うさぎの極北爆走の記録・しょの4

 

 

 ふかふか新雪を蹴散らして、クマしゃん運転のエボ君は北国のお道を疾走ちてゆきまし。替えたばかりの冬用タイヤしゃんは地面にガッチリと喰いつき、ギュギュギュ、っと、しゅばらちぃターンを見せてくりましの。しゅてきぃー!

 でもね、うさ、不思議なの。今は昼間だけど、夜、雪が降ると極北では何も見えなくなりましよネ。お車の中でホワイト・アウト。横も前も後ろも見えないのに、あれどーやって走っているのでしか?

「勘、ガウ。前の車のテールランプを頼りに、見失わないよう、でも追突しないよう気をつけながら走るガウ。路面が凍っている時はブレーキをかけたら気持ちよくドリフトするガウ。そんな時は信号でも無視して行くガウ」

 じ、事故るんじゃ?

「周囲をよく見て、徐行したりよけたり。見知らぬもの同士のアイミタガイ、超直感を働かせるガウ!」

 どこでも最後は神頼みなのでしね。ふきゅー!

「と、といれ……」

 トラしゃんがフルフルちていまし。トラしゃんは北○道ワインしゃんを出るときに一度、お手洗いには行かれているのでしが、なにせ半端ない量を飲んだうさたち。既に試飲というより鯨飲でしからねぇ。腎炎を煩ったこともあるほどトイレに行かない凪しゃんが、珍しく『ちー』しに行ったくらいでしもの。トラしゃんの体内では今、アルコールが水と炭酸ガスとアセトアルデヒドに分解さりているでちょう。ふぅ〜。

 確か前回も、トラしゃんは小樽〜札幌間の30分、ふるふるちていまちたねぇ。しょんで六花亭に着くなりお手洗いに飛び込んだんでちたねぇ。今回もそりで大丈夫?

「……、ムリです」

「クマ、急いで差し上げるように」

「ガウ」

 クマしゃんはやさちぃ殿方でし。アクセルを踏み込んで見事なハンドル操作を見せてくりまちた。しゅてきぃ!

「あ」

 しゅて……、あり?

「道を間違えたガウ」

 クマしゃんの名誉の為にユっておきまし。間違えたのではなく、いつもの抜け道が冬季には閉鎖さりてちまうのでし。山肌を下り降りるから。

「このっ!」

「あうっ、ごめんなしゃいガウ」

「と、トイレ……!」

 笑ってはいけない、と思いつつ、うさはうふふと笑ってちまいまちた。エボ君はぐいぐいと雪山を降りてくりて、そちて。

「も、もうすぐガウよ、頑張るガウ!」

 ざざーっと、コンビにの駐車場に滑り込んでくりるエボ君。

「ありがとうございました!」

 脱兎、というか、千里を往き千里を復るというイキオイで飛び出すトラしゃん。

「一応ついていってきまーす」

 と言う凪しゃんとともに、うさもぽん、とおんもに出て、雪の上をぽてぽて。冷たいけど気持ちいいでしぃ〜。開放感いっぱい、シアワセなお顔でトラしゃんは出てきまちた。

「それでは、行くガウ。まずは六花亭ガウ」

 小樽から札幌に帰る途中、いつも連れて行ってもらう六花亭には、おコーヒーが無料で飲めるコーナーがあるのでし。お店に入るなり凪しゃんはショーケースに直行。

「チーズケーキを一つ下さい。カフェブースでいただきます」

 しょちて注文。分かりました、と、お店のシトは言ってくりまちた。無料サービスのコーヒーを注いで四人がけのテーブルにさっさと座る凪しゃんデシ。マイペースなシトでし。うさはトラしゃんとSしゃまとお店を徘徊〜。ご家庭用のマルセイのバターササンドをくだしゃいな。サクラしゃまがね、うさにお土産だよ、って六花の露をくだしゃいまちぃたの。うれちぃ……。

 みんなで揃って、カフェでお茶をいただきまし。テーブルの上にはソフトクリームのご案内がありまちた。わお!

