お買い物を終えた車内で。

「トーモロコシ、召し上がりませんか?」

 夏だというのに絶好調胃袋になった凪しゃんが言い出しまし。ま・極北の気温はうさたちにとって、すでに食欲の秋でしから。Sしゃまとくましゃん、Yしゃまにはお持ち帰りちてもらって、Mらしゃまとはぐはぐ、お車を汚さないよう気をつけながら、むしゃむしゃ。この為に袋を分けていた我が家の凪しゃん、食べ物に関しては用意周到なシトでし。生の茹でたてトーモロコシ、おいちぃなあ。今流行の白トーモロコシ、普通の黄色いのだけど、皮が薄くって柔らかいでしよ!

「穀物にはうるちともちがあって」

 ぷ?

「米にも麦にも、トーモロコシにもある。黄色いスイートコーンはうるち種で、それを好む民族と、白っぽいもちきびを好む民族とに別れる。日本の過渡期はほぼ大正時代、井上靖の『しろばんば』の中に、もちきびからスイートコーンへと移行する状況が……」

 うんちくババアの凪しゃんは放って、ねぇMらしゃま、とってもおいちぃね!

「そうですね。甘くて皮が柔らかいです」

 うさは一生懸命、食べまちた。おいちかった。そりから、ロイズに行ってもらって、六花亭へ寄ってもらって。

「生チョコクロワッサン、バナナパン、生チョコレートのシャンパン」

「六花の露、アーモンドチョコ、マルセイバターサンド、チョコポテト」

 などなど、お気に入りとお土産を買い込み。

「気は済んだガウ?」

 うん、とっても!ありがとう、クマしゃん!

「今日のお宿はどちらですか?」

 優しく聞いてくりるSしゃまに、うさうさはお答え。あのね、北○道第一ホテルサッポロというところデシ。地下鉄南北線の北24条の駅のお向かいで、新千歳空港へ行く高速バスが出るバスセンターの殆どお隣という素晴らしい立地なの。そりでいて一泊素泊まり3000円とちょっと。ゆっくりホテルで過ごせない日は安いビジネスを漁るのがうさうさの旅のシタイルでし。

「では。ホテルの前まで送るガウ」

 ありがとうクマしゃん!

 途中でYしゃまをお住まいの前までお送りちて、Mらしゃまと一緒にホテルの前で降りまし。Mらしゃまは地下鉄に乗ってしょこから旭川へ。バイバイ、Mらしゃま。旭『山』動物園のシロクマクしゃんたちによろちくね!

 バイバイをちて、チェックインちた時間は五時前、くらいデシ。日曜日だからお客さんが少ないらちく、角部屋を貰えマチタ。

 まずは生ものを冷蔵庫になおしマシ。そりからテーブルの上に、今日のマンマを並べるデシ。メロンしゃんが大きくて大変だったけど、ここの冷蔵庫は大きめだからなんとかなったよ!で、でも、ワインが入らないでしぃ〜。仕方ない、氷を貰って洗面台にざらっと撒いて、どぽん。

 お風呂に入って、浴衣に着替えて、もうおんもに出る気のない凪しゃんとうさうさはベッドに転がって、ふぅ、まったりぃ〜。ちょっとネンネちまちょうか。ああ、シアワシ。明日のヒコーキは1130分の千歳空港発だから、9時の高速バスに乗れば余裕でしね!

