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    ビートルズ随想記(32)

If you were here today …

 

 

  

   待ちに待ったポール・マッカートニーの国立競技場でのコンサートが2014年5月17・18日に行われる…はずだったが、既報の通りポール自身の体調不良により中止となってしまった。病状については残念ながら数日で治る見込みがなく、この後に予定されていた21日(日本武道館)・24日(長居陸上競技場)も含めすべて中止が決定した。まことに残念ではあるが理由が理由だけに止むを得ず、今はポールの一日も早い快癒を祈るばかりである。 

   そこで今回は当日の雰囲気だけでも、と考え17・18両日の国立競技場周辺の様子等を簡単にレポートしてみたい。そしてこれを実現叶わなかった日本公演の記録として残すことができれば、と思う。 


国立競技場は5月の心地よい晴天だった
   

 

    TAKE1.5月17日(土)・晴

   15時ごろ現地に到着。既に大勢のファンでごった返しており、特に沿道ではポールの入場を待つファンがカメラやスマホを構えて今か今かと待っている。自分も半年前の経験からポールの入場は開演時間の2時間半前と予想し、そろそろかなと思い待機する。しかし今日は遅れているのか当のポールはいっこうに現れず、無情にも時間が経過していく。

   すると16時ごろ、スマホ等を子細にチェックしていたファンからであろうか、今日は中止らしい旨の話が広まり始める。確かに17時半開演なのにこの時間になっても現れないのはおかしい。


ポール入場のクルマを待つファンの人垣
  

 

   待ち合わせの知人と携帯電話で連絡を取り合い、人混みをかき分けアリーナ入場門である千駄ヶ谷門(マラソン門)で落ち合う。すると程なく主催者発表で正式に「本日中止・明後日の月曜に延期」とのアナウンスがあった。自分は都内在住のうえ気楽な稼業(?)とあって明後日の参戦を決めるが、知人は岡山から上京で月曜日の職場突発休は不可とあって止むを得ず断念、残念としか言いようがない。実際のところ本日のために地方から駆け付けたファンも多いと思われ、その交通費・宿泊費を思うと気の毒でならない。

   なお自分はこれとは別に明日(日曜)のスタンド席もキープしてあり、連日の出陣… しかしわずか1日でポールの体調が急速に回復するのだろうか、との不安も拭えないまま時間は経過していった。 


延期が発表され、会場を「アウト・ゼアー」するファンたち
  

 

      TAKE2.5月18日(日)・晴

   朝から自宅でネットを駆使して情報収集に努めるがどうも不確実かつ悲観的な書き込みしか見つからない。そこで意を決し16時前に自宅を出て16時半に国立競技場に着いた。(この日も17時半開演)

   その際に自分が歩いてきた地下鉄駅へ向かう若い人のグループとすれ違い、彼らのTシャツに「GIVE PEACE A CHANCE」のロゴを見つけびびる。これはジョン・レノンの曲名で、ポールも時折コンサートで取り上げる曲としてファンには知られている。さては今日も中止決定かと思いながらも国立競技場に辿り着くと、多くのファンが携帯電話やスマホで連絡を取り合っている。やはり…?? 


本日は中止、明日も中止、を繰り返す主催者
 

 

   道端のファンと思しき人に聞くと「中止です」との返事、さらに主催者側はスピーカーで明日の振替分も含め中止と繰り返している(右上写真)。あぁやはりダメだったかと思ったものの、せめて国立競技場内の雰囲気だけでもと思い会場内に乗りこんでみた。

   すると国立競技場にはまだまだ多くのファンが残っていて、中止を告げる貼り紙を見つめたり記念写真を撮ったりしていた。一見して皆意外なほどおとなしく、怒鳴ったり係員に詰め寄る者もいない。唯一賑やかだったのは通路内のグッズ売り場で、どの販売員もてんてこまいで駆け回っている。ここではTシャツやマフラータオルと共にプログラムも販売していたが、これは半年前のものから改訂が加えられている情報を得ていたので今回も1冊(3,000円)買った。


国立競技場の見納め、歩き回るファンも少なくない
  

 

   さて中止となるとチケット払戻し手続きが重要となるが、これについてはネット等で情報を確認すべしとの告知があったので自分も会場に留まる理由がなくなり帰宅することにした。この時点では数日後の武道館&長居は開催予定であったが結局これらも中止、翌週のチャムシル(韓国ソウル)も中止が決定し、ポールのアジアツアーはすべてお流れとなってしまった。 

    ところでポール自身は再公演を強く望んでいるとのことだが、それが実現するかは現時点では何とも言えない。もちろん本人にその意志があるならばファンとしては待つのみである。自分はかつて1990年のツアーで「やっと、会えたね」のキャッチコピーに強く感じ入ったが、今はその気持ちよ再び!であることを特記して拙文の締め括りとしたい。


買ったプログラムを右下に置いて撮影してみた