北国のそふとくりーむ・そむりえ・Sしゃまが「バニラはここが一番美味しい」と仰るソフトクリーム、カップで250円、しょの名も『まじりっけなしのソフトクリーム』、あっさりちているけどミルク濃厚で、ふんわりだけどキュッと引き締まった、おいちしゃ……。カップだから大量に入っているし、ココアの風味たっぷりのクッキーが二枚も突っ込まれていて、おぉい、ちーぃ!

注文ちていないうさがこんなに詳しいのは、トラしゃんのを横からちっと頂いたからでし。てへ。ちかも、「クッキー二枚お乗せしましょうか?」と尋ねられて、はいっとお願いちたから二枚のっていたの。ああ、極北のシトたちはみな気前がよいでしぃ〜。

うさ、うっとり……。

「……」

 協調性のない凪しゃんがもぐもぐと一人で食べているベークドチーズケーキも、どりどり。あぁ、相変わらず、ちぃずがよく効いてまし。なんと申しましか、チーズのキメがアライというと悪い評価のよーでしがそうではなく、あらびきソーセージのような感じで美味しさの歯ごたえが残っているとゆいましかねぇ。ま・とにかく、自分からは甘いものをあれこれと食べたがらない我が家のアホウがここのはむさぼるので、しょういう種類のお味でし。ふぅ〜。

 ゆっくり休憩、おコーヒーをごくごく。ああおいちぃ。しょちてシアワシぃ。飲みつくしたワインがゆっくり、うさの毛皮の下に行き渡ってゆきましの。ますますツヤツヤのふかふかうさぎになる、うさでし。

「北海道をダイスキでよく行っている会社の人と」

 食べ終えて落ち着いたのか、ふーっと息をつきながら、我が家のアホがやっと口を食べること以外に使いまちた。

「六花亭の話になったんですけど、六花亭ファンというその方は、アイスもシフォンケーキもご存知なかったんですよ」

 ああ、シフォンケーキ。イッコ500円で、日持ちがちないけどおいちくて、季節限定最後のオレンジを、某・Yらしゃまに先に奪われてしまったことがある、あの運命のシフォンケーキ。ありって五年くりゃい前だったかな?Yらしゃまはもとヨット(ティンギー)の選手らしくきびきびちたお方でしから、ヨタヨタの凪しゃんとフラフラのうさはよく、先を越されるのでし。

 しょうちてうさ、コーヒーのお代わり(三杯目)(ちゃんとドリップのレギュラーコーヒーがセルフで置いてありまし)を、ふーふーちながら思いまちた。うさはシアワシなうさぎなんだなぁ、って。駅や空港には売店ちかないから、旅行で行くシトは知らなくて当たり前なんでしよね。ふつうの観光客しゃんは、こんなゆったりした喫茶スペースがある路面店にはたどり着けないから……。函館の六花亭は例外で五稜郭のそばに喫茶部を持っていましが、すごい混雑だし。

 函館と言うと、ウサトモのTしゃまのおかげで、裏夜景とか、ひーちゃんのお寺とか、好き放題に見れたし。

 いつもありがとうでし、クマしゃん、エボくん、そして飼い主のSしゃま。

「ガウ。それでは、ロイズに行くガウ」

 トラしゃんと同じくソフトクリームを美味しくぱくぱくちたクマしゃんが、再びお道を爆走ちて連れて行ってくりたロイズ。ここもパン工房を併設しゅる工場直営店。どきどき、うさは入り口から入ってしゅぐの保冷ケースへ。

 あ。

 ああああああ!

 ああー、あぁああぁぁぁああぁーん!

 

 あ・り・ま・ち・た!

 

 直営店バンザイ、工場バンザイ、エボ君バンザイ!

 通販で『あっ』という間に売り切れていた限定生チョコレートの、『キール』がっ!

 あーったあった、あーりまちぃたぁー!