「ううん、830分のバスに乗るよ」

 おろ?どちたの。早起きしゅる気になっちゃって。

「佐藤水産の海鮮おにぎりの搬入が1030分だ。10時には空港に着いて、予約しておきたい」

 あ、しょーでちた。大事な用を、忘れるところでちた!ここから空港までは高速バスで約1時間ちょっと。だけど、バスだから遅れるかもしれないし、売り切りれたら悲しいから!ラウンジでリンゴジュースも飲まなきゃならないし、ふぅ、なかなか忙しいうさたち、デシ。

 おなかがすくまでまったりゆったり、ちょっとネムネムちたりちたうさたちは、夜になってから佐藤水産で買ってきたイクラとハラスのお握りと、鮭の白子のザンギを食べワインを飲み、デザートに生チョコクロワッサンを食べ、テレビをゆっくりと見マチタ。凪しゃんとうさは日ごろ、テレビを殆ど見ないからなんだか新鮮〜。ネットでニュースは見ているけど、オタク関係もパソコンでDVDを見るばっかりだからなぁ。

「イマドキの投資は、値上がり益(キャピタルゲイン)はゼロ、若しくはマイナスの覚悟をしなきゃならない。利回り収益(インカムゲイン)を基準に現物現金主義で動くと、どうしても不動産投資になる」

 経済ニュースを見ながら、そんなタワゴトを呟くのが好きな我が家のアホを、うさうさは、ムシムシ。「ブラックマンデーは来る。来るけどいまさら、もう何が出来る。生活費を現金で持っておくことくらいしか防衛手段はない。……、原油に廻ってた世界資本が、アジアの不動産に来ないかな……。JR西日本の株が欲しい。ドル85円になったら」

 寝言をほざく凪しゃんに蹴られないよう、うさうさは机の下にバスタオルを引っ張り込んで丸まって、お休みなしゃい、でし。……すぅ。

 

 

 翌朝。

 うさは、甘い匂いに誘われて目覚めまちた。

 ……ん?

 朝風呂をちたと思しき凪しゃんが、ナニかちていまし。なに、ちているのかな。どーしぇろくでもないけど。ん?

 うさがうっすら目を開けてみると凪しゃんは、冷蔵庫から取り出した巨大メロンしゃんの種をスプーンでえぐりとって、お買い物袋の中へ捨てているところデチタ。見かけによらずアウトドアなこのシトのスーツケースには、割り箸、スプーン、ナイフにフォーク、ティーバッグ、なんかが標準装備ちてありまし。ああ、朝ごはんに、メロンを食べるんでしぃのね……。あのメロンしゃんは頭が切り落としてあったから、種を外せばしょのまま食べれましね。凪しゃんとうさうさは田舎の子だから果物を水洗いはしましぇん。メロンうさにも残しておいて、ね……。

 ……ん?

 なんか、しゃんごく、いい、ニオイ……。

 お寝坊うさうさが、頑張って目をあけると、しょこには。

 自分の頭より大きなメロンを抱え込み、種を除いた窪みに、ワインを、注いだ凪しゃんが……!

「みぃたぁ、なぁ〜」

 お、おおおおお、おお、おッ!

 メロンまるっと(ほぼ)一玉の、ワイン注ぎ食い。

 なんて、なんてなんて、なーんてーッ!

 王侯貴族のような、贅沢、をーッ!!!

 うーさーにーもーッ!

 机の下のバスタオルの中から飛び出したうさと凪しゃんは、たいへん醜い争いを繰り広げ、マチタ。

 

 

 優雅なメニューの朝食を、まったく優雅でなく食べて、凪しゃんとうさうさはホテルを出まちた。時刻は820分。そりから徒歩1分かからない、角を曲がればしょこにあるバスセンターへ、よいちょ。よいお天気で、バスも飛行機も定時運行でし。うさ、なきうさしゃまに、おはようとさようならメールを入れておこう。ピッピッピッ。

 なきうさしゃまは気をつけてねと言ってくりまちた。んでも、うさと凪しゃんがあのメロンをどーちたのか心配ちてくりていまちた。てへ。王侯貴族のよーに贅沢に食べまちたよ!

