うさぎの京都旅行・しょのイチ

 

 

 111日、金曜日の夕方。うさは博多駅構内を全力疾走〜!シュタタタタッ!

「まってぇー、うさーぁ」

 ヨタヨタのおばちゃん凪しゃんがうさの背後で悲鳴をあげまし。うさは構わず、シタタタタ。切符を咥えて、博多発1825分の新幹線、『のぞみ』に駆け込みまし。びよーんっ!

 自由席でしが、始発駅だからすいてるよ!端っこのお席を確保ちて、荷物を置いて、座席をリクライニングさしぇて、ふぅー。

 うさのこりから三時間の巣穴完成ッ!

 あ、みなしゃま、こんにちは。貪食細胞の愛されるマスコット・うさでし。今日はイベント前の京都旅行のために新幹線にのんの、ちていまし。

 普段は飛行機かフェリーでの移動が多いうさうさたちでし。大阪までなら飛行機は一時間、新幹線は二時間半だから。んでも、今日の目的地は京都。伊丹から京都への移動を考えると新幹線で京都駅へ乗り付ける方が早いのでし。んで珍しく、福岡空港ではなく博多駅からの出発でしぃ〜。

 ちなみに。

 福岡県の表玄関、JRの駅がどうして『福岡駅』でなく『博多駅』なのか。

 しょこのところの事情には、この地の歴史が刻み込まれていましぃの〜。

 「福岡」という地名は、福岡藩・藩主だった黒田氏が故郷から持ってきた名前なの。うさが住む南国の土地の、本当のお名前は「博多」っていうのネ。んで、廃藩置県や市政が施行されたとき、市のお名前を博多にするか福岡にするか、大騒ぎだったんだって。

 市議会の投票は同数。議長が福岡に一票を入れて、ここは福岡市になりまちた。が、腹のおさまらない生粋の博多商人・博多っ子たちの不満をなだめるべく、駅の名前に博多ってつけたのでし。ふぅ、ためになるうさ旅行記でしぃ〜。

「ぜぇ、はぁ」

 凪しゃんがよーやく新幹線に駆け込んできまちた。シートに座ってもこもこの上着を脱いで、ちょっと、なんでリクライニングをもとに戻すのでしか。

「離陸前は座席をもとにもど……、あ……」

 ナニが離陸だか。もぅ、恥ずかしいシトだなぁ。ふぅ〜。

 しょうこうしゅるうちに新幹線は出発ぅ〜。外は真っ暗で何も見えないけど、小倉、下関、広島、岡山、と駆け抜けていきまし。岡山かぁ、いこまんのお家はどこら辺かなぁ。そりから神戸、大阪を経て、京都に到着ちたのは2111分。ふきゅう、乗ってみると楽なものでしネ。お荷物は会場に送りつけているので、凪しゃんの荷物は着替えをちょっとだけ。列車を降りて、トコトコ、リーガロイヤルホテル京都へ歩きまぁし♪

 大阪のリーガにはよくお世話になるけれど京都のは初めて。てくてく。迎えのシャトルバスはもう終っているかもしりないので、うさは徒歩で、てくてく。地図を見てきたし新幹線の高架からホテルのマークを見ていたから方向はバッチリでし。『油小路』という地名しょのものにトキメキながら五分も歩いたでちょうか。リーガの正面玄関に到着〜。金モールつきの制服を着たドアマンが待機しゅる堂々たるロータリーでし。しょこをテクテク、歩いてチェックインしゅる凪しゃん。風情からちてナンか貧乏臭さが漂っておりましが、リーガの方は、しゃしゅがプロフェッショナル。

「お泊りのお客様ですか?どうぞ」

 歩み寄ってお荷物を奪ってくりまちた。しょのままフロントへエスコートちていただきまちた。えっと、先に同行のKらいしゃまがチェックインちていると思いましぃ〜。あのシトは金曜日にもお休みをとって四連休にちているの。うらやまちぃよぉ。

「はい、お待ちしておりました」

 渡されたのはルームキー。

「ただいま係りの者に案内させますので」

 いやん大丈夫、うさ一人でお部屋まで行けましヨ。お荷物も重くないから。じゃあね、フロントのキレイなおねいしゃん、バイバイ〜!うきゅきゅ、やっぱりいいホテルはいいなぁ。みんな親切で優しいデシ。

 てくてく、エレベーターへ。のんのちて9階へ。あり、9階が客室とちては最上階なのでしネ。エレベーターから降りててくてく。ナンかだんだん奥へ入ってゆきまし。ナンか、ドアとドアの間隔が、えりゃく広いでしヨ……?

