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     ビートルズ随想記(13)

  解散後のリリース回想記(CD後編

 

 


    平成も2ケタ時代になるとCD製作に最新の技術を用いてマスタリングし直す「デジタル・リマスター」が盛んに行なわれるようになり、ビートルズの作品でも平成11年(1999年)に「イエロー・サブマリン・ソングトラック」(右上写真)が発売された。タイトルの通り映画「イエロー・サブマリン」で使われたビートルズ中期の作品でまとめられたこのCDは選曲の良さと共にその音質の良さに驚いたものである。またリミックス処理も行なわれているため、従来の一部アルバムにあったヴォーカルが片方に寄り過ぎている楽曲も自然な配置に変更されており、後に予想されるオリジナルアルバムへの適用を期待したものである。

   そして平成12年(2000年)はビートルズが解散して30年、英国・米国でのチャート1位獲得曲をまとめたベスト盤「ザ・ビートルズ 1」(右下写真)が発売された。当初は購入するつもりがなかったものの、CD帯に記載の「24ビットデジタル・リマスタリング/ノー・ノイズ・テクノロジー」に誘惑され購入してしまった1枚である。実際に聴いてみるとやはり音が良い。またこのCDにはディスク容量いっぱいの27曲が収録され、ビートルズの時代を駆け足で巡れるような味がある。ファンとしてはやはり買って良かった。(かな?)

イエロー・サブマリン?ソングトラック?
ザ・ビートルズ1

 

    さらに平成15年(2003年)には従来の「レット・イット・ビー」を当時の発売趣旨で編集し直した「レット・イット・ビー・ネイキッド」(右上写真)がリリースされた。内容・感想については随想記(10)に記したが、このCDで困ったのは購入した国内盤がCCCD(コピー・コントロールCD)であったことである。パソコン(Windows Media Player)で楽曲を管理するには余りに不便な仕様で、やむなく通常仕様の輸入盤(EU盤)を買い増しした…。この出費には正直ガッカリしたが、このCCCDの評判は芳しくなく発売元の某社では近年のリリース作品からは通常仕様に改めたようである。

   さて、英オリジナルアルバムのコンセプトを重視する観点から廃盤になった米キャピトル盤は海賊盤ではCDが存在していたが、平成16年(2004年)に「THE CAPITOL ALBUMS VOL. 1」、平成18年(2006年)に「THE CAPITOL ALBUMS VOL. 2」(右下写真)として公式にリリースされた。前者は国内盤がまたもCCCDで不評、後者では一部曲のモノラルテイク収録ミスなどで物議をかもしたのが思い出される。しかし各アルバムともステレオ&モノラルの両テイク収録であった点はファンから好評であったことを付記しておく。

   ところで続編の「THE CAPITOL ALBUMS VOL. 3」のリリースは立ち消え状態のようだが、もうボツかな?

レット・イット・ビー...ネイキッド
ザ・ビートルズ ’65 BOX

 

    右写真はビートルズのファンが良くも悪くも驚いた「Love」、シルク・ドゥ・ソレイユの公演“LOVE”のサントラ盤として作られ平成18年(2006年)に発売された。このCDに収録されているビートルズ楽曲の大胆な切り貼り・継ぎ合わせを新鮮と受け止めるか、冒涜と受け止めるかはファン各個の考え方によるだろう。自分は初めて聴いた時に良くこれだけ上手くつなぎ合わせたものだと妙に感心したが、全体を通してテーマである「Love」が表現されている印象を確かに受けた1枚である。

 ラヴ

 

    そして平成21年(2009年)9月9日、全世界でビートルズの最新リマスター盤が一斉に発売され、「アンソロジー・ブーム」以来の大きな話題となった。その内容は英国全オリジナルアルバムと「マジカル・ミステリー・ツアー」「パスト・マスターズ」(右写真)、およびそれらをセットにした「ザ・ビートルズ BOX」、モノラル盤をセットにした「ザ・ビートルズ MONO BOX」とあってファンにとっては出費だ散財だの大騒ぎ…これらの内容については今後具体的に取り上げてみたい。

パスト・マスターズ