うさぎの極北・ヒットエンドラン!  しょのイチ

 

 

 みなしゃま、こんばんはぁー!

 みなしゃまに愛されるうさでし。ちっとお久しぶりでごじゃいまし。毎年のことでしが年度末近くになると我が家のアホは幽体離脱寸前、うさまでつられて慌しく過ごしてちまいまし。

 そうでなくとも、うさ春は忙しいのに。梅を見て菜の花を摘んで木蓮を見てサクラを見て、暖かくなってきたおんもに出て、太陽しゃんとコンニチワ、ちなければなりましぇん。菜の花は今年、いっぱい摘みに行ったよ!しょんでたくさん食べたし、人様にも食べてもらいまちた。うさの狩猟本能に付き合ってくだしゃった方々、ありがとぉでちた!

 しょんなこんなの南国でしが、新刊と言うサクラが散ったにも関わらず、実は極北へ行ってきまちいた。新刊の出なかった春コミを利用(?)ちた、一泊二日の弾丸日程デシ。

 今回の同行者は、大阪や函館旅行記でおなじみ岡山在住のいこまん、そちてうさ旅行記にはお初の登場、山口のAぢゃ子しゃま、でし。

Aぢゃ子しゃまはうさ画伯にちて写真家、数々の本の表紙を飾ってくりまちた。うさの似顔絵を描いてくりれば天下一品、この背景もかつてのAぢゃ子しゃまのケッサクなのでしぃ〜。

いこまんは北海道は二回目、札幌は初体験。Aぢゃ子しゃまは北海道初体験。しょんな二人を連れたうさはご案内さしぇていただく身として責任重大、でも頑張りましっ!

 

 3/13(金)の朝。

 岡山のいこまんとは新千歳空港で待ち合わせ。山口のAぢゃ子しゃまと福岡のうさは福岡空港に10時に集合。福岡空港に出発しゅる前に菜の花を摘みに行ったうさは待ち合わせの場所、第二ターミナル端っこのスカイマークカウンターの前で菜の花をせっせと揃えておりまちた。おかげでAぢゃ子しゃま、ちっとうさうさを見つけにくかったみたい。ごめんなしゃい。

「真っ赤の大きなスーツケース探してたのに、見つからなくて焦りましたー!」

 ごめんなしゃいAぢゃ子しゃま。明日、羽田からホテルにタクシーで移動しゅる時のために、うさスーツケースは持ってこなかったの。今回は旅行鞄を携えての参上でし。というかうちの凪しゃんは、イベントでもない限り旅支度が簡素なオンナでし。菜の花を新聞紙にくるんで旅行鞄に入れて、Aぢゃ子しゃま、あらためておはようごじゃいまし!

 一緒に旅行、久しぶりでしネ。凪しゃんは疲れてヨロヨロちているけどうさは元気だから心配ちないでね。Aぢゃ子しゃまの初・北海道旅行がいい思い出になるよう、うさは全力をかけて頑張りましから、ワガママをゆってね!

「頼りにしてるよ、うさっ!」

 と、ユわりて、てへてへへへへ。とりあえず、お買い物はごじゃいませんでしか?

「サツマイモのお菓子を買いたいです」

 ロイヤルのスイートポテトかな?

「ううん、各空港限定のレアケーキが、福岡空港には専門店ができて、そこでは各種のお味が買えるって書いてありました!」

 あ、しょうなのでしか。うさ知らなかったデシ。観光情報に疎い地元うさぎなのでし。ごめんなしゃい。地図を見てテクテク。あ、あったよ!

「いらっしゃいませ。試食をお切りいたします、どうぞ」

 売り場のおねいしゃんは親切でちた。きっとAぢゃ子しゃまに『買う買うオーラ』が出ていたからでし。かっぷけーきのよーな唐芋レアケーキ「ラブリー」を切っていただいて、ぱくっ!

 んっ、おいちぃ。おいちいでし!冷たくて甘さ控えめだけどムチッとちていて、とってもおいちぃよ!うさもコレいただきマシ!イチゴやチョコの種類があったけどうさはオーソドックスなものを。Aぢゃ子しゃまはチョコだったかなを買って、日本一お安いと評判の福岡空港ラウンジへ移動でし。

印刷代の語法日にオリコしゃんがくれたゴールドカードを手に、Aぢゃ子しゃまは牛乳をごくごく。うさはおコーヒーね!