「こんばんはぁー。あけるよぉー」

 キーでドアを開け、凪しゃんとうさは室内へ。

「おつかれーぇ」

 中に居たKらいしゃまが仰いまし。既にパジャマ姿、寛ぎスタイル。うっ、うらやまちぃ〜!うさもすぐ脱ぐもん。着替え、きがえ〜。

「部屋、えらく広くない?最上階だし」

 たちかにソファセットがあって、テーブルがあって、ベランダつきで、広いし、なんか豪華なお部屋でしぃ〜。一泊素泊まり、一人で6500円じゃなかったの?

「あー。ナンか今日、すいてたらしくって、二千円追加でアップできるって言われたから、頼んだ」

 きゅーっ!Kらいしゃま、えらぁい!とても素泊まり7500円には見えましぇんの〜。優雅なお部屋で、Kらいしゃまが買っておいてくりたデパートのお惣菜を並べて、うさが運んだ北海道ワインしゃんの『まいすたーせれくしょん・白』をあけて、パジャマでかんぱぁい!

 ごくごく、あむあむ。京都の高野豆腐、おいちーぃ。焼き鳥もおいちぃな、あむあむ。ワインもごっくん。ふきゅーん。現地到着時刻が遅いとき、うさたちはよくこーやってデパチカお惣菜パーティーをいたしましの。

 ふぅ、おなかいっぱい。二人で一本ちかなかったワインはちっと呑み足りないけど、明日があるから我慢いたしまし。がまーん。お家から持ってきたコーヒーを煎れて、みんなでテレビをぼーっと眺めましぃ〜。

「七人の部隊で尉官が二人ってアリ?」

 あっていたのは、戦時中の事情を現代に引きずるサスペンスで、下関が舞台でちた。うさと凪しゃんの半地元デシ。山口県の西半分は九州だもーん♪

「いや、いくら特殊部隊でも、まさか」

 ハガレンでリザしゃまやハボたんがわらわらちているのは、大佐が率いる大隊の幕僚だからデシ。司令部ならば役付きがうろうろちていて当然だけど、軍隊で尉官っていうのは将校でしからねぇ。士官学校卒以外は、長年真面目に勤め上げてよーやく、定年前にたどり着けるかつけないか、でしの。前線に出ている部隊で七人の部隊に大尉と少尉?うそぉーん!

「あれ。あそこ高杉の旧宅じゃないよ。お杉ちゃんの死後におうのちゃんが住んでたところだよ」

「わぁー、下関海峡ってせまぁーい」

「旧宅と下関海峡の間は車でも三十分かかる距離があるんだけど。下関市は広大だ。合併してからは特に」

「ははは、ナニあの銃〜。あんな口径でアタマ撃ち抜くのムリぃ〜」

22口径じゃねぇ。軍用は38口径からでしょう」

 うーむ。ツッコミと時代考証にうるさい二人組。でもとっても楽しそう。ドラマの楽しみ方とちては明らかに間違ってましが。

 そりから、Kらいしゃまが昼間に行かれた伏見のお話を聞いて、明日からの計画をたてて。Kらいしゃま、うさに伏見でおいちしょうなチリメンを買ってきてくりてまちた。ありがとぉ!んでもごめんね、うさたち、なんにもないの。

「そうそう、今日は博多駅からだから買ってこれなかったけど、27日にはちゃんと、ちかえのメンタイコ買ってくるから」

27日ってナニ?」

 真顔で尋ねるKらいしゃま。

「……!」

 低く呻く凪しゃん。絶句しゅるうさぎ。

「シティだよ。東京の」

「あ」

 あ、じゃないでしよ、Kらいしゃま!

「ところで、銀魂本どうしようか。会場で時間ないかもしれないから、前日にもらって」

「あー、大丈夫。開場前に凪さんとこ持ってって、そのまま銀魂で買い物するから」

「……」

 アサイチはスペースを空ける気なのでしネ、Kらいしゃま。まぁ、うさは大人のうさぎだから、うるさいことは言わないでおくけどぉ〜。

「○○冊持ってきてるから、そっちには●●冊ね〜」

 明るくあっさり、仰るKらいしゃま。うさうさと凪しゃんはヒイッと声にならない悲鳴漏らしマシ。

 Kらいしゃま、1月の大阪でしよ?夏冬のコミケを除けば短日開催では最大規模でしよ?しょんでKらいしゃまでしよ?

「ははは、大丈夫大丈夫」

 ……ウソツキ。

 在庫、手搬入って聞いたから、いっぱい持ってきてねってうさ、あんなにお願いちてたのに。

 明日は温泉に行く予定だけど、タオルはうさが持っていくから、しょのぶん在庫をいっぱい持って来てって、あんなにあんなに、くりぐりも、お願いちていたのに。

「何時?12時かぁ。寝るわ。おやすみー」

 最近は早寝というKらいしゃまは日付が変わる頃、ねむねむ。

 不安にゆれるうさぎと凪しゃんは、そりから暫く、枕とシーツを噛み締めて、悲しみに耐えておりまちた。ちゃんちゃん♪