 道の途中でリンゴが成っている木をみつけて、うさと凪しゃんは激写!うきゅん、しゅてきぃ〜。

 新札幌空港まで一時間と少しの旅を終え、凪しゃんとうさうさはスーツケースを引っ張って、荷物をカウンターに預けまちた。そりでも相変わらず、足音は『がっちゃん、がっちゃん』でし。

 北○道ワインは宅急便で南のおうちに送ったんでしが、ニッカウィスキーで買ったのは凪しゃんのバッグに入っているの。アップルワインが二本と限定の鶴沼ウィスキー(68度)のミニボトルが一本。そりにサッポロクラシックビール。要冷蔵のチョコやサーモンはクーラーバッグに入れてスーツケースの中だから、後は、てくてく、佐藤水産へ〜。

 佐藤水産のおにぎり売り場に到着ちたのは10時くりゃい。もちろんカウンターには『売り切れ』の札がさがってまし。待つことシバシ、ガラガラを押して配送のおにーちゃんが、バットを何重にも重ねて運んできまちぃた!

 あの、しょみましぇん!ミックスおにぎりを三個くだしゃい!イッコはお土産、イッコはお昼ゴハン、イッコは夜ゴハンにいたしましの。うふふ。

 工場では一個330円くりゃいのおにぎり、空港で買うと380円。ま・しょーがないでしね。ちなみに後日、福岡のデパートに出展ちていた実演のおにぎりは、なんと440円でちた。きゅ、きゅー!

 次に行くのは、「さつまあげ」のお店、「かま栄」デシ。うさぎの住む場所では魚のすり身を油で揚げたモノのことを「てんぷら」って言うのでしが、皆しゃまのどころではどーかちらら。エビや野菜のてんぷらは、「エビ天」「野菜天」「ゴボウ天」「イモ天」と呼びまし。あ、そりは全国共通?

 極北ではすり身のてんぷらをナンと呼ぶのかしら。やっぱりさつまあげでしか?ともかく、ここの『てんぷら』、しゅんごくおいちぃのデシ。「かま栄」は小樽が本拠地なんだって。Sしゃまが教えてくりまちた。今度、しょこへ連れて行ってもらえるの。うふ、うふふ。

 イカの混じったすり身が80円、とうふ天が120円とか、いろんな種類がありまし。春には菜の花がありまちた。今回はすたんだぁどなイカと、季節のトーモロコシをお願いいたしまし!うふふふふ。

 お握りと『てんぷら』はお昼を過ぎてから食べることにちて、とりあえず四階のラウンジへ。こんにちは、うさたちを休憩さしぇてくだしゃい!景色を見ながらまったりと、おいちぃリンゴジュースを傾けるうさ。新聞や雑誌もありまし。お新聞を読んで、11時くりゃいまで休憩ちて、出発階へ降りていくと、しょこには。

「花畑牧場の生キャラメルはこちらになっております。お一人さま三個までです!保冷材等をご希望の方は……!」

 おっ、五月の函館で、いこまんが買えなかった生キャラメルでしよ、凪しゃん!

「……」

 凪しゃんはちらりと流し見まちたが、素通りいたちまちた。行列に並ぶのはイベント会場で、イエス上官本を買うのだけで十分なのでしょう。某国鉄の擬人化本シリィズがうさぎの仲間では大流行中。うさたちはそりを、イエス上官本と呼んでまし。凪しゃんがしょう呼んでいるからデシ。JR東海しゃんと西武しゃんが凪しゃんのお気に入りなの。『ナニモノかへの忠誠』を胸に抱いてる一途さがしゅてきデシ。やっぱりヒトはミズカラをアツク語れないとね!ひぃるだというにぃにぃも、最後の剣だというひーちゃんも、日本の中心であることを自負する東海しゃんも、みんなみんな、とってもシュテキ、でしっ! 

 搭乗口をくぐるとき、凪しゃんのバッグからは瓶が触れ合う音が響きまちた。割れ物でーす、という声を掛けられながら荷物と身体の検査をちてもらって、うさと凪しゃんは出発口内部へ。ここでじゃがバターを買って最後のお買い物を……、あり?

 あ、りり?

 こり、花畑牧場の生キャラメル、でしよネ?