「黒ラベルを」

 お願いします、と、うさの後ろで寝てるんだか起きてるんだか死んでいるんだか分からなかった凪しゃんが声を出しまちた。椅子にお座りちてごく、ごく。ぷはーぁ、と、一本あけあてやっと元気が出たみたい。うさはかまわずにAぢゃ子しゃまのお膝へ。えへへ。

 Aぢゃ子しゃま、行きたいところや食べたいものはありましぇんか?実は、いこまんにはクラーク像って言われたけどぼぉいずびぃの方は郊外で、北大のは胸像だけだからつまんないしで保留になったの。いこまんは、どこか行きたいところはあるかな?

「北大植物園がで、ヒグマの剥製を見たかったです……」

 あ、うん。あの何人もガオーって襲って、討ち取られてから解剖さりたあのヒグマしゃんでしネ。うう、動物好きのAぢゃ子しゃまは幼い頃の愛読書が椋鳩十という、凪しゃんとはでぃーぷな趣味で繋がった陳謝のオタ仲間、でし。

「札幌丘珠事件のヒグマですよね。新渡戸稲造博士が解剖した。わたしも見たかったです」

 びぃるで目覚めた凪しゃんが缶を握り締めながら心から悲しげに唸りまちた。

「ヒグマだけじゃない、エゾオオカミの貴重な剥製もあるんですよ。南極物語のタローも!」

「熊祭りのビデオなんかもあるんでしょう?」

「行きたかったですねー」

「見たかったですねー」

 ううーん。うさはヒグマもオオカミしゃんも怖いけど、タローしゃんにはちっと会いたかったな。北大植物園は12月に泊まった京王ぷらざホテルしゃっぽろの近く、札幌駅から徒歩十五分ほどの距離。なのに何故、二人がこんなに口惜しがっているかというと。

「冬季は閉鎖、なんて酷いですー」

「しくしく。おーいオイオイ」

「今度は行きましょう、夏にまた行きましょう!」

 まだ出発ちてもいないのに、来訪を誓い合う二人。うさはリンゴジュースをごく、ごく。

「うさ、早く家探しして『慟哭の谷』を見つけてね」

 Aぢゃ子しゃまに言われてうさうさは、ギクリ。しょの本は凪しやんの蔵書に確かにあるのでしが、現在、おうちの中で行方不明なのでし。大掃除ちて見つけてお貸ししましぃと、お約束ちたのはむ何ヶ月も前。ぎくぎく。

 おんもはちっと風が強いデシ。福岡の在来線には一時、運転見合わせも出てまちた。んでもなんとかヒコーキしゃんは定時運行の様子。うさはぬいぐるみのフリをちてスルー、凪しゃんとAぢゃ子しゃんはぴっ!とちてウェブチェックイン。くるりとひっくり返した、裏は。

「あっ、ワタシ、クォーターパウンダーですっ!」

 凪しゃんが喜びまちた。よかったね、こりで一食生き延びられましヨ。Aぢゃ子しゃまはおコーヒーでじゃんねん。

 ヒコーキに乗り込んでうさたちは一路、極北へ進路をとったのでちた!

 

 

 

 二人と一羽が到着ちたのは1310分。ヒコーキの中から眺めた北の台地はモノクロで雪に包まれてまちた。菜の花が咲き乱れる南国から来たうさたちにはびっくりでしぃ〜。

「きゃー、きゃー、きゃーっ!」

 Aぢゃ子しゃまは大興奮。パシャパシャ、カメラで各所を撮影ちておらりまし。Aぢゃ子しゃま見て、新千歳空港名物・水槽の魚たちでしよー。このアブラビレが鮭しゃんの仲間の証明で、美味しいという証拠なんでしの。うふふ。

「きゃーっ!」

 荷物を引き取り、うさたちはANAの到着のロビーへ移動いたしまし。おなかすいたでしね……。うさ、ひもじぃでしぃ……。マンマ食べたいの……。

 いこまんと合流たちら、しゅぐまんま食べに行くでしーっ!

 いこまんのヒコーキも無事に到着。うさたちとは15分ほどの違いでちた。Aぢゃ子しゃまの腕の中からいこまんにぎゅーっ!こんにちはでしっ!1月の大阪以来でしが、お元気でちぃたか?

「こんにちは!」

 相変わらずのキレイなおねーしゃまオーラを纏いつつ、晴れの国の人妻は微笑まれまちた。Aぢゃ子しゃまといこまんは旧知とゆっていい仲でし。何度もうさの巣穴で合宿ちたし、旅行も一緒に行きまちた♪ああ、本当はちゃんとお家を片付けて、お客様をお招きできるよーにちなきゃ。

「おなかすきましたね」

「ええ、とても」

 うふ、分かっておりましとも、二人とも!しゃあこの、うさの、揺れるお耳について来てくだしゃーいっ!

「何処に行くの、うさちゃん?」

 新千歳空港で空腹、とゆえば、目指す場所は決まっておりましの、でしーっ!