うさうさの、函館・ひーちゃんを慕う旅行・その4

 

 

 ナギしゃんは、なんとかヨタヨタ、レンタカーを無事に返しまちた。

 ありがとうね、サクランボ色のマーチ君。また函館に来たときはよろちくね!

 しょんで、しょのレンタカーやしゃんの駐車場前に、ちょこんと停まる軽自動車が、一台。

Tしゃま、Tしゃまー!!

 うさの四年越しのメル友・Tしゃまは、函館在住の京涼ひいき・アニウケの方、でしぃ〜。

 うさとナカヨシなの!こんな大風の中をわざわざ、駅前まで、うさに会いに来てくりたの!

「こんばんはー、はじめましてー!」

 きゃうきゅう、うさうさ、びよーん!Tしゃまあ〜!

「こんな天気になっちゃって残念でしたね。でも何処か行きたいところがあったら」

 案内してくりるの?ホント?

 あ、あのね、うさうさ、函館の夜景が見たいでしぃ〜!

 この風ではロープウェイが止まって、函館山から見るのはムリしょーでしが、噂に聞く、裏夜景、というものを!

「いいですよ。じゃあ農道に、カップルのデートを邪魔しに行きましょう!」

 ふきゃん!

 にぃにぃの歌声を(……)バックコーラスに、うさうさたちは、Tしゃまに、あちこち案内ちていただきまちた〜。

 函館裏夜景、回転寿司の函太郎(ぱぱっと四人で10皿、おやつに抓みまちた)、赤レンガの倉庫街、連絡船、しょんで、お山の中の、立待峠!白波たった海が見えましでし!

「天気がいいと漁火が見えてきれいなんですけどねぇ」

 い、いや、この強い雨風の中の、立待峠もなかなかデンジャラースで、しゅてきでし。でもうさとばされちゃう!ひゅいーん!

「さぁじゃあ、ホテルへ帰りますか」

 はぁーい、よろちくお願いいたし、まぁし♪

 お山の中の道は登り・下りの一本通行でちた。こんな道を通っていると、うさ故郷を思い出しましの。ううん、南国じゃなくて、京ちゃんのイロハ坂でし。暑くて寝苦しい夜はうさぎ小屋から木の枝にジャンプちてヨジヨジちて、いろはを登り下る京ちゃんたちのバトルを眺めたものでしぃ〜。

「明日、飛行機、飛ばなかったら呼び出してください。大沼に案内しますよ。万一の時はラブホに泊まっちゃえば安いし。函館は町のキャパが少ないからお盆のときなんか、家族で普通にラブホに泊まるんですよ〜」

 優しくユわりて、うさのココロは、しゅんごく楽になりまちた。

 ありがと、ありがとぉね、Tしゃま!

「噂のアニノロイにリアルで遭遇できて嬉しいです。……っ!」

 Tしゃまが、お車のブレーキを踏みまし。

「え、え、え、えぇっ!」

「な、なに?えーっ!」

 後部座席の、BしゃまFしゃまが声を上げまし。

 う、うさうさは、びっくりで息が止まりまちた。

 

 お道がふさがれていまし!

 

 山の斜面にへばりついた一通の細い道、右手は山肌、左側は断崖絶壁、しょの下は海。

 しょんなデンジャラース、な山道を、直径15センチほどの幹の木が、斜めに倒れて、道を塞いでましぃ〜!

「……すご……」

 Tしゃまはしょの時、車を棄てて麓まで歩くしかないな、と思わりていたしょーでし。登山口まではしょんなに距離が残ってましぇんでちた。徒歩でも二十分くらいだったカナ?暴風雨の中だから、もちっとかかったかもしりましぇん。

「……、うわぁー」

「はぁ……」

 後部座席では、お二人がため息。退くに退かれぬ田原坂ぁ〜。

 うさうさは、Tしゃまのお膝で、硬直。

 人間、ううん、うさはうさぎでしが、ホントの危機になると、脳が事態を理解しゅることを拒否するものでしの。

 と。

 ちょっと、凪しゃん。

「いや、うん。なんとか……」

 訳の分からないことを呟きつつ、凪しゃんが車から降りまちた。どーしゅるつもりなのよ〜!