 ちかも賞味期限は1/3。ということは、こりは12/4の製造デシ。本日は12/7。やっぱり直営店は強いなぁ〜。

 キールの生チョコを買って、同じく生チョコの『山崎』も買って。うふふ、この山崎はジミー君じゃない、サントリー山崎のことでぇし!おいちぃ、のーっ!

 他にも色々とお買い物。焼き菓子もここのとってもおいちぃしネ。チョコポテトチップスをしょごくしゅきなおトモダチのために一箱ぉ〜。お会計ちてくだしゃいな、ふぅ〜。

「うーん、もちもちぃ」

 トラしゃんがパンを試食ちて喜んでまし。どり、うさうさも白玉パンを、ぱくっ!うん、パン生地の小麦の味がおいちぃね。うさのうさ穴の近くには『ふるふる』っていうパン屋しゃんがあってそこもおいちぃんだけど、こちらもなかなか。あむ、あむ。

 お土産を買って、うさうさはランラン。お車でしょのままホテルへ連れて帰ってくりまちた。でもしゅぐ夜ご飯で、あんまりゆっくりは出来なかったけど、ちょっとだけでもお話しできて嬉しかったデシ。

「ガウ」

 はい、クマしゃん、こり貰ってくだしやいな。今日食べなかった、ホテルの朝ごはんのチケットデシ。お昼のブッフェで使えるから、たくさん食べて冬眠のタシにちてね!

 そりとね、今日の夜ゴハンにどうじょ!キ○ンビール園のラム食べ放題のチケットデシ。うさたち、明日も朝寝坊しゅるの。そちてブランチを食べるから、この朝食券は無駄になってちまうのデシ。

 ビール園へお車で行くクマしゃんたちとはホテルでバイバイちて、うさ一行は18時に、『ラムダイニング大倉山』へ出発。ススキノのホテル東急インに1840分に送迎車が来るので、まじゅは地下鉄に乗るべく札幌駅へ、てくてく。ホテルの前の交差点には、足つきの、郵便ポストをちっちゃくちたようなのが設置さりていまし。しょの中には滑り止めの砂の袋が入れてあって、朝、凍りついた道を最初に歩くシトたちはこの砂を撒きながら歩くのデシ。一度やってみたいなぁ。でも、しょんなに早起きをしゅることが、うさの人生であるかなぁ?

地下鉄にのんのちて昨日も使った4番出口で出て、昨日とは反対方向へ歩きまし。徒歩1分。

 ああ、なんだかうさ、ススキノに詳しくなっていく気がするの。いつの日かこのススキノで、なきうさしゃまとニンジン・バーを開こうかな。つきだしは玄界灘のサバの昆布締め、前菜は玄界灘の鯛のカルパッチョ、メインは真っ赤な博多人参をまるっと一本、デザートは南国では線路わきに落ちているミカン。どでしぃか?

 実は今回のツアー、ススキノ東急インにも札幌エクセルホテル東急にも泊まれまちた。ススキノ東急インはススキノ交差点のしゅぐしょばで便利だし、エクセル東急は中の島で札幌駅からちっと遠いけどキラキラのロビーでお部屋も広いでし。でもねぇ、どっちもねぇ、朝食をランチに変更できないと、酔いつぶれ朝寝坊のうさたちにはしんどいものがあるのよぉ〜。京王プラザはしょの点で素晴らしいでしの。ふぅ。 

 お迎えのミニバスが来て、雪の道を車は進んで行きまし。らんらん。大倉山というとあの大ジャンプ台があるところ、でし。途中でエクセルホテル東急の前も通りまちた。う、豪華絢爛で天井が高いロビィに、うさちっとココロヒカレてちまいまちぃた。今度とまりに来よう。夏に「国稀」を尋ねてツアーをちよう、しょの時にレンタカー借りて!

 6月か7月の頭がいいでしネ。夏コミの締め切りと重ならないあたりでネ。ま・どーしぇうさは田舎のうさぎだからコミケには不参加でしけど。二泊三日、出来れば三泊四日の日程をとって!