 お一人様三顧まで、っていう注意書きはあるものの、搭乗口を越えた内部の売り場では、あの大行列だった生キャラメル、普通に売っておりまちた!

「……」

 あ、凪しゃんが買ったよ!JAL系列売り場のぶるぅすかいなので一割引でし。一箱八百円。三個買って、保冷材をつけて、てへ。いこまんにお土産でし!喜んでくりるかちら。えへへへへへ。

 ヒコーキは時間通りに旅立って、うさと凪しゃんを福岡へ連れて行ってくりまちた。

 今回もとっても楽しい旅で、うさうさはシアワシ。みなしゃまに心からの感謝を胸に抱きながら、うさは極北の海の幸山の幸を抱いて、南に帰りまちた。

 

 

 しょちて。

 12/612/8、また、再び、極北へ旅立ちマシ。

 今度は色白腹黒売り子にちて愛称をトラしゃんという、売り子Hしゃまと一緒、デシ。

 JALのバーゲンツアー、福岡発の新千歳の往復のヒコーキに、札幌駅から徒歩五分の京王プラザホテルでの朝食つき二泊(ランチに変更可)、キリンビール園でのお寿司五貫と生ラム食べ放題に、大倉山でのラムステーキディナーセット、ブルースカイで使える1000円のお買い物チケットまでついて40800円、という、たいへんにお買い得なツアーを、凪しゃんがゲットいたちまちた。

 二泊三日ちかちないのに、ラムラムの二食と朝食が二度ついて、お昼の一度は佐藤水産だし、もう一度は到着ちた空港で『ユック』だろうち、ああ、またちても、お土産以外にお金を使わないたびになりしょう、デシぃ〜。

 でもうさ、久しぶりに極北のラーメンも食べたいデシ。冬場の濃いミルクで作った、「みるく村」のアイスにブランデーを垂らして食べたいし、ああ、今から、お耳を抱えるうさうさぎ、でしのー。

「……初日の昼に食べ放題するか……」

 同じく悩む凪しゃんが呟きマシ。そーちてもいいけど、しょちたらお昼が14時くりゃいになっちゃいましぃよね?うさはいいけどトラしゃんは大丈夫?うさうさ、お腹が空いたトラしゃんにお耳を齧られたりちない?

「……」

 頭を抱える凪しゃんのモトへ、さらになやまちぃ話が!

「うちの父が、凪さんと二人ならススキノのあのおすし屋さんで食べておいでって言ってます。パパカードで」

 去年の秋、お金持ちっぽいおじしゃまにお酒をおご馳走ちてもらって尚、二人で二万円に限りなく近い金額を食べつくしたあのおすし屋。お酒もマンマもおいちくって、思わず飲みすぎて、しょのままホテルで潰れてちまった、あのおすし屋。ワタジュンのお話をちながらタラを焼いていただいた、あのおすし屋しゃん?行きたーい!

 でも、申し訳なくないかなぁ。またきっと凪しゃんは遠慮も知らずに飲み食いいたしましヨ。まあ、多分パパしゃまがしょう仰ってくだしゃるのは、地元に帰ってきたHしゃまに半年間の就職をご紹介ちたから、だと思いましが。ふきゅ。ごく限られた世界ではちっとだけほんの少し、甲斐性があるよーなないよーな、我が家の凪しゃんデシ。

「一日目は昼にジンギス食べ放題、夜に寿司、夜食にラーメン。二日目は朝はブッフェ、昼は佐藤水産、夜はラムカットステーキ、夜食にみるく村、三日目は朝はブッフェ、昼は空港のユック」

 凪しゃん、そりナンていうトライアストロンゲェム?

「食べ物は感謝していただきたい……」

 量は食べるけど回数は少ない、平日は一日一食の凪しゃんと、うさぎのうさうさは頭を抱えておりまし。(現在進行形)。

 冬のサッポロうさうさ旅行記も、みなしゃまおタノチミに、でしっ!