 ……え?

 道の端っこに立って、屈んで、枝を持ち上げて。

 ……うきゅー!

 ナナメに進路を塞いでいた倒木が持ち上がったよ!

 156センチ、小柄でヨタヨタな凪しゃんでしが、バンザイちて思いっきり腕を頭上に持ち上げれば、軽が通り抜けるくらいの高さは、なんとか!

 ふきゅーん!!!!

 Tしゃまに目線で合図ちて(両手は使えなかったからネ)凪しゃんが進めとユってまし。(風雨で声は聞こえましぇんでちた)

 Tしゃまは用心しぃしぃ、お車を、ぶろろーん。

 うさがドキドキ振り向くと、凪しゃんがばさっと、枝を、地面に戻しているところでちた。

 うんちょ、と、道の端っこ、海側を、枝を踏みつけながら来て、お車に乗り込んで。

 

「はい、拍手」

 

 うきゅー!

うさうさ、ココロから、パチパチィ〜!

 後部座席からも、パチパチ。Tしゃまも、パチパチィ〜!

 欠点だらけのシトでしが、窮地における度胸だけは不足のない凪しゃん、でし!

「これくらいの風で倒れるのは枯れ木に決まってる。葉は青かったけど幹はスカスカで軽かった」

 でも、お道いっぱいにナナメにね、ホントに前途を塞いでいてね、幹の直径もけっこうあったしね。

「山道と台風には慣れてるよ。倒木処理の時、幹の下には絶対に入っちゃだめだよ。潰されて怪我するから。一応、通報しときましょうか」

 や、山道で倒木処理なんて、普通はちないでしぃ〜。

「ハセガワストアで焼き鳥弁当を買いたいです」

 しょんなワガママも、今回だけは許してあげまちょう。

 みんなを乗せて、お車は、ゴゥゴゴゥ!いえぇえーい!

 ホテルに帰ってお部屋の中で、いろんなことをお話しいたちまちた。うさは磨きぬいた芸・ウサバウアーを、ご披露いたちまちた♪うふ。Tしゃまにウケて嬉しかった、でし!

 イベントでリクエストちてくりたら、みなしゃまにご披露しましぃよ!うふふふ♪

 

 翌日、なんとかヒコーキは飛んで、うさうさたちは無事に南国に到着!

 函館はしゅんごくよいところでちた。今度はぜひ、ゆっくりと過ごしてみたい、でしぃ〜。

 

 しょんで、うさは帰ってから、「燃えよ剣」の下巻を読み返しマチタ。

 こりは小説で史実ではありましぇん。幕末で凪しゃんが一番ご贔屓の、斎藤一しゃんは、函館は行っていないちね。(会津戦争その他の敗戦で散り散りになった)

 でも、函館に行ってから読み返すと、地理が分かっているせいで、手に取るよーに、ひーちゃんの最後が感じられましの。

 ご冥福は、うさが祈らなくてもたぶん、自分でさっさと、成仏さりていると思うけど。

 うさもうさぎなりに、一生懸命、生きようと思いマチタ。

「新撰組にはマイナス評価も多いけどねー。時代を悟らなかったのは事実だし、幕府と薩長軍の戦いはイギリスとフランスの代理戦争って側面もある」

 しょーんなの、ひーちゃんの美貌に比べれば、些細な傷でし!

「でもそれを現代人が非難は出来ない。だまされてたのはどっちもで全員だ。戊辰戦争がアジア植民地戦争の余波だって正確に理解してたのは中核のほんの数人。毎日新聞もネットのニュースもなかった時代に世界を知れなかったのは本人のせいじゃない。これだけニュースで流れてても、カルト教壇だ振り込め詐欺だ、悪徳商法だ、って、被害が絶えないんだから」

 みんな、どーせ振り込むなら、にぃにぃのF1チームの口座に振り込んでね!

「やっぱり島田魁は外せないな。土方の戒名抱いて、余生を生きたんだから」

 Tしゃま、うさはまた、必ず函館に行きまし!

 またダッコ、ちてね!

 

 

      うさぎの函館旅行記・完