちこちから洋装の武士の遺体が出て大騒ぎになったっていう話も」
「イバハチの遺骨は遺族が掘り出して江戸に持って帰ったとも言いますよね」
「敗戦だし。下っ端の遺体は各地に散乱していたっていうし」
「碧血碑のところには、さすがに居ないと思うけど」
「とりあえず拝んでおきますか」
 う、うさうさも、オテテをあわせて、ナムナム。
「さて、六花亭でお菓子買って帰りますか」
 はきゃん、さーんせーい!

 六花亭のお菓子を買って、「ラッキーピエロ」のハンバーガーを買って、うさたちはホテルへ。おんもでは風が、嵐になってきまちた。ハンバーガー屋しゃんからの途中、うさうさは強風に飛ばされそう。うきゅーん! 「これって、明日、ヒコーキ飛ばないんじゃ……?」
 嫌な予感に震える三人とうさぎ。ちかち、心配ちていてもしょーがありましぇん。まずはお部屋で情報収集。明日、午後からは、本格的にヤバしょうでしぃ〜。
「もしもし、わたくし、JALツアーにて函館に滞在している者ですが」
 はっ、凪しゃんがいきなりコールセンターにお電話!ツアーだからヒコーキは本来、便の変更は出来ないんでし。が、今回は台風なので、ということで特別に、朝の出発便に変更ちてもらえまちたぁ!滞在が短くなっちゃうのは残念でしが、ちょーがないでしね。くっしゅん。
「さてでは、お土産を買いに行くよ!」
 うさうさ一行は再びお車に乗り込み、昨日、見つけておいたガソリンスタンドへ。あっちこっちにうろうろと、200キロ余りのドライブでちたが、ガソリンの給油は13リットル、お代金にして1800円。レンタカー代金が6000円なので、一人当たり、2600円のお旅行でごじろゃいまちた!
 江差の往復さえしなければ、函館市内の電車・バス一日乗車券が安いけど、開陽丸を見に行ったらーにちては、超安上がり、でし!  お買い物に来たのは、ベイサイドにあるおっきぃお土産屋しゃん。イカメシとか、ここで買うのが一番安いって教えてもらったの!おぉ、小サイズ三個入りのパックがみっつで1000円!これは買い占めなきゃ!
 他にも、紅鮭のこぶ巻きやトバという、いかにも左党の好きしょーなものが次々、凪しゃんの買い物籠に入りマシ。お会計を済ませて、うふふふふふふ!

 うさうさ、大興奮〜!
 こりから待ち合わせ、なの〜!
 四年来のうさのお友達・メル友のTしゃまが、駅前に来てくりているの!
 うさを撫でてくりるって仰ったの!
 うふふふふ。しょのために、うさうさは芸を磨いてきたのでし!
 らんらんらんらー♪マッテテTしゃま、今行くね!

「勝って兜の緒を締めよ、100里の道を往く者は九十九里をもって……」
 凪しゃんが、また、ブツブツ言い出しまちた。ナニ?
「ここから通りを一つ越えて、駅前に出てそのまま直進、左手に駅が見えたら通り過ぎて……」
 頭の中で一生懸命、ルートを確認ちているみたい。放置ちて、うさうさは毛並みをブラッシング♪

 まっててTしゃま!うさ、今から、Tしゃまに会いに行き、まあーし!