「いいなぁ」

トラしゃんが呟きまし。ちっと首筋につめたいものを感じたうさ。ト、トラしゃんはそりを新婚旅行にしゅりばいいよ!ハチ君と二人で途中参加すりばオッケーよ!

 ぜい、ぜい。ふぅ、怖かった……。とこりでハチ君は今日もお仕事?

「そうです、休日出勤です。ちなみに大晦日も出勤です。そんなに働いているのに……」

 シュトップでし、トラしゃん!仕方ないデシよ、男の子は辛いモノでしの。若い頃は泣きながら、会社組織と言うモノの中で下積みをちなければなりましぇん。いまどきの若い男の子の『安月給』ぶりは目を覆うモノがありましからねぇ。うちの凪しゃんが新卒で就職ちた時よりも五万以上、ヘタしゅると十万近く安いの……。かわいちょう……。

 そりでいてお仕事は超・はぁど。恋愛にもシェックシュにもあまり積極的でない草食人動物になってちまうのは仕方がないのかもしりましぇん。あ、あの、こりはハチ君のことではないでし。ハチ君の名誉の為に、うさ・注!

トラしゃんはもとSEしゃん。就職ちてからは疲れ果てつつ、相当の高給でちた。ちなみに凪しゃんも若かりしころはアパレルの雇われ店長で、23日間連続出勤という記録を持ちつつ、お給料だけはよかったようでし。若い頃ガーッと稼いで、体力的に辛くなったら楽なお仕事に転職。しょんな生き方が許されるのは、この日本で現在、女のシトだけでし……。男の子って、タイヘンでし……。

「ハチかわいそうー」

 言いながら、車窓の雪景色を見つめる、うさたち。郊外へ行くに従って雪が深くなってゆきましの。あっ!うさここ知ってる!丸山公園というところデシ。トラしゃん、ありが北海道神宮でしヨ。あしょこには六花亭が茶屋というか休息所を作っていてネ、『判官さま』という限定のお餅を売っていて、お茶屋では一人一個、そりをタダで食べさせてもらえるのヨ。お茶も飲み放題だし、粒餡がおいちかった……。

 北海道神宮を右手に見ながらミニバスは山道を登ってゆきまし。北○道ワインしゃんへの道も凄かったけれど、ここも雪景色で、まだまだ雪が珍しい、うさ・トラ・凪の一行は窓にすがりつくよーにちてガン見。しゅごいねぇ、真っ白でしねぇ。

 とかユって、いたら。

 

きゅるきゅる、きゅるる。

 

 おろ?

 

きゅる、きゅるるる、きゅるるる。

 

おりょ、この音は、ナニの音?

 宮の森2-14交差点(ちゃんと覚えてきた、うさ♪)でミニバスは立ち往生。信号が青になっても、発進できましぇんでちた。

「ハマりましたか?」

「あー、こりゃ、ダメだぁ」

「撒きましょうか」

「そうしよう」

 運転手しゃんと、送迎リストを持った助手のシトとかそう会話ちて。

「皆様、申し訳ありません。雪にはまりました。砂を撒いてきますので、少々お待ちください」

 と、車内に向かって、ユって。

「やられたなぁ」

「まだ雪が柔らかいですからねぇ」

 しょんなお話をちながら二人で降りて、交差点に設置ちてある砂のポストから、ビニール袋を出して二人で、まきまきぃ!

「撒いてる、撒いてるよ!」

「うわぁ、初めて見ました!」

「あたしも初めてだよ!」

 うさも、うさうさも、初めてー!

 興奮のうさ一行。運転手しゃんと助手のシトは、ビニール袋をばりっと破いて、タイヤの周囲や前後にバラバラと、滑り止めの砂を撒いておらりまし。けっこう大胆に、掴んでばーって、お相撲しゃんが塩を撒くみたいに!

「よし、行けるか……?」

 運転手しゃまがエンジンをかけ、慎重にギアをツナギまし。う、うさうさまで一緒に、ドキドキ。左足を浮かして半クラッチ、アクセルを右でしょーっと開けながら、ハンドブレーキを下ろして。

 

ごぅッ!